笑えない、笑える話
「よくもまぁ、いけしゃぁしゃぁと
そんなことが言える」
以前は、とうていそんな風には、
思えなかったはずだ-。
矛盾だらけのロボットが動いてる。
だからこんなにも汚い世界なんだ。
矛盾って、すんごく汚いぜ。
お前、ちゃんと見てんのか?
お前、ちゃんと聞いてんのか?
あいつ、あんな風に言ってたのに、
こんな風に動いてるぜ。
こんな動きしてんのに、あんなこと言ってるぜ。
よく見てみろよ、ちゃんと見てみろよ。
「...この人は一体何がしたいんだろう?」
そうだろう?
そうなってくるのが、正常だ。
どうして気づかなかったって?
お前がその矛盾の埋め合わせしてんだよ。
ガタガタのぐちゃぐちゃのものの
辻褄合わせを、せっせとな。
キレイにキレイに見たい、お前がな。
そら疲れるだろう。そら苦しいだろう。
どんなに頑張って動いてるように見えたって、
その頑張りが本当は、
最後は誰かを傷つける為だったとしたら。
そんなもの、殺人の準備と一緒だ。
お前の埋め合わせはな、
それに加担してんだぜ。
あいつがせっせと研いでるあの刃物、
お前に向けてられてるものとも知らずにな。
ほら、見えてくる。
見えなかったものが、見えてくる。
歌いながら研いでるぜ。
ハミングしながら研いでやがる。
鼻歌歌って作ってるクッキーに、
あいつは一体、
何を混ぜてるんだろうな。
もう笑えるよな、
笑えなさすぎて、笑える。
でもこっちの矛盾は、一貫してるだろう?
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