PA 入門編 マイクチューニング
前回に引き続き。
PA(音響)についての記事を書かせて頂きます。
前回はざっくりとPA(音響)について書いたのだが
今回は初心者の方向けで
PA入門編と捉えて貰えると幸いです。
実用的に使える知識や
実はPAってこんな事思ってるんだよ?
見たいな所もご紹介していきます。
※注意点
今回はRTA見たいなチートを使用しないマイクチューニングの方法を書いてます。(僕はあれをチートだと思ってる)
また、専門的な方が見ると情報が混在してしまっていてどれのこと?って突っ込みたくなるポイントもあるかもしれないです。
『なんとなく言いたい事分かるわー』ぐらいで見て頂けると幸いです。
後ミキサーの使い方とかは省いてます。
説明書見てください。
マイクチューニングについて
さぁ、PAの入門としてはマイクチューニングがあるのでは?
そもそもチューニングって何?
なぜチューニングって必要なの?
って思う方も居るのでは無いでしょうか?
一言でチューニングと言っても様々な用途がある。
チューニングとは日本語で言うと『調整』や『調律』の事で
例えば車もチューニングすると言うし
機械なんかもチューニングすると言うだろう
結論から言う所チューニングとは
性能の最適化をする事を目的とした行為の事だと解釈して頂ければ良いかと。
車なら走行性能を上げること(燃費やハンドリング等)を目的にチューニングをするし
機械なら効率がや精度をあげる為にチューニングをするだろう
ではマイクのチューニングは?
マイクチューニングとは大前提としてハウリングしない様にするのだが
性能を最適化すると言う意味だと
マイク使用者の要望に応える為にマイクのチューニングが必要なのだ。
では、どう性能を最適化するのか?
PAは音響ミキサーや様々な機材を使って音や音質を調整している
チューニング仕方は人それぞれなのだが
僕の場合は
ハウリングしない様に調整→良い音質に調整
の順番でまずはハウリングはしない様にチューニングをする。
ここでハウリングについて極端な話をすると
どんなに音質を調整してもボリュームを上げすぎたらハウリングは起こる物なのだと言う事。
素人の人あるあるなのだが
チューニングしてるのになんでボリュームもっと上げれないの?なんて言う人がいるのだが
チューニングは魔法では無い
あくまで『調整』しているに過ぎない。
そしてハウリングとは言葉を変えると『キャパシティ』とも言える
どんなに時間をかけてチューニングしても
キャパオーバーになるとハウリングは起こるし
ハウリングしないにしろ音割れにつながる事だってある。
マイクチューニングとは
・スピーカーの配置
・マイクの選定
・イコライゼーション(EQ)
と色々あるのだが
今回はイコライザーションについて
業界的にはイコライザーションの事をEQ調整と呼んでいる
音には低音域・中音域・高音域
の3つの音域に分類されるのだが
音域はヘルツ(Hz)と言う周波数の単位
音量はデシベル(dB)と言う数値の単位
ヘルツの単位は1秒間に何回振動したか?をヘルツで表現する。
例えば100Hzだと1秒間に100回振動している事になる
この振動回数が多ければ多いほど音は高音になっていく。
音域ごとの周波数は
低音域=40Hz〜250Hz
中音域=250Hz〜2000Hz
高音域=2000〜4000Hz
が一般的な認識でな無いだろうか。
音の特性は?
低音域
人の耳で聞き取れる聴覚的な感度は低い音域
空間伝達率は低く物質に振動して伝達していく特性がある。
身体で感じる音域だと捉えていただければ分かりやすいでしょうか。
一般生活で言うと地震の地鳴りやマンションの上の階の足音が響く事だと僕は理解している。
低音域はどちらかと言うと他の音の倍音の特性を持っている事の方が多く音の支えの部分だと認識しています。
中音域
マイクチューニングでは主に中音域の音質を調整する事になります。
声の明瞭さや性質は、ほとんどこの音域で決まると言っても過言ではありません。
人が聞き取る音域のほとんどが集約されていると思って頂いて大丈夫かと。
高音域
一般的には人の歌声で出す音の領域ではありません。
特性としては遠くまで響き渡る要因はこの高音域にあると捉えて貰えると良いかと。
同じボリュームでも高音域の方が空間伝達率が良く遠くまで伝わりやすい特性があります。
高音域の参考までに
女性の悲鳴が2000Hzから4000Hzと言われている
ちなみにマライヤ・キャリーは歌声で2500Hzまでの高音域を出すらしい。
バケモンですか。
さて、何と無く音の特性について理解した所で
これらの知識を踏まえてチューニングをする。
まずは音の鳴りのバランスを整える事から始める。
チューニング前は音の鳴りがバラバラでまとまりが無く何となくこんなイメージ
参考になる画像探したけど無かったから手書き。
汚いって?
うるさい!(すいません。書いたほうが早かったんです。)
赤く丸をしている山なりになっている所があるのが分かるだろうか?
まずはこう言ったところをトリミングする必要がある。
仮に+10dBをオーバーしたらハウリングするのだとすると
全体のボリュームを+5dB上げたらどうなる?
この画像からだと大体500Hzと20kHzの所でハウリングポイントを超えてしまっている
250Hz辺りもハウリングしそうだから危ない。
じゃあ
250
500
20k
この当たりをEQ調整で-5dBにしてみたらどうなるだろう?
before&afterはこんな感じ
分かりにくいって?
うるさい何と無くで理解しろ(嘘です!すいません!これ3枚目なんです!勘弁してください!笑)
これで全体の音量を上げやすくなったのでは?
全体的にバランスが取れて音量調整の幅が広がったでしょう。
さて実際に
どうやってこの波形を見つけるか?
先に言っておくとスマホアプリでRTAのアプリを取る事が出来て
使えばチート的にチューニングする事が出来る
RTAアプリとはどこの音域が出ているかを解説してくれるチューナーの事だ
だが、PA技術を高める為にも
そんな物には頼らせません。
僕が推奨している方法としては
『あえてハウリングさせる』
です。
先程の真心たっぷりな僕のお手製落書きでご説明させて頂きますと(汚いなんて言わせないぞ!)
とりあえずEQの数値を設定してください。
もし設定が無いミキサーであれば恐らく
low mid highと書いたつまみがあるはずです。
残念ながらこのミキサーでは細かい数値の設定は出来ないのですが
もし数値の設定が出来るのであれば?
例えば500と20khzの間の所を
(仮)5khzとしましょう
ここを+5dB突いてみます
+10dBの値に届いてないのでハウリングしませんね。
では5khzは無視して良いと言う事になるでしょう。
では、500hzの所を+5dB突いてみるとどうでしょう?
画像出すまでも無いですよね。
はい、ハウリングしました。
ここで大事なのが
・どこまで削るか?
・どの範囲まで削るか?
を決めなくてはいけません
500hzを削る事が決まったのですが
実はQ(クオリティファクター)を決めて削る範囲を決める事も出来るのです。
Q=範囲決めと理解して間違い無いです。
この数値が高ければ狭い範囲で削り
低ければ広い範囲で削る事が出来ます。
500khzの周りもちょっと気になるから削りたいなぁと思ったらQの範囲を広げる事で山なりに削ってくれるのです。
順番としては範囲を先に決めてから削った方が良いです。
後は自分の耳で聴きながら違和感の無い所まで削っていくだけです。
後はこの作業を繰り返すだけです。
注意点としては
突く時は同じdBで突く事
突過ぎない事
です。
さっきの5khzも+10dB突いたらハウリングしますし。
やりすぎたらスピーカー潰れます。
最初はちょっとずつ突いて
分かりにくかったらdBを上げていく事が大事かと。
最後に
チューニングのコツは?
量をやるしかないです。
ぶっちゃけ最初は音の違いなんて分かんないと思います。
耳を肥えさせてきたら
あーここでハウリングって事はここ削ったら音がコモるから抜け感作っとかないとなぁ
とか。
EQ触る前のマイクチェックで大体この辺がハウリングしそうだな
ってのもわかる様になります。
慣れるまではちょこっとご紹介したRTAなんかも使っても良いとは思います。
チューニングは場面によって全然変わってくるので
場数を踏むしかない
としか言えません
結婚式のMCさんのマイクチューニングだと
大体が滑舌が良く声の通りも良い人なので
明瞭に聞こえやすいように低音はある程度カットしてチューニングをします。
ライブだと音の迫力を求める為。
低音を削り過ぎない様に尚且つ抜け感のある音を作らなくてはいけません。
ギターやピアノの音をマイクで拾う時は
高音がキツすぎると耳が痛いので
基本は高音を削ります
ですが高音が持ち味なので削りすぎても物足りなくなるので
バランスを取る必要があります。
削りすぎも注意
削りすぎると
低音域は音はカスカスになる
中音域は音の存在感が薄まるし
高音域はこもった様な音になる
そんな感じです。
本当はもっと書きたいのですが
長くなり過ぎてもしんどいと思うのでこの辺で終わります。
書くのに4時間かかりました。
大変でした。
コメントください。笑