SETOUCHI ART COLLECTIVE CROSSING2023 GREEN を終えて。
はじめに
みなさま、こんにちは! 瀬戸内アートコレクティブです。
このたび、瀬戸内圏域での活動を通じて現代アートの振興を目指す私たちが、岡山・香川県6人の現代アーティストと期間限定の特別ギャラリー企画を実施しました。このレポートでは、その模様をお届けします。
回数を分けて報告していきたいと思いますので、のんびりお茶とお菓子を食べながら読んでいただければ幸いです。🤗🍵
本企画展示の目的・結果まとめ
瀬戸内国際芸術祭2022 県内周遊事業『おいでまい祝祭2022〜心がつながる街ごとアート~』 の際にお世話になりました丸亀町グリーンさまの西館1階の店舗にて2週間の特別ギャラリーを開催いたしました!✨
まずは報告に先立ち、今回のギャラリー企画にご支援・ご協力を賜りました丸亀町グリーンの関係者各位、そしてご来場いただきましたみなさまに心から御礼申し上げます。
本企画展示では「6 名の現代美術作家が自分自身でアートギャラリーを運営する」というプロジェクト型の取り組みを行いました。
普段私たちは企業や自治体からの受託型アートイベントを収益事業として行い、その収益を自主展示企画に活用するというアプローチをとっています。しかし、今回は一般の消費者に対して現代アートのセールスを作家自身が行うという試みを行いました。
その結果、以下の3点に整理することができます。
1. 直接的な芸術体験の提供:
アーティストが自身の作品について説明し、制作背景やインスピレーションについて共有することで、作品に対する理解とつながりを深めていただくことができました。
これにより、作家や作品に対する興味を深めていただき、今後の購入や継続的な支援につながる可能性を図ることができました。
2. マーケット拡大と販売促進:
大手百貨店の美術画廊のような古典的画廊とは一線を画す、コンテンポラリーギャラリー特有の自由な空間の使い方や造形について非常に強い関心が寄せられていました。丸亀町グリーンという立地の良さからふらっと散歩に訪れる層も一定層見られ、現代アートに関する認知や購買意欲の醸成、アート市場の裾野拡大の手応えを掴むことができました。
3. 地域のブランド価値向上:
丸亀町グリーンでテナント出店されているオーナーや、近隣の飲食関係の経営者など地域で事業活動を行う方々も多数来場。彼らからは丸亀町グリーンのイメージに合った、洗練された印象で、元々あった空間を巧みに使っている点を評価いただきました。また、丸亀町グリーンのブランドイメージとしてこうしたコンテンポラリーのギャラリーがあることは非常に嬉しく、継続してほしいとの声もありました。
また、本展示では「アートが身近に」というタイトルを副題として2 週間の会期中に3 つのワークショップ『オンライン・現地双方向による対話型アート鑑賞』、『純銀箔貼りワークショップ』、『ステンシルポストカード作り』を企画し、一般の消費者とのコミュニケーションを高める取り組みも行いました。
『オンライン・現地双方向による対話型アート鑑賞』ワークショップ
現地会場でスマートフォンのカメラを使い、ZOOM でのオンライン上のミニギャラリーツアーを同時並行で行いました。
会場内にある作品の簡単な紹介や、本企画展のコンセプトを説明。その後、プロジェクターで投影された画面で、アートファシリテーターが対話。鑑賞プログラムについて説明し、参加者の方々がそれぞれ自己紹介を行いました。アートファシリテーターは長南雅也(オンライン担当)と小西慶信(現地担当)。今回は辻孝文さんの作品を鑑賞対象とし、はじめに数分間作品をじっくり鑑賞。次に作品から感じられた内容や考えたことをファシリテーターと共に鑑賞者が言葉にしていきます。
アート作品に向き合い感じたことを言葉に出す、という経験は対話型鑑賞を行ったことのない方にとってはとても新鮮な体験。アート作品を鑑賞する上で新たな気づきに繋がるアプローチであることを知ってもらいました。
参加者からは、「他の人の話を聞くことで、作品に対する見方が変わった」「アートについて語り合うことがとても楽しかった」など、ポジティブなフィードバックをいただきました。
『純銀箔貼りワークショップ』ワークショップ
箔を用いた作品を発表する金孝妍さんを講師として、純銀箔を貼って描きしおりを作るワークショップを開催。
金さんの展示作品で使われている銀箔についての説明、また作品の制作過程を話しながら実際にデリケートな日本画材料と銀箔に触れることで、より作品や制作に対する理解・興味を深めてもらう目的で行いました。
各回とも盛り上がり、楽しく行われました。
参加者からは、「小さな銀箔を貼るだけでもシワができたりして難しかった。ワークショップ後に金さんの作品を改めて鑑賞し、箔が大きな面で使用されているのを見て大変さを感じ驚いた」「とても楽しかったので、定期的に行って欲しい」というお声をいただきました。
『オリジナルステンシルポストカード』ワークショップ
ステンシルでの作品も手がけている辻孝文さんを講師として、小さい子も楽しめるステンシルを使ったオリジナルポストカード作りのワークショップを開催。花と蝶のステンシルの2 種類を使いオリジナルポストカードを制作、完成後は普段お世話になっている方へまたは、自分自身へのお手紙を書くなどを行いました。
当日は雨のため午前の部は2 人参加でのスタートでしたが、ステンシルの説明などを熱心に聞かれたり、作家は参加者からの質問攻めに合うなどして盛り上がりました。
午後は当日参加者が3 名の合わせて6 名で行われました。参加者は高校生や小学生とその父親など、和やかな雰囲気での制作時間でした。
参加者からは、「不器用なので不安だったが、教え方が丁寧で楽しく作ることができた」「またやってほしい」というお声をいただきました。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
次回は、6名の美術作家と作品についてお伝えしていきます✨
To be continued…