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繋がりの幻

バイトを始めて、あることに気づきました。それは、自分には誰も興味がないということ。最初は、視線を気にしなくて済むことに安堵したのも束の間、ある日突然、この事実が恐ろしく思えてきたのです。

 私は、他の人にとって利用価値のある一人の存在でしかないのかもしれない。誰も私のことを本当に思ってくれていないのではないか。学校の先生は、生徒を愛しているように見えたのに。七五三で「可愛い」と声をかけてくれたカメラマンも、心からそう思っていたわけではないのかもしれない。ピアノの発表会の拍手も、私の演奏を評価してくれていたのではなく、ただ場を繋ぐためのものだったのかもしれない。

 子供の頃は、大人たちが私を守ってくれると思っていたのに、大人たちの世界はこんなに冷酷なものなのでしょうか。あの頃の温かい記憶は何だったのか。

 もし、私が誰もが知るようなスーパースターになったら、みんな私のことを気にかけてくれるのでしょうか。そうすれば、この孤独感から解放されることができるのでしょうか。

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