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【待って好きすぎるこの本】さくらのまち/三秋縋

あらすじ

二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、1本の電話だった。
「高砂澄香が自殺しました」
澄香ーーそれは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。
澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、活での澄香を瓜二つの分身と出会う。
あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。
ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。
人の「本当」が見えなくなった現代の、痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリー

作者

三秋縋

評価:★★★★★

最高だったの一言に尽きる

作者データメモ(chatGPTから引用)

三秋縋(みあき すがる)さんは、現代の日本文学において注目を浴びている作家の一人です。彼の作品は、感情的に繊細で、読者に強く響く部分が多い印象があります。特に、彼が描く人物や関係性の描写は非常にリアルで、どこか痛々しくも共感を呼ぶものがあるため、多くの読者に支持されています。

読みたてほやほやの感想☁️

「さくらのまち」は偶然本屋さんで見かけて、表紙に一目惚れした。
なんていうか、あいみょんとか、小松菜奈とかの芯の強さも感じる女の子が印象的で、直感的に惹かれた。

ミステリーとあるけど、どんな展開になるのか、どんな書き方をするのかが未知でした。
(恥ずかしながら、三秋さんという作者さん自体知らなかったけど、今まで知らなかったことが悔やまれるほど最高だった。)

数ページ読んだらもう「あ、これ絶対面白い」って感じた。
なんていうか、独特で、どんどん引き寄せられていくような感覚。
色々な感情が鮮明で、リアルで、その場に自分がいるような感覚、私めっちゃ久しぶりだったな(笑)

特に、高砂澄香にはやられた。高砂澄香という人物が、愛おしくて、切なくて、たまらなく羨ましくって、
ああ、こんな魅力的な人間がいるんだって、完全敗北した気持ちになる。
だけど本人からしたら、悔しくて痛くて脆くて、そんな人生だったのかな。
なんでこんなに魅力的なんだろう。

変な感想かもだけど、この本で感じた悲しい気持ちや痛々しい感情に対して、出会えてよかった、って嬉しくなった。
決して誰もが幸せなエンディングではなかったかもしれないけど、
それでも、ああ、この感情が知れてよかった。この登場人物たちと出会えてよかった、と思える作品。

映画化とかしてるのかな〜〜 個人的には絶対してほしくない(笑)
したとしても、観たくないな、と。
決して映画アンチではないけど、この小説の中の澄香や他の登場人物をこせる愛おしさをきっと私は感じることができないだろうから。

人間って脆さや弱さを持って「人間らしさ」が出るのかも知れないね。
そう思うと、一般的にマイナスと言われている痛みや悲しみの感情も、愛おしくてたまらない。

この本に出会ったからには、一生懸命に生きていけたらいいな。

三秋さん、うん、すき。好きすぎた。
あんなに分厚い本なのに一気読みしてしまった(笑)

#さくらのまち #三秋縋 #読書記録

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