無力な少年の物語/立ち止まってはいられない
俺は、ティムとの出会いと、彼と話していくうえで共感できる考えがいくつもあった。価値観とか、その人の経験から飛び出てくる言葉は俺を少し成長させてくれて、新しい観点に気が付くこともある。
人と関わる事も、一つの勉強じゃないか。
その俺の考えが合っているかなんて正直わからないけど、とにかく一歩進んだ。進めた。
いつか、父のようになりたいし、追い越してしまいたい。
伝説的な騎士・シュナイダーは言っていた。
「君が何かをしようと思った時には、仲間を頼るといい。一人きりではできないことだってある。友を信じ、己を信じることだ。この本を読んでいる君は前に進める力がある。私のような落ちこぼれでも出来たことだ。そう難しくはない」
そんないい言葉があったな。
「よし、準備はできたぜ」
と、ティムのでかける支度は整ったみたいだ。俺はすっかり終わっている。だから、せめて格好よく
「行くぜ、ティム。俺たちだけでも、未来を変えてやるんだ!俺の未来は、俺自身が決める!」
物語の中の少年が、一番最後に言った事で旅立ちを飾った。
俺の心は、少しは勇者になれたなんて夢だろうな。
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