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Photo by
ahoutrain
レジ横の彼氏はコンビニエンス
コンビニエンスストアのレジ横は、宝の山らしい。
甘すぎるであろうお団子、乾いたどら焼き、最中、見たことのないパッケージのチョコレート、知らないカードゲーム。ついつい手に取ってしまうものばかりだ。手にはね。
もちろん、買わないけれど。
だから、彼氏の家にレジ横商品が置いてあったときは驚いた。
「あ、こういうの買うタイプなんだ」
呆れているばかりでもない。バカにするつもりもない。
でも、合わないなとは思う。
彼氏は、素人の家に行く番組を見て笑っている。
昼のドキュメンタリーを見て泣いている。
アタシは見ないけれど。
大丈夫、そういうところは嫌いじゃない。
そういうところは……。
その日は昼まで大雨だった。彼氏は白いビニール傘を抱えていた。
コンビニで買ったのだろう。その場で袋を店員に剝いてもらっただろう。
「これ、700円もしたわ」
彼はいら立っていた。
あたしはもっとイライラだった。