VRの『価値』を生み出すもの

この世の中って突き詰めると価値がないもので溢れていると思いません?

例えば、アニメやゲーム、テレビや本だって存在していなくたって生きていくことは出来るし、究極的には人間が生きている価値だってないわけです。

けど価値がないからといって、人間は死にたくないし、娯楽はなくなったら困りますよね。私はこれってある種の共同幻想だと思っているんです。

多くの人が信じて、そこに"在る"ものとして扱えば神様だって"在る"し、逆に実在しているものでも、誰の目にも触れず誰からも認知されない存在は"ない"に等しいんです。

つまり『価値』というものは多くの人に認知され、「これには『価値』がある」と認識されることによって初めてそこに『価値』が発生するわけです。


これの身近で分かりやすい例が「ブランド」です。

例えば時計のブランドを思い浮かべてください。時計は本来時間を見るためのものなので正確な時間を確認することさえ出来るならば、それ以外の要素は必要ないはずです。

ですがブランドものの時計は、それを持っていることが、あるいはそれを身に着けている人間であることが、価値があることであると多くの人が信じているからこそ高価なブランドとして扱われているのです。


また、これは「職業」についても言うことが出来ます。
例えば、アニメーターや声優といったここ数十年の間に生まれた職業ですが、人間が生きるためや社会を維持するためには必要のない職業です。

ですが現在では立派に一つの職業として多くの人が価値を認めていますし、その認められた価値に見合った待遇であることが望まれています。

ここまで見てきて分かる通り、『価値』というものは最初から備わっているものではなく、多くの人に信じてもらって、望んだ形で扱ってもらうことによって生み出すことが出来るものなのです。


さて、ここからが本題です。

『価値』が信じることによって生み出されるならば、自分の中での価値は「何を信じたいか」によって決められるわけです。そしてそれを多くの人に広めることが出来たなら、多くの人に信じられているだけの『価値」を持つことになります。

自分が信じたいと思ったものに『価値』を持たせることが出来るんですよ
これって凄い面白いと思いません?


私には今、『価値』を持たせたいと、信じたいと思っているものがあります
それが「VRの世界」です。

正直、VRはまだあまり多くの人に普及しているとは言えません
例えば、VRChatのDAU(DailyActiveUser)は全世界で約9000程度、バーチャルマーケット3の一会場辺りの来場者数は約4万程度です。

この数字は一つのゲームとして見ればそれなりの数字ではありますが、そこに社会を形成するには、そしてそれを継続させていくためにはまるで足りない数字です。

ならどうするか。
より多くの人に信じてもらうために、より多くの人に『価値』を認めてもらうために広めていく必要があるわけです。

そういった意味で、バーチャルマーケットの目的には共感していますし、素晴らしい試みだと感じています。

そして同時にそこに存在するジレンマもバーチャルマーケットはよく体現していると感じています。

より多くの人に広めていくということは、そこに存在する『価値』をあまり信じていない人たちに広めていくということでもあります。だから、『価値』を信じている人たちとは異なる扱い方をしようとしたり、『価値』を信じている人たちに対して奇異の目を向けたりといった摩擦が発生します。

それにリソースが有限である以上、今までの規模を維持してきたのと同じリソースで外に広げていこうとすれば、当然その分内側には綻びが発生します。


考え方によっては「そんなことが起こるくらいならば、既にある『価値』を今信じている人たちだけで大切にして維持していけばいい」と言う人もいるでしょう。もちろんそれも一つの道です。

ただ少なくとも私は、VRの世界で様々なものを見てきて、そこにある『価値』はこんなもんじゃ全然足りない、もっと広めて多くの人に信じられるべきものだと、そう信じたいと感じました。

なので結局そこを決めるのは「その人が何を信じたいか」というエゴです

確かにそこには摩擦や綻びといった課題があるかもしれません
けれど課題があるならば、対策を打って一つ一つ解決していけばいいのです

何か問題が起きるかもしれないからと何もやらないのは信じるのをやめてしまうことに、『価値』をなくしてしまうことに他なりません

だから私は信じたいものを信じます
私が『価値』があると信じたものをより高めるために行動します


これはこの記事に対する感想であり
https://note.mu/phio_alchemist/n/n647c740b1b64

私なりのスタンスの表明です


あなたにも信じたいものがあるならば、是非それに『価値』を持たせてみてください。それはきっと最高に面白いことだと私は信じています。

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