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透明の階段



どこからか、降りてきた糸
それを頼りによじ登ろうとしたって
そりゃプツッと切れる
その糸に、我先にと人が集ってこなくとも
その様子を見物して
一喜一憂してる上人様のご気分で
いつ切られるともわからない
あっちはこっちを"見物"しているんだから

じゃあ自分で階段でも作ればいいかって
それだって建設禁止と言われればそれまで
こんな出来レース
そりゃ、何も知らないで意気込む若造は
さぞ可笑しく思われる
そりゃバカにして大笑いするよな


荒んだ目をした奴に目もくれず
何かを心に決めた人がいた

誰にも見えない
透明な階段をひたすら登ってく
その階段を作ってるところも、登って行くところも
誰も見たことがない
誰もその"最中"を知らない

そんな人の後を追いたい
でも、追えるわけがない

何度も試行錯誤した先人の
たくさんのステップが
そこら中に隠れている
それは、その踏み場を追い求める人にしか
見つけることが出来ない

目を凝らして凝らして
やっとのことで見つける

踏み外したと思ったその踏み場は
元からそこにはないもの
そこにあってくれたら..と
早まる自分が見た幻想


透明の階段
見えないけれど、見つけて行くもの
それが本当に足場となるものか
見抜けるか見抜けないかは
自分に委ねられている


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