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中国地方三県で酒蔵見学してきた
出身地の広島への帰省のついでに、広島〜山口〜岡山の順に中国地方三県に跨って酒蔵・工場の見学に行ってきました。そのハイライトと、今後行かれる方向けの注意点などをまとめておこうと思います。
広島県:西条酒蔵通り散策
まず一つ目は広島県西条市の酒蔵通りです。
今回は飛行機で広島まで行ったので、広島空港から西条駅直通のリムジンバスに乗りました。事前にチケットを買う必要はなく、交通系 IC でそのまま乗ることができます。
これを書いている 2025 年 2 月時点で、西条駅行きは以下のような運転間隔になっています。広島空港着のフライトとタイミングを合わせてあるはずだとは思いますが、乗り遅れてしまうとかなり時間が空いてしまいます。確実に乗れるよう、事前に出発時刻を確認し、到着後は速やかにバス乗り場へ向かう方がよいです。
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さて、その西条酒蔵通りですが、一般にイメージされるような観光地エリアというよりも「住宅地の中に七つの現役の酒蔵が点在するエリア」といった感じです。酒蔵通りと呼ばれているエリアは歩いて回ることができる範囲ではありますが、酒蔵が隣接して並んでいるわけではありません。特に観光案内所のあるメインの通りについては、酒蔵よりも一般の住居・アパート、酒とは関係のない店舗や飲食店の方が多いです。
簡単に散策の流れを紹介します。まず、リムジンバスで西条駅北口に着いたら、一旦西条駅の構内に入ります。2 階に「東広島市観光案内所」というのがありますので、まずはそこで質問をしてみると親切に教えてくれると思います。
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駅の反対側の南口へ降りたら、以下の赤い矢印のように進んでいきます。上の丸いところがバスを降りる場所です。駅に上がって案内所を出たら、そのまま左手を道なりに進んで、一つ目の通りに入っていくだけです。
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西条本町歴史広場とその後ろに西條鶴酒造の煙突が見えてきたら、酒蔵通りのスタートです。西条酒蔵通りでは、いくつもの煙突が見られますが、どれも時代を感じさせる趣があって素敵でした。
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散策の順路ですが、おそらくほとんどの初めての訪問者(今回の私含む)はなんとなく道なりに進むのではないかと思います。その場合、まず西条本町歴史広場があって、そのまま案内所・いくつかの蔵がある通りを進んでいき、賀茂泉(かもいずみ)酒造まで辿り着いた後、地図を見ながら戻りつつ、福美人(ふくびじん)酒造の方へ軌道修正、最後に賀茂鶴(かもつる)酒造へ辿り着くということになります。
そんなに広いエリアではないので、二周くらいしてもよいと思いますし(実際、私は二周しました)、楽しみ方は何でもよいのですが、もし私がおすすめの経路を聞かれたら、上で書いたものとは逆の順路をおすすめします。
つまり、西条本町歴史広場の展示を見て少し勉強・記念撮影などした後に、次の交差点で左折して「仏蘭西屋(ふらんすや)」の前を通って、次の突き当たりでさらに左折して賀茂鶴酒造へ行き、その後、福美人酒造を訪問、その後、メインの通りへ進むという経路です。
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もしこの時点ですでにランチの時間であれば、そのまま仏蘭西屋で美酒鍋とお酒を楽しんでもよいでしょう(ちなみに、私は予約なしですぐに入れましたが「団体客が入ることもあるので、一応予約した方が安心ですよ」とのことでした)。
なぜこの順路をおすすめするかというと、最初に訪問するにあたっては賀茂鶴酒造が一番楽しいからです。酒蔵に関する展示も色々と見ることができますし、試飲コーナーには常にスタッフの方がいて会話を楽しむことができます。試飲の種類もかなり多いです。
(時期や曜日にもよるかもしれませんが)他のいくつかの酒蔵では基本は無人の状態で呼び鈴でクーポン特典の試飲をお願いするという形だったり、「入っていいのかな・・?」という雰囲気だったりもするので、体験としてはだいぶ異なります。なので、最初は加茂鶴酒造に行ってみる方が良いのではないかと思うわけです。
・・と、この "クーポン" について触れるのを忘れていました。駅の案内所でも教えてくれると思いますが、この酒蔵通りエリアでだけ使える「ほろよい散歩クーポン」というものを販売しています。
駅の案内所ではなぜか買えないのですが、イープラスで予め買っておくと駅で受け取れるようです。それ以外の場合は、酒蔵通りに行ってから酒蔵通りの案内所か賀茂鶴酒造あたりで買うことになります。
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私は途中で買ったのですが、最初に買っておいた方がよかったと思いました。「色々と試飲をしたい」という人であれば「余って困る」ということはまずないです。
以下は私が行ったときの特典一覧です。
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クーポン限定品というのがいくつかあるので、その辺を優先して選ぶとよいです。若干悩ましいのが、このクーポンは 7 枚セットでの販売で、ある程度使った後だと「2-3 枚で交換したいけど、残り枚数が合わない・・!」となってしまう可能性もあります。もし 2-3 枚引き換えのもので「絶対欲しい」というものがあれば、予めその分のクーポンは分けておいた方がいいかもしれません。
最後に私にとって印象に残ったことをいくつか紹介しておきます。
まず、加茂鶴酒造での試飲が素晴らしかったです。四合瓶で 1 万円を優に超えるお酒の数々を 200-300 円で気軽に少しずつ味わうことができます。
広島錦・双鶴・吉祥・天凛と一通り試した後、最後に非売品で全国新酒鑑評会金賞受賞の斗瓶取り大吟醸原酒(これの試飲は 1,000 円)を試飲しました。もう注いだ瞬間から香りがしてきて、別次元のお酒・・・良い記念になりました。
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お昼ご飯は、賀茂鶴が運営しているレストラン「仏蘭西屋(ふらんすや)」で食べました。
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もちろん看板メニューの「美酒鍋御膳」です。美味しかったです。
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賀茂鶴酒造が販売している多様な日本酒をリーズナブルな価格で飲むことができます。広系酒 33 号は直売所の試飲では品切れだったのですが、こちらでは飲めるようだったので、美酒鍋と共に 33 号をいただきました。
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福美人酒造でも試飲をしました。ここは通常売店エリアに人がいないようなので、事務所の方に行って「お願いします」と声をかけるとスタッフの方が来てくれます。お酒以外にもアイスクリームとか色々売っていました。
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歴代総理大臣の「國酒」と書かれた直筆の書が並んでいて、それぞれの人となりを想像しながら眺めたりしました。石破さんのはまだなかったですね。
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西條鶴(さいじょうつる)酒造の試飲も種類が多くて楽しかったです。「真髄」がとても美味しかったので、少し買って帰りました。
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亀齢(きれい)酒造さんでは、こんなに近くで煙突を見ることができました。売店ではクーポン限定の巾着袋をゲットしました。
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Instagram に他にも写真を上げていますので、良かったら見てみてください。
私は平日の静かな時期に行ったせいもあってか、他の酒蔵さんではあまり見どころを見つけられなかったり、入ってよいのか迷うことも多かったのですが、時期によってはきっと他にも楽しみ方があるんだろうと思います。ぜひ案内所の方にも色々と聞きつつ、楽しんでみてください。
山口県:旭酒造本社蔵見学
普段から愛飲している旭酒造(2025 年 6 月から「旭酒造株式会社」から「株式会社 獺祭」に社名変更されるそうです)の「獺祭」、今回のようなチャンスでもないと蔵見学に行けることはないだろう・・ということで思い切って行ってきました。
まず最初に強調しておきたいこととしては、遠方からの訪問であってもレンタカーなどを使って行けるなら絶対に車で行った方が楽です(運転手は現地での試飲はできなくなりますが)。
今回、私は JR とタクシーを使って行きました。その場合はいくつか注意点がありますので、最初にそのことについて書いておきます。
旭酒造本社の最寄駅は、岩国と徳山を結ぶ JR 岩徳線の周防高森(すおうたかもり)という駅です。この駅から本社蔵まではタクシーで 15-20 分程度かかります。山道ですし、Google マップによると二時間くらいかかるので、歩いて行くのはさすがにおすすめしません。
電車で行く場合、当日について以下の点を予め想定しておくとよいです:
14 時からの見学の場合、その時間に最も近い電車の駅到着時刻は 12 時頃です(2025 年 2 月時点)。JR 岩徳線の電車の本数は少ないのでこれに乗り遅れないようにしてください。
駅周辺の徒歩圏内に喫茶店などの時間をつぶす場所はありません。私はとりあえず高森亭というお店で昼ごはんを食べました。そこまでお腹が空いていなかったのであみ焼きランチの小にしましたが、それでも十分ボリュームがありました。ランチドリンクは +100 円なので、ゆっくりコーヒーを飲むとよいと思います。
地元のタクシーは現金のみです。決済アプリはもちろん、クレジットカードも使えないので、現金を用意してください。この駅周辺の徒歩圏内に ATM の入った施設やコンビニはないので、事前に用意しておいてください。駅から旭酒造までは片道 3,000 円足らず(2025 年 2 月時点)です。
結局、私は 13 時頃にはやることがなくなってタクシーで旭酒造に向かいました。旭酒造本社に着いたら、まず「獺祭ストア 本社蔵」に行って「見学で来ましたが、早く着いたのでここで待たせてください」と伝えて、店内を色々見たり、美味しい仕込み水を飲みながら待つとよいです。
蔵見学は事前に通知されている通り、きっちり 1 時間で終わります。その後の試飲に申し込んでいる場合、そこから 20 分程度は試飲を楽しむ時間と想定しておくとよいです。ストアでちょっと買い物もしたいでしょうから、帰りのタクシーを予約する場合は 15:30 かそれ以降にしておくとよいかと思います。私は時間が読めなかったので予約はせず 15:20 にタクシー会社に電話して 15:35 頃にタクシーが来てくれました。
周防高森駅からの帰りの電車の時刻も調べて計画を立てましょう。上述の通り、駅の中以外で待つ場所がないので、長時間の待ちぼうけは結構つらいです。
これらの注意点を読むと不安になるかもしれませんが、見学自体はとても楽しかったですし、本当に行ってよかったです!
獺祭好きな方には、ぜひ一度行ってみてほしいです。スタッフの方々の酒造りへの真剣な姿勢が感じられるはずです。私はこの見学を通じて今まで以上に獺祭ファンになりました。
旭酒造ではタンクの温度を常にチェックしています。その様子も多くの人に見てもらっていますよ。よく、造っているデータの心臓部を見せていいんですかと聞かれるんですけど、全く問題ないと思っています。だって、見たってできないですから。マニュアルだけそろっても酒造りはできないんですよ。失敗を経験し、どうやってリカバーできるのかを読み取って工夫しないと。その結果が、今の獺祭なんです。
ストアで待っている間、見学後の試飲時にはぜひこちらの仕込み水を飲んでみてください。
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見学後の試飲では 45, 39, 23 とスパークリングを楽しめます。
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他にも Instagram にいくつか写真をあげていますので、よかったら見てみてください。
なお、蔵の中の写真については「自由に撮っていいですよ!」と言ってくださったのでたくさん撮りましたが、ここではシェアしません。ぜひご自身の目で確かめてみてください!
岡山県:キリンビール 岡山工場見学
三日目は岡山に移動して、午前はキリンビールの岡山工場を見学してきました。参加したのは「キリン一番搾りおいしさ実感ツアー」というツアーで、一番搾りの製法を詳しく紹介してもらいました。さすがと言うしかないオペレーションの品質と規模に圧倒されました。
山陽本線の万富駅が最寄駅です。駅から工場が見えるどころか、そもそも線路のすぐ横から工場の敷地です。
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この路線、意外と本数が多くないので注意が必要です。10 時の回に間に合うもので一番遅いのは万富駅に 9:41 着なのですが、これで行く場合は駅からは少し早歩きをした方がよいです。駅から見学受付までたどり着くまで 10 分くらいは歩きます(このページからリンクされている PDF ファイルを見てください)。のんびり行っていると開始時刻ギリギリになってしまいます。
かといって、それの一本前はきっかり 1 時間前です。迷った挙句、9:41 着で行きましたが、結果的にこれは正解でした。一時間前に着いてもやることはなかったと思うので・・(工場に早めに着いてショップを眺めたりするくらいしかやることがなかったと思います)。
見学も楽しかったですが(写真は下のインスタのものを見てください)、何と言っても試飲がよかったです。ギフト限定の一番搾りプレミアムは初めて飲みましたが、本当に美味しかったです。
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ツアーの全体の時間も予定通り、工場見学が 50 分、試飲等が 25 分という構成になっています。その後、ストアで欲しいものがあれば買い物して帰るという感じですね。
ストアで買い物する予定はなかったのですが、試飲でも使われていた「キリン一番搾りおいしさ実感グラス」が 500 円で売っているのを見て、思わず買ってしまいました。これで自宅でも美味しいビールを飲もうと思います。
あと、帰りの電車も本数は少ないので、予め電車の時間を意識しておくとよいです。駅周辺は住宅地で立ち寄る場所がないので、ホームでただ待つことになります(地元の人たちと待合室でずっと待ちました)。
他にも Instagram にいくつか写真をあげていますので、よかったら見てみてください。
岡山県:独歩館(宮下酒造)工場見学
三日目はダブルヘッダーということで、午後は宮下酒造さんの工場見学に行きました。最近では、大谷翔平夫妻がドジャースのロバーツ監督に送ったウイスキー・日本酒の製造元としても知られています。
最寄駅は、岡山駅の一つ先の駅である西川原・就実(にしがわら・しゅうじつ)駅です。キリンビール工場の万富駅と同じく JR 山陽本線なので、電車の時刻表は予め確認しておくとよいかと思います。
ここでの工場見学では、ビール作りとウイスキー作りについて、熱心にそれぞれの工程の説明と設備の紹介をしてくださいました。
特に興味深かったのは、ウイスキー工場のこのマシーンでした。
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このマシーンの使用時の内部は 80 ℃ に保たれて、沸点が 78 ℃ であるアルコールの気体が左側の筒の上に上がっていくことで分離される・・という流れから、その後、どのような樽(三種類の樽を使っているそうです)で熟成しているかまで、詳しく紹介していただきました。
ウイスキーコースで申し込んでいたので、最後に宮下酒造で提供している高級ウイスキーの試飲も楽しみました。
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見学の予定時間は 30 分となっていますが、私が参加した回は 40 分くらい時間をかけてビールとウイスキーの工場を見学しました。
ウイスキーコースで申し込んでいる場合は、見学後、レストランへ行きます。順番に呼ばれて着席すると、上にある三種類の試飲が運ばれてきます。この試飲で終わりにする場合は、店員さんに声をかけて、レストランの会計で 2,200 円を支払って終了です。
私は試飲してすぐに少し買い物をして帰ったのですが、一般メニューをもらって他のお酒も飲んでみてもよかったな・・と思いました。というのも、上のキリンビールと同様、この路線の電車の本数は多くないので、冷たい雨で寒い日に駅のホームで 20 分以上待つことになってしまったからです。電車の時刻を事前に調べて、それに合わせて行動しないとダメですね(それか岡山駅からタクシーで移動)。
他にも Instagram にいくつか写真をあげていますので、よかったら見てみてください。
終わりに
こんな弾丸ツアーをする人が他にいるのかは分かりませんが・・・何かの参考になれば幸いです。
最近、好んで飲んでいる日本酒は他にもあるので、次は可能ならそれらの酒蔵を見学させてもらったり、それが無理でもその地元を巡ったりするのも楽しそうだなーと思った旅でした。
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