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ハッピー・ハッピー・ハッピー

2009年、当時の俺は、教室の隅っこでよく陰キャラとアニメの話をしていた。だから、クラスのみんなからはオタクと思われていたと思う。

しかし、実際には見ていない作品も多く、特にロボットアニメについては知識が全くなかった。また、当時の仲間が夢中で追いかけていた特撮モノも見ていなかったため、そんなにオタクではなかった。萌えアニメ特化型だったから、ヒロイン愛が強く、「柊かがみと結婚したい。」とか言っていたから、他の奴に比べてキャラが濃く見えていただけだ。

変な話の広まり方のせいで、俺が硬派なアニメオタクだと勘違いされ、隣のクラスの似たような顔つきをした奴が話しかけてきたときは本当にキツかった。攻殻機動隊の話題を振られ、「見たことない。」と答えてお互い気まずくなったのを覚えている。もちろん、その後彼と話すことは二度となかった。

それでも、アイデンティティを失うのが怖くて、同級生が見ていないであろう古い作品を頑張って見ていた。そうすると、話に誰もついていけないから、「こいつすげえ。」となり、それがたまらなく気持ちよかった。

流行りにも敏感だったので、深夜アニメも追いかけていた。特に木曜日が一番好きで、8chでノイタミナのオシャレな作品を見た直後、すぐに6chに回して立て続けに萌えアニメを見るのが生きがいだった。

初めて『東のエデン』を見たとき、体に電流が走るような衝撃を覚えた。オープニング曲が洋楽で、当時柊かがみのキャラソンばかり聴いていた俺でも「クソかっこいい。」と思った。調べてみたら、歌っているのはオアシスというバンドだった。

1年ほど経って、『BECK』という映画をたまたま見た。その映画でもクソかっこいい洋楽が流れ、どこかで聞いたサウンドだなと思い、エンドロールを見たら、クレジットにオアシスと書いてあった。

それから『(What's the Story) Morning Glory?』を借りてきて、俺の人生が変わった。アニソンだらけだったウォークマンが、オアシスとの出会いをきっかけに、ビートルズやレッチリが入ってきて、さまざまな音楽を聞くようになったのだ。

だから、一度オアシスに会ってみたいと思うのは当然だが、時すでに遅し。解散していることを知り、とてもショックを受けた。

あれから10年以上の時が経ち、2024年8月27日。オアシスが再結成を発表した。素直にとても嬉しい。クソカッコいい俺たちのオアシスが帰ってくる。ついに、生まれて初めて、生のギャラガー兄弟を見られる日が来るかもしれない。

普段はいないと思ってるけど、今夜だけはいると信じてやる。
神様よ、俺をロックンロール・スターに逢わせてくれ。

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