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◇特集「いま知りたいワクチンの話」

*ワクチン接種の前と後
手抜きはできない体調管理

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 国内でもワクチン接種が始まりました。
 ワクチン供給は世界の人々が望むことで、全体量に限りがあります。
 日本では四つに区分されその順に接種が行なわれることになりました。

ワクチン接種の区分と順番

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【1】医療従事者
 新型コロナウイルス感染症患者や多くの疑い患者と頻繁に接する業務に携わる方。
【2】高齢者
 令和3年度中に65歳に達する男女で、昭和32年4月1日以前に生まれた方。
【3】基礎疾患を有する方、高齢者施 設等の従事者
【4】前述の【1】~【3】に該当しない16歳以上の方

 高齢者の人口が多いことから、4類すべてにワクチン接種が行き渡るには、まだ先になります。予定では、高齢者は5月から、それ以外の方は7月以降となっています。

 この予定は、日本政府が契約した製薬メーカーから順調にワクチン供給があってのことです。場合によっては、8月、9月にずれ込む可能性がないとは言えません。それまでの間は、ウイルス感染に注意し、3密を避け、マスク着用、手洗い、うがいを欠かさない暮らし方を続けなければなりません。

 これから始まるワクチン接種については、各自治体が先導して行なわれます。その方法について、自治体によって多少の違いは出ますが、基本的には同じです。

 接種の方法は、「集団接種」になりますが、施設入所者、訪問看護を受けている高齢者は、施設の嘱託医、医師会、関係団体で調整し、施設内や巡回による接種が行なわれることになっています。いずれも接種費用は無料です。

 ワクチン接種を受けるには、接種する人の同意が必要で、その同意が得られない場合、強制的に接種を求められることはありません。

ワクチン接種を受ける手続き

集団接種を受ける手続(1回目)は、次のようになります。

】区市町村の役所から接種券(クーポン券)、予診票、意向調査はがきなどが送られて来ます。

】接種を希望され方は、意向調査はがきに必要事項を記入し返送します。

3】インターネットや電話で接種希望日を申し込みます。接種日は2週間前頃にお知らせがあります。

】接種の日は、接種券(クーポン券)、予診票(事前に必要事項を記入したもの)、本人確認書となるマイナンバーカード、運転免許証など顔写真入りの身分証明書、健康保険証のいずれかを持参します。

】2回目の接種は、1回目から3週間後に、1回目と同じように行なわれています。

「意向調査はがき」には、次の質問項目が記載されています。「新型コロナワクチンの接種希望の有無」「送迎バス利用の有無」と「基礎疾患の有無」についての該当疾患名です。これは、風邪などで医院を受診した際、受付で記入を求められる内容に類似するものです。

 接種前日、もしくは当日、発熱(37. 5度以上)や喉(のど)の痛みなどの症状がある時は、必ずコールセンターに連絡して接種を控え、かかりつけ医、または発熱外来診療室に相談するようにします。

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ワクチン接種の当日の流れ

 ワクチン接種当日の流れは、次のようになります。
※待ち時間を含めた所要時間は、1時間程度と見ていますが、接種にこられた方々の健康状態チェックなどによって、前後する場合があります。

1】指定された接種日時に会場に行く
 自家用車、送迎バスなどを利用して行きます。

2】受付、予診票の提出、本人確認
 予診票は事前に必要事項を記入してあるものを提出します。

3】予診、問診
 体温、血圧、血中酸素濃度の測定が行なわれます。

4】ワクチン接種
 医師によって行なわれます。

5】経過観察
 30分を目安に、常駐の医師が経過を診ます。接種を終えると、会場に設けられた専用場所で待機します。もし、体調に変化が見られる場合、会場に併設された救護室のスタッフが対応します。

6】帰宅後
 副反応と思われる痛み、腫(は)れ、高熱などの症状が出た場合は、各自治体が設置する「新型コロナワクチン専門相談窓口」に連絡し、医師の診察を受けるようにします。

接種前2週間の過ごし方

 接種日までの2週間に気をつけたいことは、医薬品でアレルギー反応の経験のある方、食物アレルギー、アレルギー疾患のある方、予防接種そのものに対して緊張する方は、かかりつけ医師に相談しておくとよいでしょう。

 その他、過度な運動、労働によって免疫力を下げる体調にしないよう、肉体的に精神的に安定した状態を保ち、男性の場合は過度な節酒を控えるようにします。

 接種を受けた後は、副反応の症状が見られないか、自分の体調を注意深く観察し、感染予防対策であるマスクを着用し、密集、密接、密閉を意識的に回避し、手洗い、うがいは従来通り行なうようにします。

 ワクチン接種によって、新型コロナウイルスに関するすべての問題が解決されるわけでないことを、頭の片隅に置いておきましょう。
                           (本誌特集班)

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