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ファンの在り方についてのエトセトラ - 3

さて、壮大な前置きを書きましたがここからは本題に入りましょう。
「新規」 のファンの存在です。

柳田さんは昔から「自分は客寄せパンダでいい。会場に人を連れてきてくれたら、あとはなんとかするから」とおっしゃっていました。バレーボールがSVリーグに新しく変わって、チームはより観客を連れて引きつけなければならなくなりました。まだ、少し未来の話ですが、アリーナサイズは5000以上にしなければならない規約もありますから、ホームゲーム実施時にその会場を埋めるだけの集客力を持つチームにしなければならないですし、運営側はそれを問題なくこなせるようなオペレーションができるようになっていくことは必要なアクションになるのでしょう。

いま、現場で起きていることを見ているとその道のりは険しそうだなと思わざるを得ません。

私が心配に感じていることをいくつか書いておきます。

まず最初は転売に関する問題です。
私は今年、サントリーの上から2つ目の会員になりましたが、ファンクラブからの通知で「会員権利を譲渡した」ケースがあったということを知りました。そして、会員名義は結婚のような理由でないとできませんというアナウンスがありました。そこまでチケット争奪戦は激化したんだなと私はその事情を受け取りました。

蓋を開けてみるとチケット転売サイトでも高額でのやり取りがされていますし、Xやそれ以外のSNSでも定価以上を要求するポストが普通に溢れています。他の界隈の方々に伺うとまだまだバレーボール界隈の転売の価格はそんなに高くないので、他のアイドル界隈などからくると、とっつきやすいかもしれないとも伺いました。

チケットの高額転売は法律違反ではありますが、スピード違反と同じように見つかれば捕まりますが、大多数は見つからないままうまくすり抜けているのも現状です。罰則のないルールは守られにくいのは転売だけじゃないですね。

私が高額転売を許したくない理由は、その利益が主催者ではなく、全くその興行を運用するのに関係のない第三者が受け取るところにあります。フィギュア界隈にいた時も高額転売は大きな問題でした。最終的には電子チケットに電話番号を紐付け、その電話番号での複数エントリを認めなくなったことで転売は大きく減りましたが、その選択は友人同士で連番したいとか、家族や友達にプレゼントしたいとかそういうったニーズはまったく満たせなくなってしまったのも事実です。

しかもビジネスでやっている人だけではなく、自分のチケット代や遠征費を稼ぐためにやっている人たちもいますし、そういう人たちがグループ化してやっているケースもあり、なくすのが難しい問題なんだろうなとも思っています。

だからこそ、大阪ブルテオンが会場でそういうった転売対策の席に対して本人確認に取り組んだ姿を見て、素晴らしいなと感じました。運営するチーム側から見ると転売のチケットは一旦は売れているチケットですから、運営にとっては想定している収入は入ってくるわけで痛みはないんですよね。彼らがどういうきっかけでこれに取り組もうと思ったのかは聞いてみなければわかりませんが、この対策は自分たちが本来、手にすべきだった収入を追いかけて回収するものでもなく、この対策をすることでブルテオンが本来の権利者を守るという姿勢に見えたことに好感を持った方も多かったのではないでしょうか?

チームとしては損はしてないのですが、ルールを守って座りたい席のチケットを手にすることができなかったファンや、そこで買われてしまうことによってほしいチケットを手に入れることができなかったファンの気持ちを理解したからこその選択だったのではないかと思っています。

現地観戦にはいろんな体験がつきものです。
もちろんバレーボールの試合が見応えがあってまた来たいと思ってほしいところではありますが、バレーボールの体験以外でもう来たくないという気持ちになることもやはり起こりうるのだと思います。

「転売で買った人が自分の座りたかった席や上位の席に座ってる」と知ることはファンにとって会場から気持ちが遠のく一つの理由だと思います。ここからは感情の問題でしかないんですが、そういうズルをしてその場にいる人に何かプレゼントが投げ込まれたり、選手がファンサをしてるのをみて、気持ちが萎えない人はいないのでないでしょうか?

そんなことわかんないじゃん!っと思うかもしれませんけれど、分かることも現場にいると普通にあるんですよ。いろんなきっかけで。

新しくその世界に入ってくるとなかなかチケットが取れないのもわかります。私もフィギュア沼に落ちた時、友達もいなかったですし、プレイガイドの上手い使い方も知らなかったし、チケット取りのノウハウもなかったので、連戦連敗だったことが海外にいくきっかけとなりました。

だから、お金さえ出せば手に入るという状況に、ついやりたくなる気持ちがわからないわけではありません。
私はそれをしたくないなと思うし、そういうやり方で手に入れたチケットで胸を張ってみに行けない小心者だけなのかもしれませんけれど。

<続>

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