「多様な価値観を提案し、目の前の人の価値観を揺さぶりたい」デライトチューブとは #セプテーニグループ会社インタビュー
こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。
セプテーニグループには、コンテンツマーケティング支援事業や、AIを活用した企業・ブランドのマーケティング(AIドリブンマーケティング)を推進する「FUKURO AI」事業を手掛けるデライトチューブという会社があります。
今回は、代表の三矢さんに、デライトチューブの事業内容や企業理念に込めた想いについてお話を伺いました!
ぜひご覧ください!
ーデライトチューブの事業内容を教えてください。
デライトチューブは、2017年にセプテーニグループの新規事業会社として設立されました。
設立当初は自社メディアの運営を手掛けていましたが、現在はその経験を生かしてコンテンツマーケティング支援事業を行っています。
コンテンツマーケティング支援というのは、お客様のYouTubeやTikTokなどの公式SNSや、オウンドメディアをお客様に代わって運用するビジネスです。
また、2023年から生成AI事業も本格的に始めており、AIを活用しお客様の業務改善ツールを開発したり、広告やマーケティングで使えるAIアバターなどのクリエイティブを制作・納品したりしています。
生成AIで制作したクリエイティブは、コンテンツマーケティングに活用することもできますし、2つの事業に分かれているようで、関連し合っている部分も多いですね。
意欲を買われ、気づいたら社長になっていた
ーデライトチューブを立ち上げた背景を教えてください。
当時、セプテーニグループの広告クリエイティブを手掛けるニアショア拠点の責任者をしていましたが、グループとしてメディア事業を新しく立ち上げるタイミングで、当時のグループの代表から「やってみないか」と声をかけられたのが最初のきっかけです。
記事メディアは情報の正確性を担保することに課題が生じやすいですが、きちんと良質なコンテンツを作ればまだまだ成長すると思っていました。また、記事コンテンツを作成するためには業務フローが重要なんですが、ライターさんや編集者さん、校閲・検閲の方々としっかりとした業務フローを作っておけば、良質なコンテンツがたくさん作れるはずだと周囲に話していたんです。
会社設立にあたり、社長になりたいと立候補したわけではないんですが、そういった事業に対する意欲を買われて、その流れで気が付いたら社長になっていたという感じですね。
オフィスの場所もあまりこだわりがなかったので、その時に空いていた名古屋のオフィスの一角を拠点にすることにしました。
社名は、デライトは「わくわく」、チューブは「繋げる」という意味で、表向きは「わくわくをつなげる」という意味を込めてつけました。でも実は、「でらいいとこ中部」のWミーニングなんです(笑)。
「でら」は中部地方で「とても」とか「すごい」という意味があって、「中部はとてもいいところ」の意味になります。
名古屋の取引先の方々に社名の由来を話すとみなさんに気に入っていただけます(笑)。
ー社名の由来、すてきですね!「でらいいとこ中部」とは知りませんでした!(笑)
最近は特に生成AI事業に力を入れているイメージがありますが、どのようなきっかけではじめたのですか?
個人的に、最新の技術やトレンドに敏感で、おもしろそうなものを作るのが好きなんです。またコンテンツマーケティングに携わっている立場として新しいものをどんどん取り入れて、ユーザーや読者より一歩先に行かなければ、という思いもあります。
2022年の夏ぐらいに、画像生成AIを見つけて技術的にもおもしろいと思い、これを事業に使えないかと思うようになりました。
ただ、生成AIをやりたいというよりも、コンテンツマーケティングの幅を広げたい気持ちが強かったですね。文章をAIに作らせたらどうなるか、画像を作らせてコンテンツに使えないかといった試みをしていて、それらが事業に繋がったのは自然な流れだと感じています。
「人がなにを考えてるか知りたい」
この最大のミステリーに取り憑かれている
ーおもしろさという点に注目して大事にしているのですね。
私の根底には「人がなにを考えているかを知りたい」という想いがあります。
インターネットやWebマーケティングにも結構早い時期から興味を持っていて、個人的に触っていたんですが、そのときもその最大のミステリーを解き明かしたい気持ちが根源にありました。例えば、2つのクリエイティブのうち、片方のクリック数が多いのはなぜか、とか。
また、特に意識はしていないのですが、お客様やユーザー、生成AI領域で知り合った方たちとコミュニケーションをとっていると、その方たちがおもしろいと言っているものに対して自然と興味が湧くんです。自分の事業や興味に合うかはあまり関係がなく、人に言われたことや人がおもしろいと言っていたものを深掘りしたくなります。自分の方があとから仕入れた情報でその領域に先駆者がいたとしても、より良いものを作りたいと思ってしまいます。
そういう意味でも、事業を通じていろいろな業界やユーザーの悩み、趣味嗜好を知れることに対してとてもおもしろさを感じています。
デライトチューブのメンバーもみんなそんな感じで、事業のためにアンテナを張っているというより、まず相手のことを好きになるタイプが多いですね。
自分たちと関わりのない分野でも、自社の商品に対するお客様の熱量を感じると、次の日にはもう興味をもって買っていたり、アプリをインストールしていたりするメンバーもいるんですよ。そうやって自然と新しいものを取り入れていることが多いですね。
価値観の選択肢を提案したい
ーデライトチューブが大切にしてることや企業理念について教えてください。
個人の理念やビジョンというものを決めるのがあまり得意ではなくて、最初の3年くらいはあえて作っていませんでした。
一緒に働く人たちが増えるにつれて、自分が持っている想いを言語化できるようになったこともあり、「shake your values(君の価値観を揺さぶる)」というビジョンを掲げました。
メディアやコンテンツマーケティング、生成AI事業をやっていても、「絶対やった方がいいですよ!」と人に勧めるのが苦手なんです。
社内でもよく話しているんですが、お客様やユーザーに「こういう面白いものがあるんですけどどうですか」と提案して、「そんな考え方もありかも」と思ってもらえたらいいと思っています。
自分たちの考えを押し付けるのではなくて、多様性というか、様々な価値観を提供し複数の選択肢を提示したいと思っています。その方がお客様を通じて、いろいろなユーザーに価値観を揺さぶるものを届けられますし、AIを活用して大量に制作すれば、それだけ多くの方に届いて価値観を揺さぶることができるのではないかと考えています。
ー価値観を提案する。目の前の人を大事にしている想いが伝わります。
正直に言うと、僕は半径5m以内のことにしかあまり興味が無いんです。
もちろん社会との繋がりはとても大事だなと思っていますし、グループミッションの「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」にも共感しています。
でも、この半径5m以内を大事にしたい気持ちと社会をどうやって接続していこうかなと思ったときに、個人だけで考えると無理だなと思って。
であれば、会社として、目の前のお客様や、多くの領域とかかわって取り組みを増やしていけば、半径5mが結果として広がっていき、ゆくゆくは僕らも社会に大きな影響を与えられるのではないかと思っているんです。
ー半径5mを積み重ねて、広げていく。
現在の事業で大変だったことや、苦労したことはありますか。
細かい苦労はたくさんありますが、なかでも一番の苦労は、個人でも会社でもやりたいことが多すぎる点ですね。そこに自分たちの力やスピードが間に合っていないと感じていて、もう何年も苦しんでいます。
ここまでいけば落ち着けると思って進むんですが、また次の新しい興味ややりたいことが湧いてきて、そちらに行きたくなってしまうんです。それはそれで、また途方もないなにかが広がっているということの繰り返しです。
ー三矢さんの興味は無限に広がっているのですね。
今後どのような取り組みを通じて事業成長を目指していきたいですか。
今の時点では、生成AIでなにができるのか、どうやって事業に生かしていくのか、明確な答えを出せている企業はまだ少ない状況だと思っています。
その点、セプテーニグループは優位性が高いと思っていて、デライトチューブが持っているノウハウとグループ会社であるセプテーニのデジタルマーケティングのノウハウとのシナジーを生かして、事業を進めています。マーケティング分野で生成AIをどう使ってお客様の業務改善に貢献するか、ユーザーに届けるものをより良くするにはどうしたらよいかなど、かなり取り組みやすい位置にいると思っているので、今後そこを一気に伸ばしたいです。
それにより、デライトチューブとセプテーニの両社の事業の成長によりドライブをかけられると思っています。
自分たちの事業を通じて、AIでできることや事業への生かし方をいち早く見つけたいですね。
ー三矢さん、ありがとうございました!