小学1年時の冒険(バス編)
私が通った小学校は基本的に徒歩通学である。
ただ、祖父母の家に帰る場合など、バスを使った通学が限定的に認められていた。
クラスの子の1人がバスに乗って帰るのを目撃した。
彼はバスに乗車するためのプリペイドカードを持っていた。
小学1年当時の私は、公共交通機関での通学に憧れていた。
そこで、その彼に無理言って一緒にバスに乗せてもらった。
彼の祖父母宅の最寄バス停で降りた。
恐らく料金は彼のプリペイドカードで払ったはず。
降りたバス停から我が家まで歩けない距離ではなかった。
2km弱といったところ。
ただ、自宅方面のバスも運行していたので、またその彼に無理言ってプリペイドカードを借りた。
その時は翌日の朝に返せば問題にならないだろう、と思っていた。
利用した金額の返却などは考えられていなかった。
小学1年生の思考力の限界である。
そうして自宅に近いバス停まで別のバスに乗って家に帰った。
母から遅かったね、と言われて焦ったことは未だに覚えている。
適当に返答してその場は事なきを得た。
ただし、翌日。
私はプリペイドカードの返却をすっかり忘れていた。
また、プリペイドカードを貸してしまった彼の親が心配して、連絡帳にその出来事を記載して担任教師に提出していた。
あとはお決まりの説教である。
彼の親にも母から電話で詫びを入れていた。
その数日後に家庭訪問があったので気まずかったのを覚えている。
確かに悪事なのであるが、小学1年にして近所の地図情報やバス路線図が頭に入っていた、というのは中々のものだと思う。
バスの乗り間違えは無く、すんなりと家に帰宅することができた。
当時の私にもできたのだから、今の世のスマホを持つ小学1年生には簡単にできてしまうだろう。
いや、この程度の悪事では済まないのかもしれない。
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