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心が飛ぶ

知らない土地の写真が目に触れただけなのに、ただそれだけなのに、私はそこに生きていた気がする。そこに生きている人の気配を、肌に当たる風が纏って、触れて、痛いほどに感じる。
確かにそこには人々の生活があって、私も共に、そこにいる。
2階建てのその家の窓から顔を出して、陽が沈みゆくオレンジ色の空を眺めている。いちばん長くなった影が落ちるその道路を、切なさに心を焦がしながら、自転車で走り抜けている。

どうしてだろう、涙が出る。

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setonai
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