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二人のキセキ -Milano vs Padova in Milano 2-
二人がここに至るまでの「軌跡」は全く異なるものです。
祐希くんはこのセリエAで長い間、複数のチームを渡り歩きながら出場機会を求め、強くなり続けてMilanoというチームでキャプテンではないもののそれに準ずるポジションで戦い続けていますし、藍くんは昨年の苦いルーキーイヤーを乗り越えてOHのスタメンポジションを確保し、シーズン後半に安定したパフォーマンスを出し続けています。
私にとってのバレーボール観戦のルーツは間違いなく祐希くんですが、今、もっとも目が離せないと思う存在は藍くんです。
Padovaが完敗だった前回の試合からどう変わっていくのかを現地でしっかりと見届けたいと思って選んだカードでした。
どっちも好きだと思う私にとっては不思議な感覚の試合で、ポイントが決まっても何を喜んでいいのか自分がさっぱりわからず、なんだか、珍しくその試合を静かに見てしまっていました。
最初にその盤石さを見せたのは祐希くんの方でした。
こういう対戦であっても、あまり気負っている様子を見せず、自分の安定したパフォーマンスを見せていきます。
先にMilanoが1セット取った後、PadovaもOPのペトコビッチが活躍し、セットを取り返します。
その試合中、藍くんはサーブで徹底的に祐希くんを狙っていたり、一つ一つのプレーを見ても、チームの主軸になっているお互いを攻略しようと、まるで火花が散っているような展開でした。
最初にギアをあげたように見えたのは祐希くんの方でした。
Padovaに1セット取られた後、流れを引き戻すプレーを数々見せてくれました。藍くんも攻守にわたって活躍し、チームを引っ張ろうとしますが、最後は石川祐希劇場でした。
自分のミスを自分で取り返し、倍返し(言い過ぎw?)
ここぞというところで、相手の意欲を削ぐようなサービスエース。
もう圧巻としか、言いようがなくて。
その姿を見てて、最後の1点を、重要な1点を取り切れる選手に、ここぞという時に流れを作れる選手になるという彼の強い思いを感じました。
悔しかったたくさんの試合の結果が彼をここに連れてきたじゃないかなと。
藍くんは個人のパフォーマンスは安定してましたが、チーム全体の空気を作るところまでにはまだ至っていないかな?という感じがしました。
もちろん、経験の差や、年齢も要素としてはあると思うのですが、この日の祐希さんのパフォーマンスを見て、何かを感じて、それを次に活かしてくるんじゃないかな?とは思いました。
二人の2回目の直接対決もMilanoがしっかり勝ち切る展開になりました。
終わった後、祐希さんと握手をした後の藍くんの表情がこちら。まだまだ追う背中が遠いこと、そこにたどり着く楽しみややりがいを感じていたのかも知れません(妄想です)。
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日本をこれからも背負うだろう選手がイタリアの地でこんな試合を見せてくれることを噛み締め、それぞれの選手も、日本というチームも強くなってきたことをじんわりと感じる対戦でした。