「里親子が暮らしやすい街は、きっと、あなたも暮らしやすい街。」 第3回イベントレポート
里親子が暮らしやすい街って、どんな街?
令和5年12月10日、そんなことを参加者全員で考えるイベント「里親子が暮らしやすい街は、きっと、あなたも暮らしやすい街。」を開催しました。
今回お招きしたゲストは、NPO法人バディチーム理事の濱田壮摩さんと、希望丘青少年交流センター「アップス」センター長の下村一さん。訪問支援と居場所支援、2つの立場から里親子とどう向き合っているのか? それぞれのお話をもとに、後半は意見交換の場も設けられました。当日の様子をレポート形式でお届けします。
※過去のレポート記事はこちら(https://note.com/setaoya)
◆自己紹介・里親制度の説明
今回は、里親登録を検討しているご夫婦やNPO法人の役員、地域の子どもや女性を支援する方など9名が集まりました。自己紹介の後、「フォスターホームサポートセンターともがき(以下:ともがき)」のスタッフから里親制度や事業内容について説明がありました。
◆訪問支援で里親家庭を支える濱田壮摩さんの話
続いて、NPO法人バディチームの理事を務める濱田壮摩さんが登場しました。2007年に設立したバディチームは、経済的困窮や病気、ひとり親など、あらゆる事情で子育てが困難な状況にある家庭や里親家庭などへの訪問型支援を行っています。
◆若者をやさしく見守る下村一さんの話
続いて、希望丘青少年交流センター「アップス」のセンター長、下村一さんが登場しました。アップスは気軽に使える若者のためのフリースペースとして開設されました。ユースワーカーとして多様な若者を支援する下村さんに、里親家庭や子どもとの関わりについてお話しいただきました。
◆白熱したゲスト同士の対談トーク
次に、ゲスト2名による熱い対談が繰り広げられました。
まず、濱田さんがアップスで働く職員について尋ねると、「実はアップスの委託を受けたとき、特定の資格に限定される要件を外しました。多様な若者を受け入れるのに、多様なスタッフが必要だと思ったからです。その代わり研修は必要だろうという話になって、現在は区とともに職員の研修メニューを作成しています」
その一方で、「ただし、地域や若者のニーズも汲む必要があります。実際に若者にアンケートを取ると『一人の人として対等に扱ってほしい』という声が圧倒的に多かった。大人だけで決めないでほしいという思いがあるのでしょうね」とコメント。
続けて、「里親家庭で暮らす若者とはどんな会話をしますか?」との濱田さんの質問に「ある子はよく閉館間際までいましたね。人間関係についてなど、生活での困りごともスタッフに話していました」と貴重なエピソードを明かしてくれました。
次に、グループごとに意見交換の時間が設けられました。テーマは「里親子がより暮らしやすくなるためにできること」。最後に各グループの代表者が意見を発表しました。
Aグループ「まずは里親子の存在を知る」
Aグループでは、まず里親子の存在を「知る」必要があるとし、その前提で何ができるかについて話し合われました。
具体的には、「名字が違うことへの理解を示す」「里親子と出会っても普通の会話をする」といった意見や、明日から実践できることとして、「多様性を認める」「友達に里親関連イベントを勧めてみる」などの案が出ました。
また地域の中で、里親さんの困りごとやニーズを解決するための機関や場所があるといいといった話も出ました。
Bグループ「必要な人に必要な情報を届ける」
Bグループは、NPO法人など支援する側の立場から「里親子を受け入れたい」という意見が出ました。
また、本当に必要な人に里親家庭の情報を届けるための議論もなされました。
具体的には、「フォスタリング機関の存在をもっと広めたい」「里親子がフォスタリング機関やバディチーム、アップスなどを含めた子育て支援機関を気軽に利用できるようにしたい」といった意見が出ました。
◆アンケート回答・次回のイベント予告
最後は参加者にアンケートなどご記入いただき、イベントは終了。
今回は訪問支援と居場所支援という異なる支援の形から、里親子にできることを皆さんと一緒に考えました。
「里親子が暮らしやすい街は、きっと、あなたも暮らしやすい街。」
第4回は、令和6年1月13日に開催しました。
テーマは「里親家庭で暮らした方と考える、わたしにできること。」
「里親子の想いって何だろう?」
里親家庭で生活した経験がある方から、里親の存在、生活の中の葛藤など、実際の声を聴き、里親子が暮らす地域で私たちができることを一緒に考えました。
イベントレポートも鋭意執筆中です!