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昭和...地方のメディア格差の悲劇

「ヤヌスの鏡」「アリエスの乙女たち」...このドラマを知らない同世代の方はたぶん居ないでしょう。

もちろん私も知っています。
しかし!知っているのはタイトルだけ。
ストーリーや出演者は全く知らないのです。

それは、何故か。
それは、私は高校時代まで長崎に住んでいて、長崎ではテレビの民放が当時2局しかなく、放送されない番組が多かったのです。

フジテレビ系の「月曜ドラマランド」、当時流行っていた「夕やけにゃんにゃん」、「8時だよ 全員集合!」、アニメ「バビル2世」「どろろんえんまくん」など、当時年頃の少年少女が見たかったもので、長崎で放送されてなかった番組を挙げればキリがありません。

プロ野球の巨人戦やプロボクシングなどは、いつも放送するのに、若者向けのドラマやバラエティは本当に放送してなかった。

放送されないだけではありません。
放送されても、時間帯や放送日がズレてる番組も多数ありました。

「笑っていいとも!」
なんと夕方17時から放送していました。
学校から帰って家で毎日余裕で見てました。
『お昼休みはウキウキウォッチング〜♪』とオープニングでタモリが唄う度に、「あー、東京と長崎は5時間も時差があるのかー。やっぱ日本列島長いなー。」と小学生の私は思い違いをしていました。

「ルパン三世」や「銀河鉄道999」は辛うじて放送されていたものの、何故かウチは性的教育管理が変に厳しく、『性的描写があるから、これはオトナが観るアニメです!子どもは観てはいけません!』と勝手に判断され、観せてもらえませんでした。

テレビ好きなのに、こんなメディア隔離政策を受けた高校時代まで、新聞に載っている他県のテレビ欄を見て、羨ましくてたまらなかった。
あれもみたい。これもみたい。何故長崎ではやっていないのか。田舎は何故こんなにひどい目に合わなければならないのか。

長崎での悲惨なメディア生活での鬱屈は、大学で京都に出て来て爆発しました。

なけなしの金でテレビを買った私は、テレビを見まくりました。

京都は民放が5局もあるじゃないですか!そして、深夜まで「テレビの壺」「ナイトスクープ」などの関西のバラエティ番組が!そして、そのころMBSでは懐かしアニメ特集で深夜に昔のアニメをやっていました。「どろろんえんまくん」「バビル2世」

喪失した少年時代を取り返すようにテレビに食いつき、必死に都会人になろうとしていました。

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