6段階あった? マズローの欲求5段階説
有名な「マズローの欲求5段階説」は実は6段階あったそうです。
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人間には成長意欲があって、
下次元の欲求が満たされると、
上の欲求を満たそうとする、と説いたマズローさん。
そうとも限らない、という声もあるようですが、
これを中小企業診断士の勉強で知ったときは、
「へぇ~」と、やたら感心したものです。
言われれば当たり前のようなことを発見するのは困難だし、
理路整然と説明できるのはスゴイ、と。
ピラミッドで表記されることが多い図を、
階段でつくってみました。
1 生理的欲求 (食べる・眠るなど命の維持)
2 安全欲求 (身の安全・収入の安定など)
3 社会的欲求 (または所属と愛の欲求 。家庭や社会への帰属)
4 承認欲求 (褒められたい・認められたい)
5 自己実現 欲求 (あるべき自分になりたい)
ここまではご存じの方も多いですよね。
ところが、1970年に亡くなったマズローは死する前、
「自己超越を6段目に」と伝えていたと以前、聞きました。
6 自己超越 欲求 (コミュニティ発展欲求)
人や街や国そして世界の幸せを求める利他的な欲求。
これまで私は、こういう利他的なものは
「自己実現欲求」に含まれると思っていました。
でも、マズローさんは分けて考えていたのですね。
確かに、「自己実現」から「自己超越」に上った時点で、
別次元に昇格する感があります。
ここでちょっと横道にそれます。
数年前に、下記が話題になったときは笑いました。
「命の維持」を意味する「生理的欲求」のさらに下に、
今ではwifiに電源。こんな欲求が生まれているよと(笑)。
このユーモアあふれる着眼点、最高。
ではでは、話を戻します。
「5 自己実現欲求」の上にあるはずの「6 自己超越欲求」は、
素晴らしい観点なのに、なぜあまり知られていないのでしょう?
私が聞いた限りでは、2つの理由が考えられました。
【ある方の仮説①】
6 自己超越欲求には、
壮大で宇宙的で宗教的な面が多分に含まれてくるので、
意図が誤って伝えられるなど危うい面がある。
よって、広まらない(広めない)のではないか。
【別の方の仮説②】
6 自己超越欲求は、世界中の幸せを求めるものだから、
ともすると共産主義を彷彿とさせる。
それは、資本主義を脅かす思想として、
70年代には捕まる恐れがあった。
よって、マズローはこれを公にしなかった。
どちらも、なるほどと思える説ですが
②のほうが信ぴょう性が高そうです。
なぜなら、マズローが生きたアメリカは、
1955~75年までベトナム戦争をしていたからです。
(ベトナムは現在、社会主義共和国)
ただ真偽のほどはわかりません。
※追記:
こちらの聖路加看護大学紀要 No.35 2009. 3. 論説によると、
P.G.ジンバルドーの『現代心理学』p448で,
著者はマズローの基本的欲求の階層図を6段階としたそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=shmZos64HBE
投稿の後、YouTube動画を撮りました!
自己実現に達するための16のリストなど、
知られていない話も紹介しています。
よろしければご覧ください。
幸運なことに、私は企業取材で、
人間力の高い魅力的な方々にたくさんお会いしてきました。
そうした方々に共通するのは、
「6 自己超越欲求」の高さです。
自社の利益のことだけを考えるのではなく、
社員とその家族、顧客、取引先、業界、
地域や国の幸せを考える方々で、
そうした人や企業には、質・量ともに豊かさを感じます。
~ ~ ~
アブラハム・マズローが1970年に亡くなって、
今年でちょうど50年になりました。
もう、「自己超越欲求」の話をしても、
宗教がかっているとか、共産主義的だ、なんてことは言われません。
むしろ、「いいね!」や「♡」がつく時代です。
日々のニュースを見ていると、
世界の質的な進歩は起きているのか?
むしろ後退しているのでは?
と思うような出来事も起こります。
けれど、世界中の幸せを堂々と願い、
声に出せるようになった国は明らかに地球上に増えています。
これからは、さらに先へと進み、
「自己超越欲求」を抱いている人にしか人が集まらない。
そんな時代になっていくのかもしれません。
というか、その片鱗はすでに表れていますよね!
そこに、希望を感じるのです。
YouTube【幸せに働き生きるヒント】更新中。
こちら。