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くすぶっている私が「くすぶりの狂騒曲」を観てきました

もううちの県では上映が終わってしまったのですが「くすぶりの狂騒曲」を観に行ってきました。


パンフレットと推しさんのアクスタ(笑)

数年ぶりにお会いしたお友達を誘って大宮のお笑いユニット「大宮セブン」のメンバー「タモンズ」さんが主人公の映画を観に行きました。


俳優さん達の演技や声、雰囲気までも似ていて驚く…!

俳優さん達が演じる芸人さんは動きとか仕草とか声の雰囲気とか、モノマネでは無いのにそっくりでびっくりでした…!

主人公はタモンズの大波さんと安部さん。
大波さんは和田正人さん、安部さんは駒木根隆介さんが演じていました。
このお二人の雰囲気がタモンズのお二人らしいというか、タモンズでした…!
ネタ中の間とか声とか、憑依しているのかと思うほど。
他のセブンメンバーも似ていて、特にネタシーンが全組似すぎていて、特にマヂカルラブリーさんは似すぎ!!(賞賛の言葉)
私の推しのすゑひろがりずさん役のお二人もセリフこそ多くないのですが、画面にいるとちゃんと存在感があって、南條さん役の方はセブンライブではしっかり「やばし」(大宮セブンメンバーそれぞれの屋号)ですし、何も言わないけどパンイチで画面にいる三島さんもやっぱり「べらし」らしい(笑)。
とにかく雰囲気がちゃんと「すゑひろがりず」でした(笑)。
ただ、ネタが狂言プロレスだったのはなぜだろうw(YouTubeのネタの舞台版?)過去にやったのかと思ったら、南條さんのお話を聞くとどうやらそうではないみたいです(笑)。

でももちろんこの映画はご本人に似てるとかいうことを楽しむ映画でも大宮セブンファンだけが楽しめる映画というわけではありません。
かなり満足度の高い映画で、余りよく大宮セブンメンバーを知らないお友達(すゑさんとマヂラブさんの一般的な情報を持っている方です)も満足度が高かったと言っていただけました。
私に付き合ってくださったので少々心配ではあったのですが、映画自体が面白いので知識がなくてもしっかり楽しめるとても良い映画でした…!

イオンシネマに飾ってあったポスター。(顔が写っているので一部ぼかしかけました)

くすぶり続ける姿に自分も重なり涙が止まらない…

この映画は芸人としてくすぶり続けて悩んでいるタモンズが主人公なのですが、私も仕事をやっと再開させて丁度くすぶっている上に迷走しまくっている最中なので、芸人さん達の葛藤が心にグサグサ刺さりまくって、2時間ほどの映画なのですが、ずっと泣いてました。

バイトしながらお笑いを続けている安部さんの姿がもう刺さるったら無いです。
妻子もいて家族を支えながらお笑い芸人としての仕事とバイトをがんばる姿がもう…ぐっさぐさ刺さります。
でも面白くなりたくて、面白いと言われたくて奮闘する姿に涙。
やりたいことだけでは食べていけないと言う厳しい現実と戦いながら芸人とバイトの掛け持ちをしている生々しい現実が観ていて辛かったです。

途中コンビ名を改名したり(一時期「つき」という名前に改名したそうです。私がファンになる以前の話)、トリオになろうとしたり(これも実話だそうですが実現しなかったんですよね、確か)、とにかく売れるために、面白くなるための努力をする姿に、そのくすぶっている姿に涙せずにいられませんでした。

あと、これも実話なのですが、家族のためにと思いお金を100万かき集めて出資した熟成肉の投資がまさかの詐欺だったと言うのにも…。「家族のため」という理由なのがさらに切なさを増しさせます。リアルの安部さんはちょっと面白い感じでお話していましたが、悔やんでも悔やみきれないのではと思います…。(少しお金はお金は返ってきたようですが)

芸人さんって売れなくてバイトしてるということも話のネタにしたり、失敗した話でも明るい感じで振る舞いながらお話するんですけど、お笑いが好きなだけじゃやっていけない現実を受け止めつつ、でもお笑いは好きだから辞めれない、辞めようと思うこともあるけど諦めきれずに続け、そしていつか売れると信じて芸人さんを続けているのが強いなと思います。
ですがやっぱり苦労している現実も笑顔の裏にうっすら感じたり。
そんな辛い経験をしていても、それでもずっとお笑いを続ける姿が自分にも重なって泣ける泣ける…!
好きだけじゃ続けていけないと言うことを痛い程実感させられました。
でも、夢がない現実を突きつけられるだけの映画ではないと思います。
タモンズさんの実力や面白さが認められているという今があるので、そういう意味ではこの映画の先には希望や救いがあると思います。

歌にも泣かせられる・・・

劇中でタモンズの熱狂的なファンが一人登場するのですが、そのファンにも自分を重ねて泣いてしまうんです。
売れなくてもがき苦しんでるタモンズをお客さんが少ない頃からずっと劇場で観て応援してきているファンが、大波さんに大声で「タモンズは面白いです!」と言うシーンはもう涙腺崩壊。
そのファンも駅前の歩行者専用デッキ(ペデストリアンデッキと言うそうです)でギター1本抱えて座っていて、路上ライブがしたいけど歌えないでいるのですが、迷走している大波さんを見て、勇気を出してついに歌うシーンがあるのですが、その歌も泣ける泣ける…!
劇中でしか聴けない歌なのかと思いましたが、ファン役を演じている永瀬未留さんが4年前にこの歌をYouTubeに上げていました。魂からの想いのこもった歌を聴いてまた泣きました。

永瀬未留/私's18-20(オリジナル曲)【これまでのこと】


そして今回の映画の主題歌は河口恭吾さんの「悪い恋人」と言う曲。
「恋人」という言葉が入っていますが恋愛の歌ではありません。諦めきれないものを「悪い恋人」に例え、恋人のようにくっついたり離れたり、甘い言葉をささやいてきたり、諦めようとしても諦めきれない、離れても戻ってしまうような腐れ縁的なものを悪い恋人に例えているのですが、その曲がエンドロールでしっとりと流れてくるんです。最後のエンドロールまでずっと泣かせてきます。

河口恭吾「悪い恋人」MV

上のMVにはセブンメンバー(全員ではないです)がゲスト出演しています。ちらっとさりげなく写っているメンバーもいますので未見の方はぜひ探してみてください☺️(私は2,3回観てやっと全員見つけられました😅)


そして演じている俳優さんたちもくすぶっている…

舞台挨拶で、演じている俳優さんたちもまた売り切ってなくて苦しんでいると大波さんを演じた和田さんが言っていました。
その俳優さんたちの気持ちも芸人さんに重ねているのかと思うと、くすぶっている私はますます涙が止まらなくなります。

私の話になってしまいますが、私は絵やデザインが好きでずっと続けています。長年続けていて辞めると言う選択肢は私にはなくて、就職したデザイン会社で副業禁止を言い渡されたために5年以上ブランクが出来ましたが、それでも絵を描き続け、腕が鈍らないように意識して描いていました。
そして秋にやっと仕事を再開させたのですが、現在もがき苦しんでいるところです。(こういうところが「悪い恋人」なんだと思う(苦笑))

この映画が沖縄で初上映の時、タモンズさんが今年2024年に「THE SECOND」でファイナリストになりました。(舞台挨拶で吉報が知らされたそうです)
そして健闘し、ベスト4入賞!それをきっかけにタモンズさんの人気も知名度も上がりましたし、 TVに出てネタを披露したことにより視聴者にタモンズのネタの面白さが伝わりました…!

M-1はファイナリストになることなくラストイヤーを終えましたが、「THE SECOND」でついに華が開きました。
私もジャンルこそ違いますがタモンズさんを見習ってもっと努力や精進を重ねて、いい方向に行けるようにがんばりたいと改めて思いました。


「くすぶりの狂騒曲」は大宮セブン演じる俳優さんが出ているというだけではなく、作品としてすごく良い映画でした。
多くの方にぜひ観ていただきたい映画だと思いました。(特に今くすぶっている方には刺さりまくりかと…(泣))
たくさんの方にご覧いただきたいので、なんとかして円盤化されますように…。

おまけ。映画のすゑひろがりずさんとリアルのすゑひろがりずさん(笑)。映画ではお師匠に怒られる小鼓の置き方してましたねwあと、小鼓の紐がぎゅーぎゅー(笑)。


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