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セプテーニとビービットの協業で生み出される価値とは ~顧客体験価値を最大化する統合マーケティングの実現を目指して~

こんにちは。
セプテーニグループnote編集部です。

先日、セプテーニグループは、マーケティング・コミュニケーション事業におけるコンサルティング領域の強化に加え、既存領域とのシナジー創出を目的に、株式会社ビービット(以下「ビービット」)と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

▼プレスリリース

今回のnoteでは、両社が提携に至った背景や、今後の取り組み、企業様に提供していきたい価値などについて、株式会社ビービット代表の遠藤さんと、マーケティング・コミュニケーション事業を統括するグループ副社長執行役員の清水さんにお話を伺いました。
ぜひご覧ください。

株式会社ビービット

ビービットは、「デジタルサービス・デジタルチャネルのUX(顧客体験)を向上することでLTV(顧客生涯価値)を最大化する」ことを目指し、ユーザー行動データに基づいたUX改善の豊富な知見・経験を活かして、UXコンサルティングやデザイン&オペレーション支援を手掛けています。また、ユーザー行動分析ツール「USERGRAM」をはじめとする独自のプロダクト群も提供しており、企業のUX戦略立案からサービスデザイン、サービスグロース、CXマーケティングの導入・構築・運用まで支援しています。

ー これまでの両社に対するそれぞれの印象についてお聞かせください。

遠藤さん)
セプテーニさんと最初にご一緒したのは2007年頃、当社が開発・提供する広告効果計測ツール「ウェブアンテナ」を取り扱ってくれたことがきっかけでしたね。
当時から、クライアント企業に誠実で価値提供にこだわっている印象がありました。

ビジネス力がありながら、自分たちだけが儲かれば良いといった雰囲気は一切なくて、共存共栄で、しっかり正しいことをやろうという行動倫理で動いてらっしゃるなと思っていました。

また、経営陣含め若い方が多く、組織全体に勢いがあり、常に挑戦を続けている会社だと感じています。

清水さん)
ビービットさんは、国内のUI/UX領域における第一人者であり、非常に高いプレゼンスを発揮しているプロフェッショナルカンパニーだと認識しています。

コアな事業領域は当社と異なるものの、コンサルタントの英知をプロダクトに落とし込み、再現性を持った事業構築に挑戦していらっしゃいます。そういった点も含め、デジタルマーケティングを通じてクライアント企業のビジネス成長のために支援するプロフェッショナルを目指している私たちのアイデンティティとシンクロしている部分が多いと考えています。

ー 両社の交流は約20年前からあったのですね。

改めて、今回の資本業務提携に至った背景やきっかけは何でしょうか。
両社における業界の課題認識や今後のデジタルマーケティングの動向などを踏まえ、今回の提携の目的や狙いについて改めて教えてください。

遠藤さん)
当社ではもともとUI/UXを専門に手掛けているので、UI/UXの分析に基づくLTV(顧客生涯価値)向上という、マーケティングファネルの中でも後段の工程を得意としています。

一方で、最適なカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の設計には、新規顧客獲得に向けた広告プロモーションなどの上流の工程から、購入後のリピートにつながるリテンション施策まで、一気通貫で行う必要があります。
しかし多くの企業では、その部門や担当者がそれぞれ分断されていることに課題を感じていました。

また、顧客体験は、企業と顧客の一生のお付き合いとも言えます。一度関係が始まれば、生涯にわたるお付き合いになることが理想なので、長期的な視点が重要になってきます。
UI/UXの世界では、顧客中心の企業活動が必要ですし、顧客が受け取る価値を高めなければ、LTVは向上しないでしょう。
短期的な視点でコンバージョンを増加させることだけを考えれば強引な手法も可能ですが、長期的な関係を築くためには、全体を設計して実行していくことが、顧客、ひいてはクライアント企業にとっても利益となると考えていました。

清水さん)
業界課題としては、当社もビービットさんと同じ意識を持っています。
セプテーニグループとしても、当社のコアな価値、そして事業競争力の中心に統合マーケティングを据えて様々な取り組みを行っており、その中でも電通グループとの協業により、オンライン・オフライン統合の取り組みは大分進んできています。

しかしクライアントビジネスの成長につながる真の価値を提供するためには、オンオフの面だけではなく、さらなる統合が必要です。そこで新規顧客獲得と顧客体験向上のプロフェッショナル同士が協業できる体制をつくるべく、最適なパートナーとしてビービットさんと提携することになりました。

ー 両社の強みをどのように掛け合わせ、シナジーを生み出していく予定でしょうか。お互いに対して期待することがあれば併せてお聞かせください。

清水さん)
ビービットさんには、遠藤さんをはじめとした、UI/UX領域で多くの経験と能力、技術力を持ち合わせているプレゼンスの高いコンサルタントの方々が多数いらっしゃるところ、そしてカスタマージャーニーの全体設計や、ユーザー行動データの分析に対してとても精通しているところに優位性を感じています。

一方、我々も、デジタルマーケティングにおいては運用力の観点からもトップランナーだと自負しています。お互いのプロフェッショナルな人材が協働することで、包括的にクライアント企業のマーケティングを支援する強固な体制が構築できるのではないかと思っています。

全体設計は、どの施策が有効なのか想定して作らないと実行に落とし込みにくいんです。
極端な話ですが、顧客体験を良くするためだけに作られた全体設計は、その入り口の集客にはなかなか活かせません。一方、集客を最大化・最適化するためだけの全体設計は、顧客体験に対するインパクトは弱い。なので、何を基準に両者を結びつけるかが、両社でシナジーを生むポイントだと考えています。

ユーザー行動データを活用しながら顧客体験にも繋がる長期視点の設計を共同で描くことで、ロイヤルカスタマーの特定や、アクイジション領域からのアプローチに必要な施策、コミュニケーションプラン、シナリオなどを明確化し、設計・実装の効率化を図ることができると考えています。

遠藤さん)
当社とセプテーニさんは、実は事業領域がほぼ被らず棲み分けられています。しかし、エリアとしては隣り合っているので、パズルがぴったり重なるようなイメージで、連携することで非常に大きなシナジーを生み出せると思っています。

また、今回改めて驚いたのが、セプテーニさんはテクノロジーの領域にも非常に注力していて、開発体制や独自のプロダクトも持っている点です。 当社もツール群を持っているのですが、両社のプロダクトを組み合わせていくことで、より強いソリューションが提供できるのではないかと思っています。

ー 本提携によって、クライアント企業にはどのような価値を提供される予定ですか。

清水さん)
重ねてになりますが、クライアント企業内でも、集客の領域とCRMの領域の部門や担当が異なっていることが多いです。そこに対して、組織の在り方そのものを変えるというのはいわゆるビジネストランスフォーメーションに近くなるので、大分大がかりな取り組みになってしまいます。

そこで、当社がクライアント企業のROI(投資利益率)を上げるためにお手伝いできることとしては、両社の協業によってこちら側が各工程を紐づけて、戦略策定、プロモーション支援、顧客体験の最適化を一気通貫で提供していくこと。これが最も大きな提供価値になるのではないかと思っています。

遠藤さん)
もともと各クライアント企業においても、バラバラに施策を運用していても成り立っていたので、そこまで戦略策定から顧客体験までを統合する必要はなかったんだと思います。
ただ昨今、競争が激化し、ビジネスがシビアになってきているので、効率も効果も上げていかなければなりません。そうした状況も踏まえ、サービスの提供側が統合を進めることで、より効率化と効果の最大化を支援していけるようになると考えています。

ー 今後の両社での事業展開について、どのような展望を描いていますか。

遠藤さん)
既存のサービスやツール群に加え、セプテーニさんと新しく統合的なソリューションを開発し、提供していければと思っています。

また、昨今ではAIに指示を出すと、情報収集から統合、最適解の提示まで自動的に行ってくれます。
その際に重要になるのは、AIに発見されること、つまりデジタル上でどのように認知を獲得するかというプロモーション領域です。

そしてもう一つは、情報の透明化が進むことで、誇大広告が通用しなくなるため、本質的に良いサービスでなければ生き残れません。
セプテーニさんが持つデジタル領域での認知・獲得のノウハウと、当社の顧客理解のノウハウを組み合わせることで、AI時代を勝ち抜くことができると考えています。

清水さん)
ビービットさんの強みであるデータに基づいたUXデザインコンサルティングや、パーソナライズドマーケティング支援をはじめとするコンサルティングサービスを、両社のアセットを活用して拡充し、企業に提供していきます。

また、ビービットさんのコンサルティング事業と、共同開発を含めたプロダクト事業における知識やノウハウ、そして当社のアセットを掛け合わせながら、戦略策定から顧客体験最適化を一気通貫で行い、循環型ビジネスモデルとして作り上げていきたいと思っています。

ビービットさんは、我々も大事な価値観として捉えている「インテグリティ(真摯さ・誠実さ)」を大切にされています。そういった共通した価値観のもと、お互い協力していくことで、これまで以上にクライアント企業のビジネス成長にインパクトをもたらせるような新しいサービスを一緒に築いていきたいと思っています。