
What a Difference A Day Made
海外ドラマを観ていて、そのシーンと流れている曲があまりにぴったりだと、
それだけで涙が出てくることがある。
すごいなあ。
選曲なのか、ストーリーなのか、もちろん両方すごいのだけど
タイミングと組み合わせ
喉が渇いてしょうがないときに飲んだ水のように
メロディが沁み渡っていく。
「グレイズアナトミー」
最長記録くらい続いているドラマのシーズン5くらいまで、
かなりのめり込んで観ていた。
シーズン2とか3の頃は、一度見始めると眠たくても面白すぎてベッドに入れず、
ソファに座ったまま、目を開けて寝ながら。
ある時、その観ていた頃のピークというか、ここで!?というタイミングで
主要登場人物の一人が(物語の中で)亡くなってしまった。
それもかなりショッキングな形で。
呆然と、心が画面の向こうの世界から逃れられなくなってしまった瞬間、
What a Difference A Day Made
がきこえてきた。
体中を巡っている血と同じように、その曲が血管を伝って心臓を押す。
ドクンと鼓動が強まった気がした。
「一日でこんなにも変わるなんて」
とても好きな曲だけれど、マッチング、それこそマリアージュというのか
なにと合わせるかで味がとても変わる曲だと思う。
本来はすごく幸せに満ちた恋、愛の歌詞だけれど、
What a Difference A Day Made
で始まる冒頭の歌詞と素晴らしすぎるメロディは、
むしろ喪失や、変貌と合わさった時に、
ものすごい化学変化が起こる曲だ。
昨日まで、あなたはここにいたのに。私たちは楽しく笑っていたのに。
一日でこんなに変わってしまうなんて。24時間しかたっていないのに。
昨日に戻りたい、そこでどうにかできたら、あなたを失わずにすんだだろうか。
恋の幸せに満ちた歌が、そんな歌詞に聴こえてくる。
ここ最近、そんな思いをすることが多かった。
「グレイズアナトミー」と同じく大いにのめり込んで、
音楽とストーリーを組み合わせたことで起こる魔法、
今まで苦手だったミュージカルを私の中で変えてくれたドラマ
「Glee」でサンタナを演じていた、ナヤ・リヴェラが亡くなった。
このドラマの出演者で亡くなったのは3人目。
音楽、歌詞、ドラマがまさに三位一体、奇跡的に絡まっているこのドラマには
あまりに影響を受けすぎて、最後のシーズンはいまだに観ることができていない。
最終回を見なければ、物語はいつまでも終わらない。
いつまでも昨日のまま、今日を迎えずにすむ気がして。
俳優の死というのは、彼らを観ている人の数だけの死になるのかもしれない。
だから一人の死でも、それはどんどん膨らんで、耐えきれないほどの
喪失になっている。
What a Difference A Day Made
やっぱり、何かが生まれたときよりも、失ったときの心に
流れてくる曲の気がする。
昨日の今頃は、あの場所にいたのに。今ここにいるのが信じられない。
明日の今頃は、どこにいるんだろう。と思うことがあります。
画像は、昨日いた場所で撮ったものにしました。