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初めての首都圏中学受験の保護者が予め知っておくとよいこと

割引あり

前回、Google スプレッドシートを使って中学受験の準備や予定の管理をしたという話を書きました。

想像していた以上にリアクションがあってありがたかったです。

この反応を見ていて「これ以外にも自分がやったことを全て書き残しておいたら、これから初めての中学受験を迎える保護者の方のお役に立てるのかもしれないな」と感じたので、記憶が新しいうちに一気に書き出してみることにしました。

ちなみに私自身についてですが、中学・高校・大学と受験の経験があるものの、地方出身者で首都圏の事情には疎く、今回は自分なりに試行錯誤しながらの中受サポートでした。特に同じようなバックグラウンドの保護者の方のお役に立てば嬉しく思います。

この記事では、以下の内容について私がやったことや感じたことを書いてみます。


・・・という感じで書いていったところ、なんと 14,700 字を超える長文となりました。途中まで無料で公開していますので、もし「役に立ちそうだ」と思われたら購入してみてください。

そもそも受験するかどうか

うちの子が低学年の頃はあまり深く考えていませんでしたが、中高一貫学校への進学は比較的多くのご家庭にとって金銭面で極端な無理をしなくても手が届く良質な教育の選択肢の一つだと思います。

特に学業面で高い品質の教育が期待できますし、仲間と切磋琢磨する中で自然と高い目標に目線が向く環境に身を置くことができるでしょう。目標や価値観が近い学友であれば、一生の友人になる可能性も高いと思います。

とはいえ、たとえ中学受験をする子どもが多い首都圏であっても「小六時点での受験は絶対にすべきだ!」とまでは全く思いません。

あくまで選択肢の話だからです。例として「野球やサッカーに夢中になっている子が高学年でのスポーツを諦めてでも進学塾に行くべきか?」と考えてみれば、そのようなケースでの答えは明らかに No だと思います。

また、中学受験は「周りがやっているから」という理由だけでやるには、本人にとっても、保護者にとっても、あまりに負荷が高い "プロジェクト" だということは理解しておく必要があります。もし本人が小学生とは思えないほど自立していて、かつ学力が異常に高いという場合であれば、負荷はあまりないかもしれませんが、そういうケースは・・稀だと思います。

うちの子の場合、以下のような感じだったので「中学受験をしてみてもよいだろう」と判断するに至りました。

  1. ゲームが好きなくらいで、特に夢中になっていたものがなかった

  2. 準備なしで入塾テストを受けてみたら、まずまずの点数だった

  3. 進学塾の授業(特に算数)を楽しんでいた

一つ目は、よくあるパターンだとは思いますが、スポーツが好きで熱心にやっているとか、すごく本が好きで本の虫であるとか、創作活動をしているわけではありませんでした(マイクラや Scratch は少しやってはいましたが)。そろそろ何か違う環境を与えてみてもよいのかなと感じていました。本人が自発的に思いつくようなやりたいことだけでは「興味の幅が広がっていかない」「競争や他者からの刺激が足りない」ということがあると思います。最初は本当に気軽な感じで、試しに行ってみるよう勧めました。

二つ目については、進学塾の入塾テストの結果を見る限り、ある程度はついていけそうな感じに見えたので、そのまま進学塾に行かせることにしました。この時点ではまだ「もし後になってレベルを下げた方が良さそうならそれはそれでよいし、五年生が始まるときにまた判断しよう」というくらいに考えていました。

最後の三つ目は二つ目とも関わってきますが「本人が楽しんでいたので続けられた」ということに尽きます。三・四年生あたりはまだそれほど受験モードではないのもありますが「授業を楽しんでいるかどうか」は塾通いを続ける上で重要な前提だと思います(あと、これは完全に後付けですが、ある程度以上の上位校に入学する場合、同級生の過半数が同じように進学塾に行っていた子達ということになるわけなので、進学塾での授業を楽しめていない場合、入学できたとしてもミスマッチになる可能性が高いような気がします)。それもあって、うちは最後まであまり厳しくは家庭学習の管理をしませんでしたが、特に四年生までは「できる範囲でよい」「苦手なものは多めにやろう」という、さらに緩い感じでやっていました。

うちの子は性分としては「中受に向いているタイプ」だったと思います。「この学校に入りたい」という目的意識は割と後半まで希薄でしたが、総じて「塾で学ぶ」ということ自体を楽しんでいたようです。お子さんがそういうタイプではない場合は、学園祭に行くなど「こういう学校に通いたい!」という強い目的意識を醸成する機会を早い段階から与えてあげる方がよいかもしれません。

塾選び・続けるかどうか

幼稚園から二年生までは、学研教室に通ったり、自宅でスマイルゼミをやったりしていました。三年生から塾に入れたのは「そろそろ違うことをやった方がよさそうなタイミングかな」と感じていたからです。もし仮に受験を途中でやめたとしても、進学塾の難易度高めな教材に取り組むこと自体は今後に活きることはあるだろうと考え、進学塾に入れることにしました。

自宅から通える範囲に四大進学塾のうちの三つがあったので、そのうちの二つで入塾テストを受けてみて、本人の好み・適性を考慮して選びました。選んだのは SAPIX で、家から一番近かった中規模の校舎に通わせました。

当初は「まず受験ありき」ではない動機だったため、四年生前半くらいまでの時点では「もし受験へのモチベーションがない・続かないなら、途中でやめてもよい」くらいに思っていました。もし実際にやめるとなったら、よく聞くように本人が周りの目を気にして「続けたい」と言ったかもしれませんが、これは「たられば」な話なので、今となってはどうだったかはわかりません。

実際、通っていた塾では四年生が終わった時点で定期テストの受験者数が大きく変動しました。四年生終わりで一旦ガッと減って、その後、五年生から新しく入った子の分で全体の人数が戻ったと記憶しています。他の塾に移ったり、受験自体やめたお子さんがそれなりの数いたのだと思います。実際、もし通わせる塾を見直すことになるとしたら、五年生のカリキュラムが始まるタイミング(四年生の二月)がベストだと思います。

最初はそんな緩めの受験生保護者をやっていた私でしたが、五年生が始まる時点で本人との会話の中で「このまま受験までやっていこう」ということを明確にしました。本格的に受験モードに入っていく五年生以降、親が曖昧な態度でいることは良くない影響があると考えたためです。

学校説明会・学校見学・文化祭

2024 年受験は五年生の頃まで文化祭・学校見学が完全にはコロナ禍対応から再開していなかったという事情があり、うちの場合は五年生では少ししか行けませんでした。ただ、少しだけでも行っておいたおかげで本人の趣向に合わない学校を早い段階で候補から外すことができました。

早い段階で色々な学校を見ておけば、「どういう学校に行きたいか(親目線では通わせたいか)」という判断の精度はより高まると思います。できるだけ五年生のうちに行っておく方がよいです。「必ず受験する」と早い段階から決めているのであれば、四年生から行く方がよいと思います。

六年生時の文化祭シーズンは土日も塾で埋まっているので、志望度の高くない学校を見に行くことは難しくなります。六年生の時期は本命・第二志望くらいに絞って行くことになると思います。

また、保護者は早い時期から塾や学校が主催している保護者向け説明会を活用するとよいと思います。オンラインで参加できるものも多いです。知名度やネット上の評判だけでなく、実際どのような学校なのか校長や担当教師の説明を聞いてみるとより理解を深めることができます。

上述の通り、うちは五年生の頃にあまり学校を見に行けなかったので、その分、私が興味のある学校のオンラインの説明会には可能な限り全て参加しました。その都度、自分の所感をまとめたメモを家族(主に妻のみ)と共有し、志望校検討の認識を揃えるようにしました。

このようにオンライン説明会も役に立つのですが、とはいえ、実際に学校に行ってみて気づくことも多いのも事実です。校風・設備・教師や生徒の雰囲気・通学の遠さなどは実際に体験してみないとわかりません。第三志望くらいまでで出願する可能性が高い学校については、オンラインだけでなく、少なくとも一度は出向いてみることをおすすめします。

なお、この時点での学校の選定方法ですが、私はまだ首都圏の学校に詳しくなかったので、とりあえず先入観を持たずに塾の偏差値一覧表に載っている学校で自宅から通えるところを片っ端からリストアップしていきました。通学時間の目安は Google マップで学校の住所までの所要時間をひたすら調べました。こういうことをするためにも、受験のあれこれは早い段階からスプレッドシートやそれに類するツールで管理した方がよいです。

このような流れで、まずは保護者なりの基準(学校が好ましいかだけでなく、チャレンジ校の場合はいつもの偏差値 +5 程度で届きそうかも加味します)である程度フィルターして、残った有望な候補の学校を優先して、本人と一緒に文化祭など行ってみるのが効率がよいかなと思います。

・・・ここから先は、本人の成績推移にも言及していることもあり、少額の有料としています。

特に、数年前の私と同じような「首都圏の中学受験の経験や事前知識が全くないが、受験することを検討している」という保護者の方にはきっと役立つ情報が多いはずです。

保護者の役割分担・コミュニケーション

塾の保護者会や学校説明会でいつも感じていましたが、世の中的には圧倒的に母親の方が深く関与しているご家庭が多いようです。


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