ECHO - First Match as Outside Hitters 2-
試合が始まる前の私の中にあったのは果たしてこの試合で祐希くんはサーブで藍くんを狙うのだろうか?という疑問でした。
多くのチームが彼をサーブターゲットから外すようになりました。
彼に取られて、きれいにAパスが返って攻撃に繋げられること、彼を勢いに乗せて早いバックアタックに繋げられてしまうことを嫌がった戦略で、理にかなっているのですけれど。
祐希くんはこの2セット目にガンガンと藍くんにサーブで殴られた後の自分のサーブで徹底的に藍くんを狙い、レセプションを崩し、ブレイクを重ねて、あっという間に追いついてしまいました。
やはり、と画面のこちら側でニヤリとしてしまいました。
そうよね、それを選ぶよね、と。
Twitterでも書いたのですが、藍くんはこのシーズン、あっという間にチームの要のプレイヤーになりました。
Padovaの試合を見てて感じるのはチームが藍くんの状態に引きづられることが増えたなということです。彼が乗ってるとき、点をとってるときはチームが勢いづきます。
彼が捕まり始めると、セッターもトスを上げにくくなりますし、周りのスパイカーはプレッシャーがかかるからなのかミスが増えます。
そう、まるで歯車が急に逆に回り始めるような感覚になることがあります。
だから崩しにくいことを分かっていても、高橋藍を潰す、ということがこのチームに勝つ近道だと知っていたはずです。さらに言えば、あのコートにいる誰よりも彼を知っているのも自分です。
強みも、弱点も、ずっと見てきて分かっているはずで。
そして石川祐希はその勝負に勝ち、ブレイクを重ねます。
その彼のパフォーマンスと、チームを鼓舞するためのいつも以上のオーバーリアクションはMilanoに大きな力を授けたようです。
1セット目にみせたしっくりこない感じは消え去り、逆にPadovaは急に失速してしまったようにすら見えました。
試合の流れを変える選手になりたい。
大事な1点を取り切れるようになりたいと言うのは祐希くんがずっとずっといいづづけて来たことですよね。
流石だな、と。
(つづく)