丹野

現在、Servitizing ExcellenceというServitization(製造業サービス化)やサービス・マネジメント、人材開発に関するコンサルタント会社をしています。その中で日頃、なんとなく思っていることを言語化しておきたくて、この度noteを始めました。

丹野

現在、Servitizing ExcellenceというServitization(製造業サービス化)やサービス・マネジメント、人材開発に関するコンサルタント会社をしています。その中で日頃、なんとなく思っていることを言語化しておきたくて、この度noteを始めました。

最近の記事

わかるって何?2

こんにちは、丹野です。前回、「わかるって何?」という記事を書きました。 この記事では、何かをわかるための第一歩として”違いを区別”できること、そのためには知覚を高めることの重要性に触れました。今回は、区別したあとの「同定」の必要性について触れたいと思います。 同定って?? ところで「同定(Identification)」ってなんなんでしょうか?細菌分類学では、分類、命名、同定、系統の4つに分けた上で、「同定とは、分類と命名の実際的な適用」と定義しています(駒形, 199

    • わかるって何?

      こんにちは、丹野です。前回は2回にわたって、コミュニケーションで大事な3要素について触れてきました。 この中で、コミュニケーション基本モデルを取り上げましたが、これは”コミュニケーションを外から見た構造”を表現したものです。コミュニケーション構造を理解する上で大事なモデルであることは間違いないのですが、多くの方が悩んでいるのは”なぜ伝わらないのか?””なぜ会話が噛み合わないのか?”というとこころではないでしょうか。 巷には、自分の意図を相手にどう伝えるか?という内容の書籍

      • コミュニケーションでの大事な3要素(つづき)

        こんにちは、丹野です。前回の記事で、「コミュニケーションは共創的な活動であり、”身体”、”知識”、”感情”の3要素に分けて考えるとわかりやすくなる」という話をしました。今回はこの点について、少し深く掘り下げたいと思います。学術的な話になるので面白くないかもしれませんがご了承ください。 近年(といっても20年以上前からですが)、様々な学術研究において”サービス”を含めたものが盛んになってきています。サービスと言っても、飲食業のようなサービス業やヘアカットといったサービス財、い

        • コミュニケーションでの大事な3要素

          xこんにちは、丹野です。前回の投稿から3週間ほど経ってしまいました。反省です。 ここ数年、企業内でいわゆる”1 on 1”がこれでもかというくらい実践されています。1 on 1をすればコミュニケーションが促進されて、部下の成長が加速する、成果が達成しやすくなる、などが見込まれているようです。 同時に”1 on 1なんか意味がない”という声も聞かれます。この声に応じるかのように”1 on 1の効果を高めるための研修”なんてものも出てきています。 まさに市場創出から市場拡大

          統計でウソをつく法

          こんにちは、丹野です。仕事柄、定量データ分析をすることが多いのですが、その時の土台となる知識が統計学です。統計学と聞くと何だか小難しく感じるのか、避ける人も多い気がします。(なお、ここでは社会科学(人の心理や行動)で使われる統計を対象にしています) 広告で使われるコピーや社内資料など、さまざまなところで統計を使った数値が出てきます。よく使われるのが売上高や利益などを平均値で表した値や、満足度95%などの割合でしょうか。 今年の4月に、消費者庁が12社の"No.1を謳う広告

          統計でウソをつく法

          責任って何だろう2

          こんにちは、丹野です。8/19付の日経新聞で「プライム「女性役員ゼロ」なお69社 前年度からは半減」という記事が出ました。女性役員ゼロ企業がプライム上場企業の中でまだ69社もあるんですね。記事の中でも触れている、いわゆる女性版骨太の方針ですが、2024年版(2024年6月11日)の冒頭で、次のように書かれています。 ”差異が見られる”というよりも”進んでいない”という表現の方が、個人的には適切のように感じます。 ”能力が足りない”、”任せられる人がいない”、”女性ばかり下

          責任って何だろう2

          責任って何だろう?

          こんにちは、丹野です。お盆期間ということもあり仕事休みの方も多いと思います。こういう時にこそ本を読む!という方も多いのではないでしょうか。私も本を何冊か読み終えました。その中で、まだ整理できていないですが印象に残った2冊をコラムに書こうと思います。 重度障害者のお子様を持つ生物学者/社会学者である最首氏の書籍です。当時、中高生だった3名が最首氏との座談会を通じて、”人が生きることとは?”という問いに向き合うというものです。座談会では水俣病や、やまゆり園事件を題材として人を評

          責任って何だろう?

          ”べき論”は必要?

          こんにちは、丹野です。気がついたら1ヶ月振りのnoteになってしまいました。パリオリンピックも始まっていますね。反省しています。 オリンピックといえば、SNSでの選手や審判への辛辣な意見やコメントが問題になっています。誹謗中傷は論外ですが、”審判は公平公正であるべきだ!”のような”べき論”も多くあります。確かにそうなのですが、、、審判だって人間なのでなかなか思うようにならないのも現実です。 ビジネス界隈でもべき論は多くあります。”環境に良いことをしなければならない”、”我

          ”べき論”は必要?

          信頼? 安心?

          こんにちは、丹野です。 先日、10年以上のお付き合いになる中小企業の社長とお会いする機会がありました。その社長と会うのは年に1、2回程度なので、近況や話題に出てきたテーマについて意見交換したり、あっという間の時間でした。話題のひとつに「信頼」というテーマが出てきました。ビジネスに限った話ではありませんが、「相手(顧客)からの信頼を得るのが大事だ!」というような言葉をよく聞きますし、聞かれる方も多いと思います。そこで、信頼について少し考えてみたいと思います。 “信頼って何?

          信頼? 安心?

          人の話をさえぎるのはNG

          こんにちは、丹野です。 普段、会議や取引先との打ち合わせをしているビジネスパーソンは多いと思います。というか、自分のしたいことができないくらい会議に参加させられている方も多いと思います。自分自身が強く思い入れている案件の会議や、なぜかあまり気が乗らない会議などで見られるのが「相手の話を遮ってでも意見を主張する」場面です。 遮る人にとっては”相手が勘違いしているから正したい”のかもしれませんが、話している最中の人からすると”ちょっ、ちょっと待てよ!”となります。感覚的なものな

          人の話をさえぎるのはNG

          AIがあればもう勉強しなくて良いの?

          こんにちは、丹野です。 仕事柄、データ分析をすることが多いのですが、最近の分析ツールにはAIが搭載されているものが多いようです。 本当に複雑な計算が必要な場合はともかく、多くのケースでは一般的な統計分析で事足りると、個人的には考えているのですが、実際のところどうなんでしょうか。 AIといえば、Chat-GPTの勢いは衰えないどころか加速しています。2022年11月の公開以降、バージョンアップを繰り返して現在は4o(オムニ)になっています。私もたまに遊びで使ったりしていますが

          AIがあればもう勉強しなくて良いの?

          コミュニケーションを成立させるには自分の意識を変えてみよう

          こんにちは、丹野です。 多くの方が、”私の言っていることを相手がわかってくれないぃ〜”とか、”相手の言っていることがさっぱりわからん!”と悩んでいると思います。私も悩んでいます。辛いですよね。。。 個人的な考えですが、コミュニケーションを成立させる上で自分の責任範囲は最大で50%であると思っています。残りは相手次第というわけです。ロバート・チャルディーニの名著「影響力の武器」で紹介されている原理を使えばいいじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、こちらは意図の共有

          コミュニケーションを成立させるには自分の意識を変えてみよう

          “思い込み”をなくすのは大変

          仕事や生活をする上で欠かせないことの1つがスケジュール管理です。自分でいうのもなんですが、私はスケジュール管理が得意ではありません。いや、むしろ苦手です。自慢になりませんが、スケジュール管理が徹底できずに大目玉を食らったことが幾度もあります。「〇〇に関する打ち合わせは明日の10時からだな」と思っていると実は今日だったり。なんでこんなことが起こるのか。。。 まだ20-30代の頃は今よりも記憶力が良かったこともあり、スケジュール管理を真剣に考えるということをしていませんでした(

          “思い込み”をなくすのは大変

          「Servitization(サービタイゼーション、サービス化)」って何?

          製造業界隈では、結構前から「製造業のサービス化」という言葉が使われています。似た言葉で「モノからコトへ」や「コトビジネス」という言葉があります。いわゆるソリューションを提供しようとする試みですね。このコラムでは、これらの言葉「Servitization(サービタイゼーション)」と表現していきます。 筆者が関わるビジネス現場では、"「Servitization(サービタイゼーション)」が何なのかわからない”という声をよく聞きます(もしかしたら、他の多くの企業も同じなのかもしれ

          「Servitization(サービタイゼーション、サービス化)」って何?

          「問う力」を養うことはできる?

          連休ということもあり、少しばかり本を読んでいました。中でも、「ヨーラン・スバネリッド著, 鈴木賢志+明治大学国際日本学部鈴木ゼミ編・訳『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』新評論, 2016. 」で心を動かされた一文がありましたのでご紹介します。 ビジネス界隈では、VUCAの時代だとかBANIやTUNAの時代という言葉が飛び交っています(TUNAを初めて聞いた時はマグロのように泳ぎ続けることなのか?と頭をよぎりました(笑))。いずれも変化の激しい先の見えない不確実な時

          「問う力」を養うことはできる?

          コミュニケーションの共通基盤は大きい方がいい

          皆様、こんにちは。丹野と申します。 現在、Servitization(製造業サービス化)やサービス・マネジメント、人材開発に関するコンサルタントをしています。その中で日頃、なんとなく思っていることを言語化しておきたくて、この度noteを始めました。 noteに書くコンテンツの中心は、コミュニケーションに関するものが多くなると思っています。 それは、「当たり前のようで当たり前でない」、「簡単そうで難しい」から。おそらく、多くの人が何度も失敗を経験しているコトではないでしょ

          コミュニケーションの共通基盤は大きい方がいい