
アニメ/映画の製作委員会方式の岐路:表現の自由と未来
日本のアニメや映画産業を支えてきた製作委員会方式だが、近年その在り方が問われている。
製作委員会方式の抱える課題
最大の課題は、出資企業が多岐にわたることで生じる「表現の制限」だ。各社の意向を反映した無難な作品になりがちで、クリエイターの自由な発想や挑戦的な表現が阻害されるケースも少なくない。その結果、アニメや映画の本来の多様性や可能性を狭めているという声も上がっている。
課題を踏まえた上で必要なのは進化
現状のままでは、製作委員会方式は、表現の幅を狭げ、アニメや映画産業全体の成長を阻害する可能性も孕んでいる。しかし、資金調達やリスク分散といったメリットも否定できない。そこで求められるのは、製作委員会方式の「進化」だ。
クリエイティブ重視と新たな資金調達モデルの必要性
委員会は、作品のテーマや方向性についてクリエイターと十分に議論し、そのビジョンを尊重する姿勢が不可欠だ。また、クラウドファンディングや海外からの出資など、製作委員会に依存しない資金調達方法を積極的に模索していくべきだ。Netflixが独占配信に必要なライセンスを取り、製作委員会に入らずに制作会社にライセンス料を払う形で多様な作品を生み出していることは、その好例と言えるだろう。
動画配信サービスの台頭で迎える転換期
今後、Netflixなどの動画配信サービスがアニメ/映画市場で存在感を増していく中で、製作委員会方式は大きな転換期を迎えるだろう。従来型の製作委員会方式と、Netflixのようなプラットフォームによる制作体制が、それぞれ独自の進化を遂げ、共存していく可能性もある。また、製作委員会方式をベースに、動画配信サービスや海外企業との連携を強化することで、資金調達と表現の自由の両立を目指す動きも出てくると考えられる。
重要なのは、日本のアニメや映画が持つ創造性と多様性を最大限に引き出し、世界中の視聴者に届け続けることだ。そのためにも、製作委員会方式は、その役割と存在意義を問い直し、新しい時代に対応した形へと進化していく必要がある。
ここで一つ言いたいことはそれぞれメリットとデメリットが孕んでいるということ。
■製作委員会
メリット:膨大な制作費を確保できる。色んな企業から広く制作費を取るので、回収にかかるリスクを分散できる。
デメリット:それぞれの企業イメージにそぐわない表現は使えなくなってしまう。作品の権利が委員会に参加している企業に分散してしまう。
■Netflix方式
メリット:作品の権利が全て制作会社に残る。Netflix以外とは契約していないので、表現の制限はほぼない。
デメリット:一定期間の独占配信のライセンスなので、製作費として取れる金額が低い。作品を独占配信するライセンスなので、制作前には製作費を集められない。
制作会社や独自の作品を作りたいと考えている人はいろんな方法の良いところを合わせて妥協できる範囲や残すべき権利などを考えて制作費を集めてみてください。