#私の勝負曲 「ピンクスパイダー」で戦闘モードに入る!

カラオケを歌う時、特に意識はしていなかったが、何かと熱がこもるのがこの曲だった。

夢や理想に敗れた人の成れの果てを歌ったこの曲に高校生の私は妙に心掴まれていた。

折しもボーカルのhideが自ら命を絶つ絶ち、その壮絶な半生が明らかになるにつれ、自らの人生と重なる部分の多い人だと感じたからなのだろう。

そんな彼の結成したユニット、hide with spread beaber(日本語の意味は恥ずかしくて言えない…)がリリースし、大ヒットした曲がこの「ピンクスパイダー」だ。

あの重厚でダークなギターのイントロが私は好きで、外出時のプレイリストには必ず組み込むようにしている。

もちろん、カラオケでも歌う。

地声が低いので、それは心地よく歌えるのだ。

とはいえ、誰かと一緒に行く時は歌うか迷う。

しかし、そんな悩みは、とある友人の前で吹き飛んだ。

その友人は特にそれを笑うことも、責めることもしない。

一瞬、拍子抜けしつつも、その反応が嬉しかった。

そして、意外なことに、そのことを話してみると、私の周りの他の友人たちも、この曲をカラオケで歌うという。

一種のカミングアウトになってしまうが、私はこの曲を聴き、歌い上げることもある。

そうする事は、私の平穏ならざる日常の一部であり、誰かと競い合う戦闘モードに突入する際のテーマ曲にもなっているからだ。

大人になればなるほど、この曲の意味が現実味を帯びてきている気もするが、それを成長と私は呼びたい。

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セラヴィー
穂波せら(Serra Honami) 画家・俳優・映画コンシェルジュ・ライター。 自由と猫を愛するスナフキン似の人。座右の銘は「押してダメなら引いてみよ」

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