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やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その㉝~何度目かの再出発

前回まで

「病気の経験もオープンにして働きたい」、とそもそも精神保健福祉士を目指した時に抱いていた気持ちを思い出した私です。
その結果、勤めていた職場に対して、そこのスタッフのふるまいなどに対して強烈に違和感を感じるようになり、職場で浮いているように感じることとなります。
また他の要因も重なったことで体調を崩し休職に至り、そのまま8年務めた職場を去ります。
やるかやられるかの世界を生きる~統合失調症である私のサバイバル術その㉜~行き止まり|せっと|note
今回はその後の私の働き方について、私がどのようなアクションを起こしたかお話ししていこうと思います。

オープンで働きたい


自分の病気の経験もオープンにして働くことにこだわり、転職活動を開始します。
結果とある会福祉法人に縁あって採用されました。
職種としては就労継続支援B型事業所の支援員です。実はこの時採用された社会福祉法人には、自分がまだ資格を取る前の引きこもっていた時期に一時期メンバーとして通っていたことがあります。
当時お世話になった理事長さんも採用面接の場で私のことをよく覚えていてくださり、応募を喜んでくださったのがとてもうれしかったです。
その職場でピアスタッフ的な立ち位置でのキャリアをスタートさせます。
ちょうど桜が咲き始めた時期、心機一転、再始動だ、といった晴れ晴れとした気持ちであり、もうこの時すでにそれなりの年齢ではありましたが、
マインドとしてはピアスタッフとしてピカピカ(ではないか笑)の一年生といったようなものでした。

ただ自分の病気の経験もオープンにしてはいたものの、業務の中では精神保健福祉士であるとか、前職での経験とかいったところに焦点を当てられていたように思い、自分の当事者経験を使ってピアサポートでかかわるといった側面は始めのうちはさほど発揮できずであったように思います。

自分に正直に


はっきりと「自分も精神疾患当事者です」、とメンバーさんの前で開示はしておらず、必要があれば開示するといった形での働き方ではありましたが、それでも自分の精神疾患の当事者経験をオープンに働き始めることができ、気持ちとしては前職の後半に感じていたような自分にうそをついているような感覚はなくなり、のびのびと働くことができていたのではとおもいます。
事業所のメンバーさんに対しても、同じくリカバリーを志す「仲間」、といった意識を持っていました。

彼らと一緒に自動車のパーツの袋入れをしたり、箱を折ったり、時には一緒にカレーを食べたり、レクで外出したりといったことを続ける毎日・・・雑談をしながら作業に取り組んだり、納期が近いとみんなで協力して一生懸命頑張ったり、そこには確かにともに取り組むといったピアサポートがあったように感じています。

立場上は「支援者」ではありましたが、いいのか悪いのか、彼らとの関係は「支援するーされる」、といったようないわば垂直の関係は感じておらず、「ともに取り組む」、といった水平の関係で仕事ができていたように思います。
もちろん、同僚のスタッフたちのメンバーさんに対する見方の中に「彼らは支援が必要な人たち」、といった視点が見え隠れしているな、とは感じることもあり、違和感を覚えることもありましたが、それでも前職で感じていたような言ってみればメンバーさんを下に見るようなところを強く感じるようなことはなかったため、その面でも仕事のしやすさを感じていました。

どんどん元気に


前職でボロボロになってしまった自分の心を少しずつ癒すことができたのではないかな、と思います。
実際収入面で見ると大幅にダウンしましたが、それでも毎日の仕事の中で心が満たされていく感じは確かにありました。
少しずつ元気になっていける感じがしていて、自然に心から笑えるような日も多くなっていったように思います。
「自分が必要とされている」、「自分の力が役に立てている」ように感じていて、そのことのよって自分自身のリカバリーが進むことも感じていましたし、同じように事業所でかかわっていたメンバーさんたちも少しでも元気になっていってくれたらいいな、なんてことも思っていました。

引き続き今の妻と一緒にリカバリーやピアサポートに関するような研修や勉強会にも休みの日には参加していましたし、そのことで職場の外の素敵な方々とのつながりも増えていきました。
ピアサポートでつながれる仲間といえるような人たちがどんどん増えていきましたし、「自分が自分のままでいていい」、といったように徐々に思えるようになっていきました。

今回はここまで。ピアスタッフ的な働き方を始めたことでこの歳になってはじめて経験することばかりでしたし、また新たな葛藤や悩みも生じてきました。
自分の病気の経験を後ろめたく思わなくてよくなったことで、「等身大の自分」として仕事の場面でも、プライベートの場面でもいていいんだということを改めて確認でき、そのことで心から笑える日々が増えていきました。
ピアスタッフとしてどのような働き方をこの後していくことになるのか、次回以降にお話ししていこうと思います。


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