寄せ集め部隊/変革者
古びた遺跡の中、密売を行う違法組織の人間が取引を行う場所だ。この組織は、国から手配されている危険な集まり。
手段を択ばない非情な連中なのだ。
「距離、1400。風が消えたら射撃する」
黒い髪の少年が長い銃を構えて伏せている。
「無理はするなよ。他に動けるメンバーには迂回して近付いて貰っている。タイミングを合わせてくれ。ただし、ひとこと言ってくれよな」
筋肉質な若い男性が隣で望遠鏡の中に組織の人員を捉えている。
「風が止んだぞ。撃つ」
「よし、行動開始だ」
少年が引き金に指をかけ、深く深く深呼吸をする。
轟音。
12,7mmの並外れた大きな質量をもつ銃弾が高速で飛んでいく。
「・・・」
口を結んで黙り込んだ望遠鏡を構える男性がゴーグルに覆われた目で遠くを見つめる。
「どうした、悩みでもあるのか?」
「いいや。ないさ。昔の事を思い出しただけだ」
彼が言う昔、それは夢にまで遡る。
彼は世界を変えたかった。誰とでも必ず手を取り合えると。
私と出会った時からその信念は少しもぶれたりなんかしない。
その強さに惹かれたのかもしれない。
私たちは、子供の夢だと、空絵物語だと笑われても成し遂げる。
人員の皆が人生を変えられた映画であったように、互いに信頼できる居場所。
辛い過去や記憶を持つ人々が行き着く所が無く周りに拒絶されてきた人々の居場所。
それが私たち、寄せ集め部隊。
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