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いかなる花の咲くやらん 第5章第3話  ひと時の平穏

平成三十年(2018年) 秋 平塚
 
「どうしたの。永遠ちゃん。ぼーっとして。今日は購買にみやこ饅頭が来る日だよ。早くいかないと売り切れちゃうよ。
あ、もしかしてまた、この前、七夕祭りで、一瞬気が飛んだ時に 目が合った男の人のこと 考えていたの」
「うん、子供の時にも 同じようなことがあったって話したよね。
たぶん、子供の時に 会った男の子と この前あった男の人は 同じ人だとおもう。気のせいとかじゃなくて、夢とかでもなくて、昔の時代に行った気がする」
「それって、タイムスリップ?」
「うん。なんかすごく運命的なものじゃないかな。その時代からの引力を感じるの」
「引力?」
「私はあの人と結ばれるために、いつか本当にその時代に行くと思う」
「えー、やだー、永遠、どこにも行かないで。私たちの友情は永遠(えいえん)だよ。永遠(とわ)だけに」


「またー、そのフレーズ好きだよね」
「だって、永遠ちゃん大好きなんだもん。あっ、みやこ饅頭も好き。早く行こう。本当に売り切れちゃうよ」
「あっ、待ってー。私も、和香ちゃんもみやこ饅頭も好きー」

次回 第5章第4話「高麗山例大祭」に続く


平塚市民のソウルフード
「ミヤコ饅頭」
平塚駅前の店からカッチャンカッチャンとテンポの良い音が響き、ガラス越しに創作過程を見ることが出来ます。

第1話はこちらから。


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