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No. 49 息子にとっての試練

息子が小3の12月。あの日は彼の誕生日。
学校から帰ってきた息子が玄関を入った時、私はクラッカーを破裂させ
「誕生日おめでとー!!」と迎えた。
驚いた息子は直ぐに笑顔になり、「ありがとう」と言った。
「学校でイヤな事があったんだけど、家に帰ってきたらお母さんがクラッカー鳴らしてくれて、少し気持ちが晴れた」

授業中騒いでいた子を先生が何度か注意をしたそうだ。
息子の話では、先生の様子がやばかったので、
席が近かった息子は後ろを振り向いて
「〇〇ちゃん、静かにしろ」と言ったのが運のつき。
怒った先生にその子達は立たされ、その中に息子も含まれてしまったらしい。
中心人物は熱があるとそのまま帰宅。
もう一人の児童と無実の息子は、
立ったまま二時間目から給食が始まるまで延々と怒られ続けたとか。
「ぼくは何もしていないのに」
そうだよね。いやだったよね。
でも、私はその出来事をそんなに深く捉えていなかった。失敗……
翌日「お腹が痛い」と言って息子は欠席した。
次の日も、その次の日も、朝になるとお腹が痛いと言う。
子供の腹痛はありがちだし、冬だったので胃腸炎やインフルエンザが流行り始めていた。ここでも私は深く考えていなかった。
10日ほど欠席をして、さすがに私も「?」と感じ始めた。
だって、朝はそういうけれど、日中は元気なんだもの。
そして連絡帳に様子を書き、近所の子に学校に持って行ってもらった。
「朝はお腹が痛いというのですが、日中は元気に過ごしています。
学校で何かあるのでしょうか。先生は何かご存知ですか?」
今でもこの文言を覚えている私、すごい。
担任の先生から直ぐに電話があった。
今思うと、先生、あの出来事を気にしていたな。

いつどこでどうやってとか、細かい事は覚えていないけれど、
色々なことがわかってきたのは冬休みが終ってからだった。
相変わらず学校に行かない息子。
理由を聞いてみると、同じクラスに意地悪をする子がいると。
息子に集中的に言葉や態度で嫌がらせをしてくる、そんな感じだった。
えー、あの子が? そんな強そうでもない印象だ。
休み時間のサッカーなどにも、皆に聞こえないところで何か言うらしい。
うちの息子も「そういうこと言うな」くらいは言い返すけれど、
ガツンと言いきる強さはない。
だから、この時も幼馴染の時も、なめられるんだな。きっと。

先生が「本人に確認したら認めました」と言うことで、いじめ認定された。
場が設けられて、本人たちが話し、相手の子もあやまったらしい。
息子が学校に行かなくなって一カ月以上たっていた。
これで解決かと思ったが、息子は学校に行きたがらなかった。
不登校になっていた。

その後登校してみても、その子も変わっていないし、もう気持ちが折れていたのだね。

もう一つの「今思うと」がある。
この出来事の始まりだ。先生……
息子が自分の誕生日に、立たされて怒られたというその事とは
全く繋げていなかった私。
それも「ぼくは何もしていないのに」
これが大きかったのではないかと思う。
おそらく、クラスメイトのことは、もちろん嫌だったのだろうけれど、
我慢できていたのだろう。
そこに先生のことがあったのではないかな。
相当ショックで、屈辱だったと思う。

学校に完全に復帰したのは4年生の6月だった。
それまでの数ヶ月は、私たち親子にとって厳しい日々だった。
不登校は大変だろうとは思っていたけれど、実際になってみるとこんなに大変なんだ。

息子の試練編。次回でおわります。

今日も幸せな一日でありますように。

Love & Peace,

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