生きるは厳しい時がある
ご近所友が引っ越し
はや一か月
今まで暇な休日の相手をしてもらってたことに
改めて気づかされる
ひとり買い物をしていても
ただただ自分の為だけに買う虚しさ
店の真ん中でハタと気づく
キーーンと音が無くなり
一気に空間を感じる
それでも生きねばならぬ
肩がちぎれそうなぐらい重い荷物を背負って
折りたたみ自転車で帰る
久々の自転車は爽快だったが
いつの間にかできた自転車交通ルールがよくわからない
ドキドキしながら走行
やっとたどり着いたが自転車を担いで階段上って死にかける
どうやら我が家の階段は急だった
10段上ってマトリックス状態になる
フラフラで部屋に運び入れ
何故だかまた虚しくなる
久々に缶ビールを飲んでみる
最近アル中になる人の気持ちが分かり始める
初めの一歩がこの缶ビールなんだろう
ふんわりした気持ちになって
そのまま寝れば
虚しい今日が終わってくれる
一日一日
何とか終わらせる
一日一日
これからも生きねばならない
ある日我が家に亀がやってきた
丁寧に綯われた藁でできた
飾り物の亀である
稲穂を沢山腰につけて
遠い地からやってきた
大切に白い紙に包まれて
貼られたテープを見ただけで
大事に包んでくれたのだと分かる
稲穂が取れぬよう大切に箱に入れられて
作り手と送り手の気持ちが箱を開けただけで感じられる
包みの紙を静かにはがすと
コロンと小さな亀がいた
命は無いが何故かほっとする
ビールよりも何よりも
ほっこりする
人の手で丁寧に編まれたこの亀には
何かが乗っかっている気がする
壁に飾っても気になりチラチラみる
存在感があるというか
気配がする
手仕事はなんと素晴らしい
魂がこもっている
作り手が込めてくれたかすかな魂
まだ感じられる余裕はある
一歩一歩
亀のように
一日一日
ただその日を生きてみる
虚しくても
寂しくても
生きる意味が不明でも
目的が無くても
とりあえず目を閉じられたら
一日クリア