知らないと恥をかく世界の大問題15
内容
池上彰さんの大人気シリーズ第15弾
世界で今起きている大問題をテーマ毎に解説する。
知らないと恥をかく、
は言い過ぎかもしれないが、
社会人ならある程度は理解しておきたい、
世界情勢情報満載の一冊
このシリーズは必ずプロローグで始まり、
現在起きている問題についてのさわり部分が記載されている。
これについては第〇章で、
ここについては第〇章で、
というように、
複数の章に分けて詳細に仮設されている。
主には
アメリカについて
欧州について
中国について
中東について
ウクライナ侵攻について
地球沸騰化について
最後の方に日本の政治について
その時代に起きた出来事、近い将来起きそうなこと、
等を中心に池上視点で記載されている。
過去のシリーズで解説されていたことも、
ちゃんと新シリーズでも解説されているので、
初めて読む方でも理解しやすくまとめられている。
感想
池上さんは客観的な視点で意見を述べていることが多い。
そこがこのシリーズの好きな所。
淡々と
感情を披露することなく
丁寧に
ニュースという情報を伝える
とはいえ池上さんも人間である。
トランプさんは嫌いな模様(笑)
過去のシリーズからひしひしと伝わってきていたが、
トランプさんへの評価はすこぶる低い。
権力を監視するのがメディアであるが、
そのメディアを批判するのが権力者であるトランプ大統領。
メディアからすればこんな権力者なんて最悪である。
池上さんはNHKに入局してから現在まで、
生粋のジャーナリスト。
故に権力者でメディア批判する人は嫌いなのだろうと納得。
現代の世界情勢を語るにおいて、
必ず欠かせないのが歴史問題。
現代に起きている世界の問題も、
過去の歴史に起因するものがほとんど。
そうした問題も、
毎回必ず過去の復讐から解説してくれる。
こういう視点は重要である。
現代の戦争も紛争も、
実は過去の問題や宗教がらみは多い。
100年くらい前から続く問題や、
宗教関係になるともはや2000年前とかにさかのぼることも。
知ったつもりになっていても、
実はニュースでは解説されない重要な視点を見逃している可能性もある。
池上さんはこのあたりがとても丁寧である。
このシリーズを最大限魅力的な書物にしているのはここだと思う次第。
アメリカ大統領選の行方、
ウクライナ侵攻の出口、
イスラエルの歴史と今、
中国の不動産バブル、
こういう知識を身に付けて損は無い。
少しでも気になるならこの書物を手に取るべきである。
このシリーズの第1弾が発売された頃は、
中東が危ないとか、
ロシアが危ないとか、
危険性を問題視する内容が多かった。
その後
ウクライナ侵攻が始まり
イスラエルとパレスチナの問題が火を噴き
混沌とした世界に突き進んでいる
願わくば今回の内容に記載されている未来で起きるかもしれない問題が
何事もなく終わることを願いたい
未来は誰にもわからないが
こうした問題を頭の片隅に入れておくことは
自助の一環になると信じたい
おススメ度
☆☆
ニュースを見ててもわからない、
だからもう見ない。
そんな考えの人はこれを読んでほしい。
そもそも難しいニュースは勉強しないとわからない。
わからないままで放置しても永遠にわからないままである。
知識を得ることは人間にとって最も重要な事。
知識の習得を怠った大人に成長は無い。
経験だけで学ぶには人生はあまりにも短い。
時代に取り残されないよう
教養を習得する大人であり続けたい。
池上さんに唯一足りないのは、
両面からの視点。
ジャーナリスト側の視点がほとんどで、
政治家側の視点が欠けている。
政策には必ず理由があり、
メリットとデメリットが存在する。
その両方をしっかり比較することで、
目指すべき答えが見えてくる。
こうした視点がもっとあれば、
文句なく誰に対してもおススメできる書物であると言えよう。
タイトル:知らないと恥をかく世界の大問題15
著者:池上彰
出版:KADOKAWA
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?