片思い感。
わたしの母は料理上手だと思う。
人が集まる時にはパン生地をつくって、ベーコン味とシナモン味のひねりパンを作ったり、誰かの誕生日のたびにふわふわのシフォンケーキを焼いたり、家の台所であらゆるジャンルの料理を次々つくる。
わたしをはじめ、家族はだいたい少食なのに毎日たくさんのおかずが食卓にあがっていた。
そして、父が「桃子さんのごはんは美味しい」とにこにこ食べる。
だいたい全てが一人分ずつくらい余るけど、まあお弁当になるし、順風満帆オールオーケーといった感じ。
おかげさまでわたしもごはんをつくるのは好きで、ドレッシングだって毎回油やらマスタードやらを混ぜて自分でつくる。
酔っ払って石井好子さんの料理エッセイを読み上げてるときはかなり幸せを感じているし、オムレツをつくる動画をみだすと半日くらい過ぎてたりする。
つまり食のことが、かなり好きだと思う。
しかし私は少食なのだ。
たまのコースメニューも前菜とスープとパンでお腹いっぱいで、お肉やらお魚やらにはとてもありつけない。
夜ごはんをしっかりつくってもご飯は半膳ほどしか食べられない。
飲食サービスをしていたときは、お客さんの胃袋がどうなっているのか本気で観察していた。悔しかった。
自分の少食。
このことについて、いまそこそこ本気で悩んでいる。