レーシングカーは、公道を走れない。
レーシングカーは、
あのかっこいいレーシングカーは、
公道を走れない。
走らない方がいい。
レトロなあの貴重な車も、
あのレアなアメ車も、
公道では目立って仕方ない。
公道には公道のルールがあって、
なるべく普通な感じの車の方が、
うまく溶け込めていい。
身勝手なルールが錯乱している公道では、
レアな車ほど、狙われてしまう。
そして、レーシングカーは、
その本領を発揮するには、
やっぱりサーキットでなきゃつまらない。
本番に向けて日々、調整、調整。
ここをもっとこう改良して、
ここをもっとこう調整して..。
ドライバーだって本番に向けて練習、練習。
そして、あのサーキットという舞台で
激しくスパークする。
きらきら輝く舞台に、たくさんの人が集まる。
磨き上げられた車体。
この日のために調整し完成させてきたエンジン。
走り出したその様、轟き響くエンジン音。
すべてがかっこいい。
集ってる人達皆を魅了していく。
でも、その日までと、その日の後は、
ずっと静か。
その日に向かって、ずっとエネルギーを溜めている。
大きく舞う為に。
そういうエンジン、そういう性だから、
レーシングカーはやっぱり、公道を走れない。
走らない方がいい。