あめみや ゆう

虎女のことを知って欲しい。日本三大敵討ち「曽我物語」の悲劇のヒロイン。平塚市山下に産ま…

あめみや ゆう

虎女のことを知って欲しい。日本三大敵討ち「曽我物語」の悲劇のヒロイン。平塚市山下に産まれた虎女さんを知らしめる為にお話しを書きました。 これから noteに少しずつ載せて参ります。 皆さん、是非読んで下さいね。 火曜日と金曜日に配信予定です。

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大切な物を失くす前に、私にできること

我が家から程近い国道沿いに今どき珍しい茅葺き屋根の民家がひっそりと建っていた。  商業施設に利用されるでもなく、主のいないその家は、そこだけ時が止まったかのようだった。何のあざとさ もなくただ立っている その家が好きだった。  そこへある日突然、黄色いブルドーザーがやって来た。 その 茅葺き屋根の小さな家は一瞬で潰された。抗う術もなく。僅かな砂煙りは、せめてもの抵抗か。  取り壊されたいきさつは分からない。茅葺き屋根の家を維持することは大変だろう。でも、やっぱり寂しい。わたし

    • 先日、しまうま出版で本を印刷してもらおうと思っていると呟きましたが、今は自己出版というのもあるのですね。自費出版は高くて手が出ないと思いましたが、自己出版ならしまうま出版よりは高いけれど、流通の可能性もあり、国会図書館に納本も出来るとか。 詳しい方がいらしたら教えて欲しいです。

      • いかなる花の咲くやらんを、しまうま出版で印刷してもらおうと思っています。まずは間違えが無いか読み直したら、間違えがありました。なんと殺された人の名前のところに殺した人の名前があることが判明しました。訂正しましたが、ごめんなさい。

        • 創作大賞に応募しました。宜しくお願いします。

          創作大賞の応募が締め切られました。 私の作品は「曽我物語」を基にしました。 主人公の虎女さんを令和からタイムスリップした女子高生にしたり、虎女さんの親友を登場させ、かなり重要な役にキャスティングしたりして、元々のお話しとは少し違うところもありますが、なるべく吾妻鏡に沿って書きました。 曽我兄弟について詳しくご存知なかった方々も、この「いかなる花の咲くやらん」を読んで頂けたら、曽我物語を知ることが出来ます。 創作大賞応募用の投稿以外にも、この物語りの聖地巡りがありますので、物語

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        大切な物を失くす前に、私にできること

        • 先日、しまうま出版で本を印刷してもらおうと思っていると呟きましたが、今は自己出版というのもあるのですね。自費出版は高くて手が出ないと思いましたが、自己出版ならしまうま出版よりは高いけれど、流通の可能性もあり、国会図書館に納本も出来るとか。 詳しい方がいらしたら教えて欲しいです。

        • いかなる花の咲くやらんを、しまうま出版で印刷してもらおうと思っています。まずは間違えが無いか読み直したら、間違えがありました。なんと殺された人の名前のところに殺した人の名前があることが判明しました。訂正しましたが、ごめんなさい。

        • 創作大賞に応募しました。宜しくお願いします。

          実相寺に行きました。 工藤祐経の屋敷の跡です。 子孫(お孫さんかな)がお寺にしました。曽我物語関連でここだけ行けていなかったので、やっと行かれて嬉しかったです。鎌倉駅からバスで行けたので、暑い中歩かないで大丈夫でした。

          実相寺に行きました。 工藤祐経の屋敷の跡です。 子孫(お孫さんかな)がお寺にしました。曽我物語関連でここだけ行けていなかったので、やっと行かれて嬉しかったです。鎌倉駅からバスで行けたので、暑い中歩かないで大丈夫でした。

          創作大賞2024に応募しました。 13話に分けて応募しました。 全部のURLとあらすじを付けるので、第一話は最後に投稿になりました。 出来たと思っていたら、文末に付ける#創作大賞の後の2024が2024になっていて、参加できていませんでした。 皆さんも気を付けて下さいね。

          創作大賞2024に応募しました。 13話に分けて応募しました。 全部のURLとあらすじを付けるので、第一話は最後に投稿になりました。 出来たと思っていたら、文末に付ける#創作大賞の後の2024が2024になっていて、参加できていませんでした。 皆さんも気を付けて下さいね。

          創作大賞応募用           いかなる花の咲くやらん 第1話 プロローグ

          あらすじ ある石の力で時空を超えた女子高生の物語。 祭りのパレードの踊りに参加した彼女は一瞬、時代劇の中にいるような錯覚に襲われる。その祭りの櫓の上で見物の青年と目が合った。意識は現代にすぐ戻り、櫓も青年も消え、隣には親友がいた。彼女は幼い頃、曽我で同じような体験をしていた。 翌春、例大祭で巫女を務めていた彼女は崖から落ち、過去の世界へ。そこでまた青年と会う。彼は曽我十郎。彼は弟と共に父の仇を討つことを念願に生きていた。二人は深く愛し合う。 彼女は仇討ちなどやめて自分と幸せに

          創作大賞応募用           いかなる花の咲くやらん 第1話 プロローグ

          創作大賞用             いかなる花の咲くやらん 第13話 縁(えにし)

          令和元年(2019年) 初夏 平塚 永遠は花の香りに花をくすぐられ、目が覚めた。真っ白い部屋に寝かされていた。枕元の花瓶には藤の花が生けられていた。ここは病院のようだ。ベッドから夕焼けに赤く染まる高麗山が見えた。(テレビ塔が見える。ということはここは平塚市民病院かな。それにしても、丸いアンテナをいっぱい付けられてしまって、テレビ塔はイカのゲソみたいになっちゃったな。 あれっ、私どうしたんだっけ・・・。あーそうか、高麗神社のお祭りで足を滑らせて、落ちたんだ。 ・・・なんか、長

          創作大賞用             いかなる花の咲くやらん 第13話 縁(えにし)

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第12話 残されて

          亀若は大磯へ帰ってきた。何処をどう帰って来たのか、自分でも分からない。着物は着崩れ、髪は振り乱れ、草履が擦り切れた足からは血が滲んでいた。途中水だけは飲んでいたようだが、もう何日も食べものを口にしていなかった。本能だけで大磯まで帰ってきた。通りをふらふらと歩いて来る亀若を見つけたのは、高麗神社から戻った永遠だった。 「亀若ちゃん。どうしたの」 永遠の腕の中に倒れこみながら、今まで無表情だった顔が崩れた。乾ききった頬に涙が溢れた。「五郎様を、五郎様を、私、五郎様を殺してしまった

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第12話 残されて

          創作大賞応募用     いかなる花の咲くやらん 第11話 ついに

          「起きろ、祐経。お前に父を殺された曽我十郎、五郎兄弟が積年の恨みを晴らしに来たぞ」 「よくも何の罪もない父を殺し、母を悲しませてくれたな」 「われら曽我兄弟が、仇討ちもできない腰抜けとお思いか」 「起きろ、起きろ。今こそ自分のしたことを、悔いるがよい」 「さあ、お前の流す赤き血で、地獄の業火で身を焼いている父を、成仏させてくれようぞ」 そう言うと、五郎が祐経の肩を刺した。祐経は肩を刺されて、目を見開き、しばらく兄弟をみつめていたが、そばにあった太刀を取って、起き上がろうとする

          創作大賞応募用     いかなる花の咲くやらん 第11話 ついに

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第10話 いよいよ

          永遠はいつまでも泣いてはいなかった。兄弟が思いを果たせたのち、鎌倉でお取り調べがあるだろうと永遠は考えた。(二人の恩赦を願い出よう。そのために自分に出来ることは何だろうか。いつか五郎が勘当された折、親類の家を転々としていたことがある。その時に頼りにした方々は信頼できる方々だと言っていた。これらの方々に連名で嘆願書を書いていただこう。でも、ことをなす前に相談したことによって、二人の計画が露見してしまないだろうか。私が知っていたとなれば私も罰を受けて処刑されるかもしれないけれど、

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第10話 いよいよ

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第9話 別れ

          健久四年(193年) 春 大磯 「五郎様、頼朝様は諸国の武士たちを召し連れて 武蔵国関戸へ狩りに出かけるようですよ」 「おお、亀若さん、ありがとう。我々もその情報を得て、早速後を追うつもりです」 「そうですか。くれぐれもお気をつけて」 翌日、兄弟は頼朝一行の後を追った。 「忍んで追って行くには馬が邪魔であるな。馬を返して身軽になるか」 「そうですね。二人連れだって馬で追っては目に付きますね」 二人は馬を返して、太刀だけの身軽な姿で 一晩中 祐経を狙った。しかしいつものことな

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第9話 別れ

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第8話 知る

          和田義盛が湯本から三浦へ帰ろうとしていた時、大磯の辺りでお昼になった。子供たちもいたので、どこかで昼餉を食べようということになった。連れの朝比奈義秀と、「せっかく大磯に来たのだから、最近話題の虎という踊り子を座敷に呼んでみたい」 「曽我十郎殿と、良い仲だそうですが、ちょうど、十郎殿も大磯にいらっしゃるとききました」 「それは、ちょうど良い。十郎殿とも久しぶりにお会いしたい」 というながれで、二人を呼んで、酒宴が開かれた。 「本当に美しい方ですな。十郎殿が羨ましい」 「ところで

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第8話 知る

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第7話 時空

          「兄上、あちらに頼朝様のお家来衆が控えている様子、祐経もいるかもしれません。行ってみましょう」 「そうだな。しかし、この人混みでは祐経がいても、手がだせるか」 「関係ない者たちを巻き込むわけにはいきませんね」 「とにかく、様子を見に参ろう」 そういって二人は、見物客たちから離れた。 「あーあ、行っちゃった」 「えー、残念」 お囃子が流れて、踊りが始まった。 「今日は祐経はお供をしていないようすだったな」 「それにしても、これだけの行事があったのに、我々は何も知らず。たまた

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第7話 時空

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第6話 巡り会い

          文治五年(1189年) 初夏 大磯 宮内判官家長と夜叉王という夫婦がいた。二人はなかなか子宝に恵まれず 近くのお地蔵さんに毎日祈願していた。その日も二人でお地蔵さんにお参りに来た。 「どうか、子供をお授け下さい」おはぎをお供えして手を合わせると おはぎがむくむくと膨らみ始めた。 びっくりして見ているとおはぎは座布団くらいの大きさにまでなった。 ガリ。 「 あいたたたたた」 「お前さん 何をやってんだよ」 「だって、おまえ。おはぎが大きくなったから 嬉しくって 思わずかじりつ

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第6話 巡り会い

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第5話 惹かれあう魂

          仇に巡り合うことは万に一つより難しい。めぐり会えないまま一生を終えることのほうがはるかに多いと聞く。しかし仇祐経は、今を時めく源の頼朝のお側近くに仕えるほどに出世している。 逃げ隠れしているわけではないので、普通の仇よりは情報が入りやすいであろうと考えていたが、思ったようにはいかなかった。 その日も二人はあてもなく大磯から鎌倉まで行ってみることにした。にぎやかな宿場なら、なにかしら祐経の情報が得られるかもしれない。二人が二宮から、大磯を通り、平塚まで来た時、八幡宮で七夕の踊り

          創作大賞応募用    いかなる花の咲くやらん 第5話 惹かれあう魂