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最果ての地 南米パタゴニアの魅力

アルゼンチンとチリにまたがるパタゴニアには、合わせて30ヶ所の国立公園があり、切り立った山々、蒼々とした氷河、氷河によって作られた氷河湖など、美しい自然風景も御覧いただけます。また年間を通して風が強く、この風の強さがパタゴニアの代名詞とも言われています。

https://tinyurl.com/bzmkyk46

18時間バスに揺られても車窓の風景が変わらないパンパ、

パンパを行く行商の一行


3,000m〜4,000m級の天を突くほどの荒々しい山々、

神の采配を感じるアンデスの山々のデザイン


300以上の氷河を有するパタゴニア氷原、


普段は檻の中でしか見ることのできない動物たちも、みな野性的で、粗野で生命力に溢れている感じがする。

波打ち際にたむろするトド?

アルゼンチンの世界自然遺産、スペイン語で「氷河」を意味するロス・グラシアレス国立公園はその南部に位置する。

太平洋の湿気を帯びた風が、標高約7,000mのアンデスの山々にぶつかり、大量の雪を降らせ、積もった雪が圧力で氷結し氷河を形成する。


【ペリト・モレノ氷河】

パタゴニア氷河

中でもペリト・モレノ氷河は、1日に約2mも移動し、「生きている氷河」とも呼ばれている。そして氷に気泡が少なく透明度が高いため、青い光だけを反射して、間近に見るとミントブルーの輝きを放っている。

ペリト・モレノ氷河の崩落の瞬間

そして運が良ければ氷河の先端が崩落する瞬間に立ち会うことができる。

私が訪れた11月も大勢の観光客が、木の柵越しにカメラをセットしてじっとその時を待っている。
共通の目的を持ったこういう時、人は妙な一体感と共に忍耐強くもなる。
誰もひと言も発しない静寂の時が辺りを包む。

そして突然その時が訪れた。
乾いた音とともに氷柱に亀裂が走り、静まり返った湖面に、一欠片の氷塊が崩れ落ちる。

想像を超える、まるで地響きのような轟音…爆音とも言えるかもしれない。

目の前に繰り広げられる地球のスペクタクルに、恐怖を覚えずにはいられなかった。


【フィッツ・ロイ山】

フィッツ・ロイ山は標高3,405メートル、別名「チャルテン」とも呼ばれます。チャルテンとは「煙を吐く山」という意味で、その名の通り煙(=雲)が山を覆っていることが多く、晴れていてもなかなかその全貌を拝むことができないのが特徴です。アウトドアブランド・パタゴニアのモチーフにもなった、鋭利な形が特徴的な山です。

参照:https://tinyurl.com/ysvabhvu

朝日が昇る10分間だけ赤く燃える様に見えると聞く。
その秀峰を拝む為に、防寒具に身を包み明け方3時に宿を後にする。
まだ星が瞬いている。
真っ暗闇の中、手元の明かりだけが頼りだ。
たどたどしい脚並みで雑木林を抜ける。

やがて、黒とも青ともつかない闇夜に朝日が射し込み、
山の稜線を美しいドーンオレンジに染めて走る。
まるで映画を観ているようなドラマティックな光景が広がっていく!

フィッツ・ロイの朝焼け


ここ数日、荒野に身を置いてきたせいか、
こんな最果ての地のこの色彩美は、なおさら心に染み入る…。

カプリ湖に映るフィッツロイ


かつて開拓時代には、キリスト教の神父・アゴスティーニがパタゴニアの山に魅了されて、生涯を未踏の山域の探検と写真撮影に尽くしたと聞く。

宇宙飛行から戻った飛行士たちが聖職者になることが少なくないと聞くが、
聖職者をして、生涯を探検に尽くさせた程のこのパタゴニアの偉大さ…。

世界観を揺さぶられるほどの圧倒的な大自然の魅力は
人を捕らえて離さず、冒険家へと向かわせるのかもしれない。

私もその一端をきっと垣間見ることができたのだろう。
「冒険家」という響きに妙に心をくすぐられる。


【世界最南端の街 ウシュアイア】

アルゼンチンのウシュアイアは世界最南端の街で、南極大陸から約1,000kmの距離に位置している。
南極観光の玄関口として知られており、夏には世界中から多くの観光客が訪れる。

私もこの街を南極10日間の旅の拠点として、ドイツの大型客船に乗り込んだ。

ウシュアイアの宿のマダムと

海を望む可愛らしいペンションに泊まり、出港の日までのんびりと過ごさせてもらった。

この宿の老夫婦はかつて日本を訪れたことがあるそうで、とても親日的で温かかった。
遥か遠い旅先での出会いは、一期一会とわかっていても、
どこか懐かしく、離れ難い想いがする人に出会うことがある。
この80代の女性にも同じような感覚を覚えた。

思えばこの旅は自分が望んで計画してきたものではなかったと振り返る。
元々世界の各地を訪ね歩きたいと思っていた私が、
タヒチをサイクリングしていた時、チェーンが絡まって困っていたのを助けてくれた外国人観光客に「パタゴニアには是非行った方がいい」と言われて何気なく訪れた土地だった。

何気なく訪れた旅先で、こんなにも感動的な光景や温かい触れ合いに出会えるとは!!!
旅しているとある種の「勘」のようなものが冴えてくる。
そして時に第三者の示唆には見逃せないメッセージがあることを知る。



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