主体性を奪い、自己主張しないやさしい人を生み出した「護送船団方式」
今回は、こちらの記事から
昭和の時代のパラダイム(ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み・価値観)が、VUCAの時代の現代まで連綿と続いていることで、変化への新しい一歩を邪魔していることが多いです。
今回は、昭和の護送船団方式が個性を奪い、主体性や自己主張しないや優しい人を生み出してしまったことにフォーカスします。
護送船団方式(ごそうせんだんほうしき)は、保護すべき産業や企業を、落伍者を出さないように政府主導で保護し、過度な競争を避け保護のもとで安定安心な成長を図ろうとする政策のことです。
護送船団方式は具体的な政策名ではなく、もともと軍事用語を経済的な用語として置き換えたようです。
ウィキペディアから引用します。
落伍者を出さないという考え方は、「誰一人取り残さない」というSDGSの理念にも通じる部分もあります。でも、本質的な違いは、行政がコントロールし、監視管理するところ、しかも特定の産業や企業を保護するために、許認可権限などいわゆる規制をして、閉鎖的な環境を作り上げたところです。
この護送船団方式によって、様々な弊害が生まれています。
●非効率
「船団の中で最も遅い船に速度を合わせる」ので、対応スピードも遅くなり、経営や業務が非効率になります。
●競争力が低下
護送船団方式では、様々な規制や制限が敷かれるので、自由競争にさらされないので、競争力が低下します
●自助努力をしなくなる
行政の保護のもとで、様々な規制や制限に守られるため、自由競争の中で切磋琢磨する必要がなく、自助努力をしなくなります。
●マニュアル化・パターン化
記事にも書きましたが、こちらのサイトがとても参考になり、引用します。
この護送船団方式により、いい学校にいきいい会社にいって勤め上げるという、一つのレールに乗っかってしまったら、それでその人の人生はほぼ決まるパターンが生まれました。
このパターン化、マニュアル化され、それを忠実にこなす人が、大量生産・大量消費の時代、右肩上がりの経済成長時代
には企業にとって都合がよい人材でした。
●没個性で主体性を奪われ、自己主張しない、やさしい人が増えた
それぞれ一人ひとりの「個」の存在は必要とされず、ひとり一人も個性を出さず言われたことをこなすことに専念したように感じます。
パターン化・マニュアル以外のことをしない、主体性を発揮して、余計なことを言うと、逆に煙たがられるしペナルティーも受ける。下手なケンカはせず、みんなと仲良くする。
今の時代にも、こうした風土が残っている産業、企業、組織は多いと感じます。こうして、主体性のない、自己主張しないやさしい人が増えたように思います。