[ITIL4]Practice Guideの骨子
下記の記事でPracticeについて記載しましたが、実際にITIL4 のPractice Guideに何が書かれているのか、その骨子を見てみましょう。プロセスだけの話をしているわけじゃないよということが理解できるかと思います。
1. 目的
そのプラクティスの目的の概要が記載されています。
例)インシデント管理
「可能な限り早期に通常のサービス運用に普及させ、ネガティブなインパクトを最小化する」
2. キーとなるコンセプトや用語
プラクティスを理解(または定義)するにあたって、キーとなるコンセプトや用語の説明が記載されています。
例)インシデント管理
インシデント、エスカレーション、ワークアラウンドなど
3. スコープ
プラクティスの活動スコープの概要とスコープ外の関連プラクティスの説明が記載されています。ただし、スコープは組織によって様々ですので、あくまで推奨程度に捉えてください。
4. プラクティスサクセスファクター
KSF(キーサクセスファクター)と呼んでいたものと同じですが、プラクティスを成功させるために必要な要因です。
例)インシデント管理
インシデントを早期に検知することや、迅速かつ効率的にインシデントを解決することなど
5. 主な測定指標
プラクティスの価値実現を評価するための指標(KPI)が記載されています。
例)インシデント管理
発生から検知までの時間、インシデント対応に対するユーザ満足度など
6. バリューストリームとプロセス
プラクティスが貢献するバリューストリームの概要(サービスバリューチェーンのどのフェーズに関連性が強いか)と、具体的なプロセスが記載されています。(プロセスの詳細度合いはプラクティスによって異なる)
7. 組織と人
プラクティスで登場する役割・責任とその役割が持つべきコアコンピテンシー(その優先度)が定義されています。また、組織構造やチームについての推奨事項にも触れられています。コアコンピテンシーの部分はまた別途ご紹介できればと思います。
8. 情報と技術
プラクティスで活用する主要な情報と自動化及びツールについて記載されています。自動化については、自動化余地がある活動とその機能、効果についてハイレベルで記載されています。
例)インシデント管理(情報)
アーキテクチャやサービス設計、SLA情報、契約情報、など
4ディメンションの観点が盛り込まれている点、プロセスがプラクティスの1観点でしかない点が骨子を見ても明らかですね。
本日は以上です。ありがとうございました。