線状降水帯
近年の都市型異常気象の災害の一例として、マスコミが『ゲリラ豪雨』と呼ぶ現象があげられます。
ゲリラ豪雨は、地球温暖化や大都市のヒートアイランド化などが原因となって起こるといわれており、局地的で突発的な予測の難しい豪雨の事です。
夏場、大都市では人間の活動による排熱(エアコン、自動車のエンジン、ビルのコンクリートやアスファルト舗装が取り込んだ太陽からの熱)で、まわりの地域よりも3℃~4℃も気温が高くなり、そのため強い上昇気流が生まれ、積乱雲を発達させやすくするといわれています。
自然に起こる集中豪雨は積乱雲の発生から発達、移動までを、観測・予測できるため、早めの警戒を促すことができるが、その場で発生・発達する積乱雲は、発生から降雨までの時間が短いので、対応が遅れがちになり、被害が発生しやすいです。
ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではなく、明確な一律の定義もなく、その発生メカニズムもまだ謎が多いです。
気象庁では、ゲリラ豪雨という用語は使用しておらず、「急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨」を「局地的大雨」と呼んでいる。気象庁では、竜巻・雷・局地的な大雨のように、突然発生する局地的な気象を予測するレーダーナウキャスト(降水・雷・竜巻)、高解像度降水ナウキャストの提供を行っています。
■線状降水帯
2014年8月豪雨(広島土砂災害)や2015年9月関東・東北豪雨、2017年九州北部豪雨などでは、積乱雲の大気下層に新たに積乱雲が次々発生するという積乱雲の生成現象が繰り返され(バックビルディング現象)、帯状に連なる「線状降水帯」が発生しつつある場合、気象庁は「線状降水帯注意情報」の発表を始め、発表帯の発生半日前に大雨の確率を出しています。
2030年には線状降水帯による災害発生の危険度を地域ごとに示す計画です。
■内水氾濫
川から遠くても危険?
水害の原因は、川の水が堤防を越えたり、堤防が決壊して大量の水がまちに流れ込んで起きる事だけではありません。
このような場合は「外水氾濫」と呼びますが、これとは別に、大量の雨が降って、水量が下水道や排水施設の処理能力を上回ったため、市街地にあふれ出して起きる現象を「内水氾濫」と呼びます。
都市部においてはビルが林立し、道路も舗装されていて雨水が地中に浸透しにくくなり、内水氾濫が起きやすいです。
これからの季節は毎年のようにゲリラ豪雨の危険がありますので、災害に遭わないように、安全な場所に避難しましょう。
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