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「子なし」にとっての住みよい街
「子なし」「チャイルドフリー」「DINKs」…子供を持たない夫婦の生き方にはいろいろな呼び方がありますが、自らの選択と決断で子供を持たない人生を歩んだ「積極的子なし」夫婦の私たち。
なぜ「子供をほしい」と思わないのか、については、これまで複数の記事で書いてきました。妻は子供自体は好きだけれど、自分自身が親になることについてはあまり肯定的に考えておらず、私は、そもそも子供という存在が人生の中でまったく日常的なものではなく、子供がいる家族・コミュニティ・地域のようなものが想像できないというところから、子供という存在がぼんやりしてしまっているという背景があることもわかってきています。さらに私は、学校や集団としての子供が苦手であり、この考えが選択に影響を与えていることも強く感じるところです。
今回は、「子なし」が快適に暮らせる街を見つけるポイントは何か、書いてみようと思います。
1.集まる人間の性質から考える
まず、子供が単純に好きかどうか、育てる育てないは別にして、子供という存在と一緒に遊んだり眺めているのが好きかどうかというポイントがあります。たとえば、子供という存在自体が苦手という人が「子育て世帯に大人気の街」を選択しても幸せになれる可能性は少ないでしょう。どこに行っても子連ればかりで、子なしに居場所はないという街で、夫婦でのんびり過ごしたいというのは、難しいポイントですよね。
私はどうかというと、子供そのものに対する苦手意識や好きじゃない意識はほとんどなく、群れて行動する人間が多い場所に、疲労感や苦手意識を覚える傾向があるのだと、最近気づきつつあります。電車内を見ても、部活動の学生の群れや、子連れファミリーが複数集まって行動している場面に遭遇すると、ちょっと距離を置きたくなってしまいます。反射的に別の号車に移動したり、混雑が集中する休日日中の時間帯にあまり電車を使わないようにしています。私が快適だと感じる空間は「子供がいない場所」ではなく「群れている人が少ない場所」ということになります。
2.サービス利用の面から考える
小田急電鉄が子供料金を一律50円にするというサービスを実施しています。このようなサービスは子育て世帯を呼び込むのに効果的ですし、そこで育った子供が「小田急沿線いいよね!」となり、そこで更に親になることが考えられます。そうなると、先述した通り「子供」の数が増える以前に「群れて行動する人」が増えてきます。これでは単独行動者が落ち着いて暮らすには不利かもしれません。
とはいえ、小田急線は路線長が長く、いくら子供の運賃が安いからと言って、家を借りたり買えなければ住むことはできないので、ファミリー層、学生層が都心近郊区間で急増することはないでしょう。となれば「小田急=DINKSには不向き」とはなりません。あくまでもエリアに集まる人の属性を方向づけるものであり、参考程度の基準です。
ただ、そうはいっても「子持ちに適した沿線と適していない沿線」というのはあると考えています。横浜市のたまプラーザ(東急田園都市線)や、流山市の流山おおたかの森(つくばエクスプレス)などは、子育て世帯から「住みよいまち」として注目を集めていますし、鉄道会社や行政のまちづくりも、こうした方向性を重視した展開がなされていますから、特定の属性をターゲットにした地域づくりが進められていると言えるでしょう。それに乗っかる人が集まってくるとすれば、それに乗っからない人にとっては、あまり良いことはなさそうですよね。
飲食店や日常生活の買い物をする環境なんかも同じで、ファミリー向け、ワゴン車が大型駐車場に集まるようなショッピングセンターが集まる街に、一人暮らしや二人暮らしのコンパクト生活者が暮らすのは便が良いとは言えないと思います。どこに行っても混んでおり、騒がしく、賑やかで、落ち着かない…そんな土休日が想像できてしまいますね。
神奈川県藤沢市のJR東海道線辻堂駅などはその典型で、土休日のテラスモール湘南の雰囲気を好きになれない人にはオススメできない、それほど、拠点ショッピングセンターの存在が大きな街という印象を持っています。海老名市の海老名(小田急線・相鉄線・相模線)も同様です。街の中心がファミリー向けにアレンジされつくされています。
3.生活環境面から考える
一方、子供が多かったり子育てしやすい街というのは、子供がいない夫婦にとってもメリットがあります。それは「治安が良い」傾向があることです。文教地区の治安が良い傾向にあるのと同様、小さな子供が多く生活するような街は割と落ち着いた街が良く、安心して暮らせる場所が多いのではないでしょうか。
4.子なしにオススメの街・駅
人間の群れが苦手な私が選ぶおすすめの街をいくつか紹介します。
【ポイント1】県境付近
高校までの公立の学校が県内通学を基本とするからなのか、都道府県を超える区間における電車には学生の群れが少ないと感じます。東京都と神奈川県でいえば、多摩川を超えるあたりの区間では学生が少ないように思えるんですよね。具体的な数字や統計データはありませんので、個人の感覚です。例外は県境が入り組んでいるエリアです。小田急線や京王線のように、一旦都内に入るけど、再度神奈川県に戻る、みたいな移動が多ければ、この原則は通用しません。また、東京都心周辺の場合、沿線によっては私立校が多かったりもするので、一概には言えませんが。
例:新丸子(東急東横線)、西大井(横須賀線)、雑色(京急線)
【ポイント2】駅間が長く並行路線がある路線
学生の移動は通勤と異なり長距離だったり拠点都市を超える移動は少数です。だからJRの中距離路線のように、長い区間を通過運転する路線にはあまり学生が集まらない印象を受けます。例外は衛星都市の拠点駅より郊外の区間。東海道線の横浜以遠、総武線の千葉以遠、東北線の大宮以遠などでしょうか。郊外になると並行路線が少なくなったり、個人利用(ビジネスユーザー)が減ったりするので、より学生が目立つようになります。田舎のローカル線が学生だらけなのと同じ理由です。
例:東海道線、横須賀線、総武快速線、東北線
【ポイント3】車が使いにくいエリア、街道沿いの街が入り組んだエリア
自動車が使いにくい場所にはファミリーは集まらず、昔から栄えていて再開発できないようなエリアには集中的に特定の層が流入してくることが少ないです。こうした地域においてファミリーが圧倒的多数になることは考えにくいです。
例:千歳烏山(京王線)、祖師ヶ谷大蔵(小田急線)、高津(東急田園都市線)、都立大学(東急東横線)、大森(京浜東北線)、糀谷(京急空港線)
5.実際に色々な沿線を歩いてみる
あれこれ書きましたが、実際に歩いてみて、直感的に「ここが合う」という場所を見つけるのが一番かなと思います。だったらこの記事の意味は何なんだと言われてしまいますが、あくまでもひとつの視点として、流し読みください。