大勢の園児が犠牲になった痛ましい事故を検証します。
先日、滋賀県大津市で起きた痛ましい交通事故は保育所や幼稚園に小さなお子さんを預けられている親御さんにとって衝撃だったのではないでしょうか
今回の事故は街中ではよく起こりえる右直事故と呼ばれるものです。
歩道の奥で信号待ちしていた園児たちの被害が何故あんなに拡大してしまったのでしょうか?
タイトル画面は某テレビ局が取材に基づくCGとして本日5月10日に放送したものです。
しかし現地の状況はテレビ局の取材とは異なっています。
これはグーグルマップのストリートビューでみた現地の様子です。
お判りいただけますか
タイトル画面のCGではあるはずの道路と歩道を分離するブロックは現地には存在しません。
右折車と接触した事故車両は横断歩道の渡り口から歩道に突入したものと思われます。
次の写真は事故の起きた交差点を上から見た画像です。
直進路と右から来た道を結ぶ交差点の円周上にこの横断歩道は設けられています。この円周は大型車が左折するために設けられているので横断歩道は交差点の中に設けられていることなります。
この画像からも北側(画像上)からきた事故車両は南側(画像下)からきた右折車両と接触したのち横断歩道の渡り口から園児たちのいる歩道に突っ込んだのではないかと考えられます。
黄色で着色した箇所は本来横断歩道があるべきと思われる場所であり、画面上部の反対側の横断歩道はそのような場所に設けられています。
この横断歩道では直進車による今回の事故のケースだけでなく
下の左側の写真の赤矢印で示すように、画像の左側からきた車が、居眠りや脇見などの要因で交差点を直進した場合に車両が横断歩道の今回の事故とは反対側に突っ込むケースや左折中に横断歩道上で内輪差による巻き込み事故を起こす可能性も考えられます。
横断歩道が右側の写真の黄色で示す位置に配置されていて赤線で示す境界ブロックが設けられていたら今回の事故の被害はもっと軽微なものになっていたのではないでしょうか?
また、交差点側にガードレールを設けることも可能となるので、もしそうなっていたなら園児への被害はなかったと思うと残念でなりません。
比較のため埼玉県川口市で近所の交差点の写真を撮影してきました。
下の交差点のように円周部の外に横断歩道が設けられていて車道との境界のブロックにより事故車両の速度が失われていたら、信号機や電信柱の後ろに園児がいたなら、今回のような悲劇的な結果にはならなかったのではないでしょうか
どうしても交差点の中に横断歩道をつくらなければいけないのであれば下の写真のようにガードポールを設けるよう法令やガイドラインで定められていないのでしょうか?
ガードポールは二輪車の事故の場合に二次被害が生じる恐れがあるので可能であれば設けないで歩行者の安全を確保できた方がよいと思います。
毎年毎年多くの交通事故が発生しているにも関わらず、横断歩道の設置基準の見直しが適正に行われてこなかったのであれば、私は今回の事故は人災だと思います。
あらためて報道されているCG映像と現地の映像を比べてみてください。
報道されているCG画像
現地の映像
事故を起こした車両は交差点側からブロックを乗り越えて園児に突っ込んでいったのではなく、横断歩道の渡り口から園児たちの中に突っ込んでいっているように見えないでしょうか?
信号が変わるのを待っていた保育士さんたちは進む先の横断歩道を見ていたと思われますから予測できない方角から事故に襲われた形になります。
池袋で親子が亡くなられた事件(池袋の件はあえて事件と書きます。)の際もそうでしたが報道のあり方にも疑問を抱かずにいられません。
報道されたCGが意図的に改ざんされたものでないことを祈らずにいられません。
被害にあわれた園児たちの親御さんのお気持ちを想うと胸が痛みます。
残念なことに事故の起きた さざなみ街道(県道559号線)には他にも大型車の左折用に歩道を切り取った交差点の中に横断歩道がある今回の事故が起きた現場と同様な危険な交差点があります。
ポールやガードレールの予算論議の前に、消えかけている交差点内の横断歩道を適切な場所に移動し、道路と歩道の間に境界ブロックを設ける方が優先ではないでしょうか
加えて、この交差点では左折車の旋回場所に自転車専用車線があります。
大型車の運転席は右側の高い位置にあるため、自転車は完全に運転手の死角にはいるため巻き込み事故の危険が大変高いように思われます。
きっと全国に同様の交差点があるのではないでしょうか?
今回のような悲劇が繰り返されないよう、私たち大人は子供たちが安全に成長する事のできる社会を築いていかなければいけないのではないでしょうか
サポートいただけたら感謝MAXです。