天才の母。
【あらすじ】
ノーベル化学賞を受賞した若き天才研究者の大木渉(25)。受賞式で家を離れることになった大木の代わりに、旧友の川口晴彦(25)が家の留守番をすることに。すると、孤児だったはずの渉だが「私が母親です」「ママはあたし!」「おらがあの子の母親だっぺ」「ウチがおかんやし~」と母親候補が4人現れて、実の息子であることをアピールし始める。しかし、どれもホントのようでウソっぽくて、ホントのようで……晴彦はてんやわんや。賞金や今後について揉めるうちに、分配する方向で話が進んでいく。
しかし、困惑しっぱなしだった晴彦が口を開く「あの研究を見つけたのは、オレなんです」と。研究をこっそりパクられた大木を憎んでいた晴彦は、大木に毒を仕込んでおり、会見中に倒れてしまう。
すると誰一人、涙を流していない母親候補たち。
一方、死にそうになりながら「この賞は、川口晴彦のモノだ。申し訳ございません」と涙し、死んでいく渉。それを見て公開する晴彦。
同じく母親がいなかった晴彦。振り返ると――「久しぶりねぇ~晴彦」と4人の笑顔。 (おわり)