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書評:『「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉』原丈人

屈指のベンチャー企業家、内閣参与でもあり、国内外の様々な経済会議で発言してきた著者が、「会社は誰のためのものか」と問いかけ、「株主のもの」とその瞬間瞬間で株主が儲かれば社会や会社自身の発展は二の次だという短期売買のマネーゲーム=博打で破たんしている今の「株式」資本主義から、「会社は公器」と投資本来の役割である将来社会の発展に貢献するアイデア=会社を守り育てた結果利益が産まれる健全な「公益」資本主義への転換を提言。子どもの頃は鉄道模型に熱を上げ、学生時代は考古学を専攻、その後自身もエンジニアとして活躍しながら経営者として成功を収めた著者が語る、モノづくりや教育や未来社会の話はシンプルに面白い。(近い将来グーグル翻訳みたいなのの超改良版が出て、あらゆる言語と同時通訳してくれる時代になるから、まずは自国語しっかり使えるようになっとけ、みたいな)。経済や株に詳しくない人間にとっては読んでいて難しい部分もあるが、全体の論旨は明快で、わかりやすい例えで今の社会の問題を解説してくれている。麻生財務大臣が「大門先生はかしこい」「大好きだ」と絶賛した大門みきし(共産党)オススメの一冊でもある。