人生初!オーケストラを生で聴いた件
衝撃を受けた(たぶん物理的にも)。
突如として威風堂々がはじまった。
30歳を過ぎて人生初の生オーケストラを聴く。
名フィルのチケットは3000円。
B席だったので3階だったが、それでも正面の良いポジション。
衝撃というよりは圧。
何か凄いエネルギーを感じた。
気を緩めると涙が出そうな感覚があった。
何百年と同じような構成で受け継がれてきた音楽と人間の歴史を感じた。
威風堂々は勢いが凄い。
突っ走る。
指揮者も飛ぶように動く。
それに合わせて奏者もピッタリついていく。
楽器の名前なんてバイオリンとトランペットくらいしか分からない。
それでも波を感じる。
力強さと同時に滑らかさもある。
色は綺麗な白で絹のような。
ソリティアをクリアした時の演出のような。
弦楽器を生で見るのははじめてだった。
楽器ごとにサイズが大きく異なっていた。
どの楽器も、ピンと張られた弦からどうしてこんなに柔らかくて優雅な音が出るのだろうと不思議に思った。
バイオリンは手首を上手に使っている印象を持ち、右側のひときわ大きな弦楽器は腕全体を使っているように見えた。
笛の音がしたので探すと正面にいた。
縦笛と横笛がいた。
オーケストラの中にあっても笛の音色は通っていた。
やさしさで言えば一番かもしれない。
中盤~後方には管楽器とパーカッション?
特にトライアングルや小さめの太鼓を担当した人は出番が少なかったが、よく集中力を持続できるなと感心した。
ソリストはチェロ奏者。
長い曲を一番前で演奏していた。
音がしなやかだと感じた。
あと、時折チェロの上部を使って可愛らしい音を出していたのも印象的だった。
暑かったのだろう、隙を見て汗を拭っていた。
そのしぐさから余裕を感じた。
指揮者はとてもパワフル。
動きはダイナミックだし、背筋はピンとしている。
その場をバッチリコントロールしていた。
奏者の全員が指揮者の操り人形なのかと思える瞬間すらあった。
ホールの空気は独特だ。
皆、拍手と咳のタイミングをわきまえている。
これが万国共通だというのならすごいことだ。
今日の場で息をのむ、ということを体感した。
観客としての責任、場を作っている一人であるという空気があった。
あの鳴りやまないと思ったら突然終わる拍手。
ルールは分からなかった。
指揮者も奏者も切替が凄まじい。
拍手が終わった瞬間、空気が緩んでいた瞬間、指揮者が話し終わった瞬間にスイッチが切り替わる。
勿論構えているのだろうが、それでも凄い。
この、切替にプロフェッショナルを感じた。
プロフェッショナルを感じた瞬間はもう一つ。
開演前の準備時間。
演奏がはじまるとプロアマ問わず集中するだろうが、やはりプロは準備時間が違うのだと思った。
何か簡単な調整をしているだけなのだろうが、空気が違った。
昔、中学野球部の顧問が準備を大切にしろ、と言っていた意味が分かった。
オーケストラ、今後も定期的に聴ければいいなと思う。
浜松のピアノコンクールも見に行けばよかったかな。
今回の協賛は豊田自動織機だった。
言わずと知れた愛知県が誇る超名門企業。
やはり、芸術を受け継いだり楽しんだりするにはお金が必要だ。
そのために、しっかり企業が営利活動を行って世界で稼ぐ必要があるとも感じた。