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えでも可愛くなーい?

おはようございます!やっぱり書く。気が変わって。池袋に向かってます、今日は1人でお出かけ。お出かけというかデカい本屋に行きたい。昨日までレミちゃんといて、今日はお休みなので朝適当な時間に帰ろうと思ったが、どうせ明日もバイトがあるってことでまるまる一日家に居座らせてもらうことにした。代わりに土曜日は実家に帰って、日曜日は僕のカフェにお昼に来てもらう感じ、現地で合流することになった。というわけで時間を持て余す、俺。ジュンク堂池袋店と帰り際の美容院(赤羽)だけ決まっている。美容院は13時から、今10:43。池袋に10:30くらいに行けたらいいなー、てか行く、と基点を作って予約した。あんまり時間に追われる格好が全面に出るのも嫌だったので、池袋から10分もせず赤羽につくとして、絶対2時間は居られないだろうなーとお金は使いたくないけど時間には追われない絶妙なポイントを突いたつもりだ。といいつつまあこのくらい遅れてちょうどいいのかもしれない、と自分を励ましながら家を出る支度をした。なるべくゆっくりゆっくりやった。

さて、この時点で書き始めているのがまず素晴らしいことなんだが、次はどうしようか。と言われたらまあ人は1000字を目指すよな。圧倒的なキリの良さ。どうなんだろう、文字数チェッカーなしで書いてみるのも面白いのかもしれない。note上で書いてるとリアルタイムで分かっちゃうもんね。坂口さんは違った、なんか別の、ソフトって感じでもないサラッとした見た目のシンプルな、彼のことだから初期搭載のメモ帳とかだろうか、そこにバーっと打ち込んではネットに転がってるよく分からない文字数チェッカーで文字数を確かめていた。出口を探す。

本屋にて爆買い。今日は収支計算をすることになる。すでに安心している。

12:20の電車に乗る、あれ全然こない、と損をした気分になったがこれは幸運だと思い直す。書き進めるべし。なんとなく赤羽に着くまでに2000字にのせているイメージが湧いたが右下を見るとまだ800字にも満たない。電車はちょうど出てしまったところのようだった。

坂口恭平×斎藤環のいのっちの手紙を買った。そういえばひとりでゆっくりここのジュンク堂に来るのは初めてなので、ゆっくり現代文学コーナーを見てていいんだと気がつくと嬉しくなった。と、いっても僕はなんでもかんでも気にしようとすると全ての背表紙に目を通さないといけない、という方向に意識が向いてしまうので、もう近いとこから近いとこから、とルーティンのようにして坂口恭平の名前を探す。こう見るとすげーな、いやその前にやっぱりこれだけの本屋だと揃ってますねえと思った、そのあとほとんど読んだことあるな、と意識の外にあった自らの積み重ねにようやく目がいく。やるやん、とかは思わなかった。ただ、そういえばこのいのっちの電話は読んだことがないな、往復書簡って形式だから僕も読みやすいだろうしなんで読んでこなかったのか不思議だったくらいの本である。ほんとうに、今ではないな、とその時の気分のために読むのを避け続けていた本だった。パッと開いてみると斎藤環さんのターンで、坂口さんの文章は読みやすいのにボリュームだったかな、内容の厚みが凄いですよね、みたいなことを言っていた。なんか当たり前に僕が今まで知っていそうなことだったけど、そう言われてみればそうだと平易な言葉遣い、平易な表現のなかに初めてみる衝撃があった。今日、これを買おうと思った。

この時点ですでに誤算が生まれた。このまえ僕が計算した限りでは、坂口さんレコメンドの音楽を聴くためのアップルミュージック、千葉さんのTwitter哲学、ハイキュークロニクル、それから千葉さんのnoteのサークル、を全部買うと7600円くらいになるという話で、さらに前に行った収支計算では、「あそびの一万円」にひとまず手をつけずに動かせる金額が8000円くらいだったはずだから、それでちょうどいいなこれしかない、とまずは本を買ってやろうとここに来た。でもいきなり恭平の本を買ってしまった。まあこれはいい、しかしどうする、Apple Musicぶんだとしても足が出るぞ。それも500円も!まあいいんだけど、どんどんいこう。

左手に生花を引っ提げ、右手にスマホ。左に花で右に本を書きたくてこれを書き始めたつもりが、書くにはこうするしかなかった。髪切った。花も買って本も買ってって、すっごい休日じゃないか。都心が近いとこういうことができるのか。いややりようはあるんだろうが、簡単に充実を感じることができる。そしてこれは結構気持ちの良いものだ、とりあえずほっとしている。昨日買い忘れていた4年記念日の花を、次会う10日にでも渡そうかと思っていたのだが、偶然赤羽でいい花屋さんに巡り合うことができたので3本別々のお花をいただいて、花束にした。生花店ってほんらい人に揚げる花を買うところではないのかな?詳しくない。でも本日のアレンジメントと花束の受付は終了しましたって書いてあったからな、それを見て僕は店内を覗くことすら半分諦めていたんだけど、側面の窓からも店内を覗いてみようと脇の道に回り込んだときすれちがったご婦人が先陣を切って入っていってくれたので、それも予約したものを取りに行こうという佇まいに見えなかったから、すんません、勢い、借りますとついてった。ご婦人はお花に詳しいようだった、知らないかわいい花をナントカという横文字でちゃんと呼んでいて、店主はそれを受けてムッとしてるんだかもともとの声色の暗さなのか、いずれにせよその玄人トークが僕の行き場をせまくしていく。いや、玄人トークがではない、おばさまのあとをついて入ってきた何ひとつ訳のわかっていなさそうな若者、何ひとつ訳がわからないというのは僕だからそういえるわけだが、それにしても、この店では何をしてもらえるのか、花ってどう組み合わせればいいのか、そもそも花束はダメというがたしかに2、3本束ねてもらうだけならわけはないよな、半径2メートルに満たない、大きいとはいえないその花屋の、とりわけ小さい範囲で縮こまりながら落ち着かない様子でうろちょろしている、若者A。こんなやつがここにいていいのか、しかし俺はここで花を買う。買うのだ。負けるな、と合っているのかわからない奮い立たせ方を自らに試みる。おばさまが出られて僕のターンがくる。もう少し考えさせてほしい、と顎を触りながら、たまに振り返って、あまり買う気のない花たちにも愛想を振りまきつつ、店主に話かけられる。まずい、声が出ない。なにを言っていいのかわからない。とりあえず主旨だ、趣旨を伝えよ。え、っと、ちょっとミニブー、ケ、みたいなものを、さ、がしてるんです、けど、。あーミニブーケはうちないですね、。あ、そ、おうなんですね。なるほど、。帰るな、まだ帰るな。頑張れ。依然僕は僕の味方であり、ある意味ではスパルタの教官のようでもあった。これ、って、短めに切って、束ねてもらうことは可能ーですかね?はい、どれにします?速い。ここまで何分かかったと思ってる。この勇気を言葉にするまで。10分はかかった気がするが3分も経っていなかったろう。ご婦人のものとは違う、ピンクと白の入り混じった色の花、薔薇のような形をしていて名前を教えてくれたが左耳から流れていった。これ、とあともうひとついいですか、?はい、どれにします?1分経つ。いや30秒ほどだったろう。何があうんですかねえ?とか尋ねたが、アレンジメントの受付は終了しましたという旨の張り紙がチラついて、独り言にしか聞こえなかったかもしれない。返事はなかった。ついに僕はふたたび口を開いて、じゃあこの白い、花なんて可愛いなー、はい、ナントカカントカですね。仕事人である。ちょっとこのあと美容院に行きたいんですけど、あとで取りに来てもいいですか?これは一応準備してあった言葉だったから、直前のうろたえ方と辻褄を合わせる必要はあったものの、すらすら言えた。もう45分をまわっていた。まずいまずい、美容院に向かいながら、お前、まだまだ甘いな、と苦い顔をした。

え、でも可愛くなーい?僕が最後にひとつ花を足して、なんとか店主にも笑顔をひとつもらって、しかも小銭貯金で払い切れたから満ち足りた表情で言った言葉でもある。今もそう思っている。いや、一枚目のほうが可愛いな。なんかピンクが際立つよな。さすがに遠いかなと思って2枚目を撮ったんだけど、見たいものに近づきすぎると暗くなっちゃうよ、というのは高校生のとき顕微鏡を覗いて学んだ。これがお祝いごとに贈る類の花束にあたるのかはわからない。まず可愛い色の花をひとつもらって、引き立て役として白い花をもらって、それじゃちょっと味気ないな、というかボリュームとして寂しいな、美容院へ向かう足取りは、そのまま帰り際の、これも足してもらっていいですか?に向かっていた。髪を切り終えるまでに、俺は急成長を遂げなければならない。ピンクの花は何と合わせると可愛いのかを勉強する。白と、ピンクに準じた色、赤によっていくか紫によっていくか、あるいはひとつめのピンクを生かすために白との間にそれを位置づけるかは様々であるようだった。文面でなく、写真をたくさんみることにした。Googleで画像だけ検索してみたが、目がおかしくなりそうだったので通常の検索方式で、たまたま見出しにあがっていたり広告が出ているものをいくつか参考にした。緑色を増やすのもいい、豪華な感じがする、だが僕のブーケには圧倒的に花がない、華もそうだがそもそも花が足りない。これは絶対的で定量的に。それから、たしかにご婦人の買っていったオレンジ色の花は可愛かったしそういった別の明るい色を組み合わせたブーケも検索には引っかかったけど、やなり玄人向けだ。もっとデカい花束で、たくさんの葉っぱと花が組み合わさった場所でやることだ。白とピンクの間をつく、これでいくことにした。約束の14時に僕がすこし遅れたり店主が20分まで出かけてますとの張り紙を出していたりとがあったあと、ピンクと白のあいだといえばかいだ、ほんのり紫の花を足してもらうことに決めた。僕の熟練度からすればそれは、すこし背伸びをしたコーディネートだった。

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