自分のウェブサイトをつくって公開するに至るまで
先日、自分のウェブサイトをつくった。まだいろいろ(本当に)問題があるのだけれど、えいやと公開してしまった。
これは長年の問題で、ずっとなくてはならないと思っていた。それなのに、なかなか踏み出せないでいた。だから、問題含みでも公開できて、肩の荷が下りた感じがしている。勝手に背負って、勝手に下ろしただけなんだけど。
あまりにも荷が重く、下ろしたら本当にラクになった。そういうわけで、制作から公開に至るプロセスについて、特に心理的なものにフォーカスしてまとめてみたい。
なぜウェブサイトが必要だと感じていたか
まず、ウェブサイトが必要な理由はあまりにも明確だった。
「ウェブサイトはないか」とクライアントに言われるから
「ほかの人に紹介したいが資料はないか」とクライアントに言われるから
「どうやってメシ食ってるの」と公私にわたって頻繁に言われるから
「メールの署名欄にSNSだけなのはどうなんだ」と自分が思っているから
ざっと理由を挙げてみて、本当に必要だったんだな〜と感じる。大事なところを太字にしようと思ったら、全部太字になってしまったし……。
営業機会を逃している
なかでも2番目はヤバい。「ほかの人に紹介したいが資料はないか」というのは本当にありがたい言葉で、クライアントが(おそらく)仕事ぶりを評価し、(おそらく)別の案件につなげようとしてくれているわけである。その機会を自ら捨てていたのだ。
もちろん、実際にはPDFとか送っているから、「捨てている」は言い過ぎかもしれない。しかし、少なくとも、わざわざ自分に聞くのはめんどうくさいだろうし、あらかじめウェブサイトがあったらサクッと送れる。紹介しようと思ったけど、手近な資料がないからやめてしまった人もいるかもしれない(絶対いるはずだ)。
自分に対する無理解を感じる
3番目は個人的にしんどかった。「どうやってメシ食ってるの」って言われると、どことなく悲しい気持ちと苛立ちが混じったような感じになるのだ。
実際、その質問をされるたび、血走った目で、強く自分の胸を叩きながら、「こうやってだよ!」と言いたくなっていた。実際にやったことがある気もする。もちろん意味不明である。ウェブサイトを公開してないのだから、知りようもないのに。
ただ、そんなふうにしたくなる理由は(自分のなかには)ある。俺はとにかく生真面目というか神経質で、どれほどふんわりした案件であっても、自分なりにやるべきことを見つけて仕事をしているからだ。どう頑張ってもそれを見つけられないときは、クライアントに直接伝えてしまうくらいクソ真面目である。
何が言いたいか。要するに、俺にとっては、「どうやってメシを食っているか」はあまりにも自明なのである。だからこそ、他人がそれを理解してくれないことに苛立っていた(説明がないんだから当たり前なのにネ)。
なぜウェブサイトをつくることができなかったか
閑話休題。これほどまでにウェブサイトが必要なのに、今日までそれはなかった。もちろん理由はいろいろある。
単純にめんどうくさいから
職業柄こだわったものをつくりたい気がしちゃうから
実際には公私がつながっているのに語りとしてうまくつなげられないから
ひとりの個人事業主としてのプレゼンを公開の場でやったことがないから
つくれないことに悩んでいたときは、上2つが重要な気がしていたけれど、今にして思うと、究極的にはどうでもいい感じがする。1番目は気分の問題だし(レッドブルでも飲んどけ)、2番目は妥協しうるだろう(もともと公開することそのもののほうが重要だと思っていた)。
根本的な原因は、下2つだったと思う。3番目は、自分の個性や活動、人格の全体を(職業人としての側面に寄せながら)表現できていなかったということ。4番目は、都度都度の案件で自分がメシを食えている理由はわかっていても、自分の良さについて(営業観点を踏まえながら)語れていなかったということだ。
要するに、自分のテンションや見栄えの問題は見せかけで(1番目、2番目)、単純にウェブサイトに書くべき内容がなかったのである(3番目、4番目)。
自分は制作で詰まってしまうとき、しばしばこの状況に陥る。わかりやすそうな偽の理由に囚われてしまって、真の理由になかなか至らない。愚か!
どのようにしてウェブサイトを公開するに至ったか
そうはいっても、これらの問題点を順番に克服したからウェブサイトができた、というようなストーリーがあるわけではない。先ほどまで書いてきたことは、基本的には振り返ってみればそういう感じがするだけだ。
本当のところは、ただなんとなく「久々に自分の手でモノをつくったら楽しいかもしれない」という気がしたからだと思う。そうしてノリでやってみたら内容がそれなりにあり、内容があるなら公開してしまおうという感じになった(ややこしいが、部分的にはテンションの問題だったということである)。
先ほど書いた文章の内容問題も、前からnoteに載せていた仕事についての文章をコピペしていたら、なんとなく興が乗ってきただけである(やっぱり最初はなんでもコピペしてみるものだなあ)。
ウェブサイトづくりそのものへの興味
初発の自分で手を動かしてみたいという動機については、もう少し分解できる。ウェブサイトづくりという行為そのものに、以下のような興味があったのだ。
2023年時点のノーコード系サイト制作ツールについて肌感覚がほしい
そうしたツールで制作されたサイトの運用について肌感覚がほしい
今回うまくいったのは、興味関心をベースに、とりあえずツール選定のためのリサーチをやってみたからかもしれない。結論としては、Notion + wraptasという組み合わせを選んだけれど、ほかにもかなりいろいろ調べたり、課金したりした。
重要なのは、ある程度調べることで、貧乏性が出てきて、ここまでやっておいてやめるのはありえないという感じになってくるところだ。実際のところ、知識も深まっているわけだから、やれるやれる(という感じがする)。
これは心理面の話ではないから詳述しないけれども、Notion + wraptasが望ましい方法なのかは、結局よくわからなかった。途中でNotionを使いたいという気持ちになってしまって、そのうえでは悪くない答えを出したと思う。
当初、Notionを使いたかったのは、お問い合わせフォームをデータベースで管理したら面白そうだと考えたからだ。が、しかし、実際にはいろいろ面倒で、メールアドレスとGoogleフォームで対応することにした。それでいいのだ!どうせ年間で何百件もくるわけじゃないし! だとしたらそもそもデータベースやりたかったのなんだったの? 知らないよ! もはやなんでもないよ! どうでもいいよ!
……なんというか、そういうものではないかと思った。お仕事目的のウェブサイトとはいえ、クライアントワークではないし、誰かに発注しているわけでもない。全部自分でやっている以上、行き当たりばったりで制作するっていう、初心者のノリが大事なのではないかと。
今後について
疲れたので、お気持ちは以上。最後に普通のことを書く。
ここからの改善は、誰かしらの力を借りようと思っている。特にデザイン面は問題があまりにも大きい。現状のままでは工事中ですっていう言い訳を取り下げられないし、CSSをこれ以上書く元気もない。
こういうプロジェクトは、時間的な幅をもって評価するべきだと思う。半年くらい経って、ウェブサイト経由で面白い仕事がきたら、この記事に書かれている愚かな人間のことを、今よりは好きになれるだろう。
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