1点を取り切るために - Milano vs Trentino -
イタリアリーグの今節はMilanoとPadovaは明暗を分けた形になりましたね。
朝の試合は勝ち負けが朝のテンションを左右するものです。今週は日曜と月曜の朝は別の気分で迎えることになりました。
日曜日の朝。
Milano vs Trentino戦は新しい石川祐希の世界を存分に味わった試合でした。
シーズン序盤からコンディションが上がらず、なかなかフルでコートに立てなかった彼の真骨頂が見れました。
とはいえ、チームとしては万全ではなく、ピアノやロセルを欠いて、急遽、ミラドをMBに置く変速ローテーションで挑む戦いになりました。
強い相手に変則ローテションで戦うという時点で価値を手中にするのは難しいかもしれないとか、いい試合になってくれたらいいとどこかで思っていたと思います。
でもMilanoの戦いは今シーズンで一番、ワクワクする見応えのある試合でした。できることの中で最大限の結果を出そうとそれぞれが集中してることがとても伝わってきました。前半はTrentinoもコートにボールを落とさない印象でしたがだんだんとMilano側が粘り強く対応し点を重ねていきました。
序盤でなかなか攻撃が通らなかった祐希くんでしたが、後半になるにつれてまるでギアを上げていくのが目に見えるように、攻撃の精度が上がり、ここは絶対に取り切りたいと思うポイントで彼にトスが集まるようになりました。
昨シーズン、なかなかセッターとの連携が確立できず、ポッロはここぞという時にオポジットにあげる傾向が強かったことを思うと、これが2シーズン目だからこその仕上がりなんだろうなとも感じました。
そんな試合の中で私もとても印象的だったのが4セット目のあるシーンです。Milanoが点を重ね少し、勝ちが視野に入った時のことでした。18点目、彼は喜ぶメンバーを集めて、そこを離れようとした選手もガシッと掴んだり、呼び寄せたり、何かを必死に伝えようとしていました。
私の脳裏に浮かんだのは世界選手権のフランス戦、そして、前節のPiazenza戦で、勝ちが見えたところから、ひっくり返されて負けた試合です。あの時の反省を生かすように気持ちを乗せているように見えました。
その後も勝ち切れるように、最後の1点を取り切るまで全員の集中力を切らさないようにチームをずっとずっと牽引し続けました。
得点力もすごかったけど、それ以上に感じたのがチームを率いる力です。
これがキャプテン石川祐希の姿なんだなと目頭が熱くなりました。
彼は自分が足らないものと思うことに対して真摯に向き合い、それを手に入れるように試合に臨んでるんだなと。
とはいえ、25点目をサーブで取りきれなかったのは課題として残ったのかもしれませんが。
Milanoはここからもう上がっていく要素しかないと思います。MBのピアノやロセルが戻ってきて、さらに強いMIilanoになって、目標に辿り着く姿を楽しみにしたいと思います。
休日のいい朝でした。