乳がん術後治療/ホルモン治療/経口分子標的薬(ベージニオ)療法

右乳がん摘出手術後、1ヶ月半で術後抗がん剤治療(ddAC)を開始、12月中旬に終えて新年から放射線治療に入った。


放射線治療中は全身のだるさと疲れやすさと発熱があって日によっては1日寝てることもあったものの、前回のddAC療法の時のように起き上がれずに一日中終始嘔吐するような酷い副作用はなかった。現在の照射後の皮膚は日焼けしたように黒くなっていて、痛みや痒みなどはない状態だ。

放射線治療から二週間経過

ここからが術後の長い治療が始まる。
私のがんのサブタイプはホルモン受容体陽性、HER2陰性というもので女性ホルモンにより増殖する。なので、ホルモン療法薬や注射で女性ホルモンを減らしたり取り込まないようにしつつ、がん細胞の細胞周期を止め続けなくては再発したり、転移してしまう可能性が非常に高いのだ。


ホルモン療法薬(商品名:タモキシフェン)
これは10年間毎日服用する。これで乳がん細胞の餌となる女性ホルモンの分泌を減らし、平たくいえば餓死させていく。抗がん剤で月経は止まったままだが、閉経前ではあるので卵巣で女性ホルモンが作られなくなるLH-RH製剤(リュープリン)というホルモン注射も行う。タモキシフェンは1日1回、ホルモン注射は1ヶ月に1度行う(現時点)

副作用は更年期障害と同じホットフラッシュが起きる。とはいっても私はそんなに大きな症状はなく、身体がすぐのぼせて汗をかきやすくなる程度で済んでいる。日常生活に殆ど支障はない。


経口分子標的薬(商品名:ベージニオ)
これが結構大変。
ベージニオのみ抗がん剤と同様、時間を取って医師と薬剤師から個別で指導があったので詳しく書いてみる。
先程のタモキシフェンが乳がん細胞の餌を減らして餓死させる薬なら、このベージニオは毎日服用することで細胞の周期を止めてがん細胞が増えるのを止める薬になる。
ホルモン治療薬と併用してがん細胞の餌を減らしながら細胞の周期を止めて増殖を阻止し再発と転移を防ぐ、これが術後治療の締めとなるのだった。

こちらは副作用が結構強い。
抗がん剤のような脱毛や嘔吐はない分楽ではあるが、強烈な下痢と腹痛が起きる。滅多にないが間質性肺炎と血栓も起きるので、浮腫みや乾咳が増えたら直ぐに連絡するようにと念押しをされた。
150mgを1日2回、12時間おきに服用する。

しかし、150mgだと副作用が強く、かなり辛いので減薬を申し出る人が少なくないのだそうだ。
減薬をすると100mgで効果は1割落ちるといわれてる。とはいえ150mgと大きな差はないとのことだった。更に50mgに減らしてしまうと効果はぐっと下がるらしい。150mgを服用し続けるのがベストなので整腸剤や下痢止めを上手く使いながら副作用をコントロールしていくことを目標とする。禁忌とされる食べ物はグレープフルーツで、これは副作用を増長してしまう効果があるのだという。

服用1~5日目は全く副作用らしい症状はないが、1週間を過ぎた頃から下痢症状が出始める。
腹痛を伴う時と腹痛はなく下痢だけが酷い時とがあって、下痢が酷いときはトイレから出られないこともある。
服用開始直後から今まで共通してるのは空腹感が全く感じられないことだ。消化器系の動きが鈍くなるのだろうか。

副作用も大変だが、ベージニオ服用で一番頭を悩ませるのがその高額さで2週間分の処方で3割負担だと73000円かかる。事前に減薬や薬の変更を考える理由のひとつとしてあまりにも高額すぎることが上がっていたのにも納得する。金銭的負担は抗がん剤治療があと2年続くのと変わりない。

今後の治療と過ごし方

現在は1ヶ月で薬物療法に慣れ、その後は仕事に戻りながら治療を続けていくことを目標にしている。がんという病気は完全に治りました!ではなく、症状がなく落ち着いた状態を保つ寛解となるので、体内から完全に撲滅はさせられない。
やるべきことは全てやって、あとは運を天に任せるしかないのだ。

今は副作用も落ち着いてきていて、就活も問題なく行えている。ありがたいことに3社面接を受けて、3社とも即採用が決まったので体調を考えながらどこを選ぶか考えていきたい。

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